素数
そすう
概要
数学的に言うならば1とその数自身以外に約数を持たない自然数である。
1は素数には含めない(理由は後述)。
素数は無限にあることが既に証明されている(後述)。2017年現在知られている最も大きな素数は2の74207281乗から1を引いたものであり、桁数は2233万8618桁である。
規則性が少ないため、落ち着くために、ただ数えるのにうってつけである。しかしながら、ある程度大きな数になるとそれが素数かどうかを判別するのは非常に困難となる。これは、現代の暗号のアルゴリズムにも用いられている。
1が素数に含まれない理由
元々は1も素数に含まれていた。
ただ1を素数とすると素因数分解において一意性が成り立たなくなるため1を素数に含まないという考えが主流になっている(例えば6の素因数分解は1を素数に含まない場合は「2×3」のただ一通りだけである。が1を素数に含む場合は「2×3」「1×2×3」「1×1×2×3」「1×1×1×2×3」…と無限のパターンがあることになってしまう)。
ただしこれは定義上の問題であって、原理ではない(1が素数でないほうが都合が良いだけといえる)。だから別に1を素数としても誤りではない。
エラトステネスの篩
古代ギリシャの学者・エラトステネスが考案した素数発見法。
X以下の自然数から素数を発見するには以下のように行う。
まずはXまでの自然数を並べる。
・1は素数ではないので除外する。
・その中で一番小さい素数・2を残し、2の倍数(4・6・8・10…)はふるい落とす。
・2の次に残った3が素数。次にその3を残し、3の倍数(9・15・21・27…)はふるい落とす。
・その次に残った5も素数。その5を残し、5の倍数(35・55・65・85…)はふるい落とす。
…
これをXの平方根まで繰り返し、残った自然数がX以下の素数となる。
素数の性質
- 素数は無限に存在する
(背理法による証明)素数を有限個しか存在しないと仮定して、qを最大の素数とする。そしてすべての素数をかけあわせた数字をQとする。
Q=2*3*5*7*11*…*q
そのQに1を足した
Q+1=(2*3*5*7*11*…*q)+1
は、これまで出てきたすべての素数で割り切ることが出来ない。すなわちqは最大の素数ではない。ゆえに『素数は無限に存在する』
- 2以外の素数は全て奇数であるが、5以外の下一桁5の数字は素数にならない(15以上はすべて5で割り切れるので)。
よって11以上の素数はすべて下一桁「1・3・7・9」となり、数字全体に占める素数の割合は、今後どれだけ最大素数が更新されても、間違いなく4割以下ということになる。それどころか、自然数n以下の素数の割合は、nが大きくなると限りなく小さくなることが素数定理によって分かっている。
- 素数が存在しない区間の長さは理論的には無限である
ある巨大な数nが存在した時にその階乗であるn!を考えると、n!+2~n!+nはそれぞれ2~nで割り切れる為、nが無限大に近付けば素数が存在しない区間の長さは無限大に発散する。
- 素数のみからなる任意の長さの等差数列が存在する(グリーン・タオの定理)
ここでの「長さ」は項数のこと。
例えば長さ3なら3,5,7で、長さ6なら7,37,67,97,127,157といった具合。
余談
素数と言われて褐色の神父を思い浮かべる人もいる。
「落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…わたしに勇気を与えてくれる。2…3…5…7…11…13…17…19」