「アレクサンドロス=ノングラータ。初めまして初い廻り者たちよ。」
概要
かつて起きたとされる既存の世界を崩す終焉『偉人大戦』を引き起こした古い廻り者の一人。
かのマケドニアの征服王アレキサンダー大王の廻り者。
偉人大戦が御伽話として流布されていた関係上、彼女の存在を知る者はほとんど居らず、電脳世界に精通し、あらゆる情報を持つノイマンですら認知していなかった。
それもそのはずで、偉人大戦から永い時間を『茨の牢』という絶海の孤島で過ごしており、世界に干渉することはなかった。その最大の理由は、『終わり』を世界の答えとするには時期尚早であるとの進言を受けて、終焉以外の答えがあると後世に希望を託したから。彼らも元々世界の滅亡を望んでいたわけでもなく、他の生物たちへの慈しみの心もあった。
しかし、項羽、ナイチンゲールといった『答え』を模索していた旧友の死や『偉人類計画』の存在を受け、遂に重い腰を上げた。散って行った者たちの手向けと弔いのために偉人大戦を再現するために動き出した世界のエンディングとも呼べる超越者。
エルネッティやユーゴーなど、一部の彼女を知る者たちからは「アレク様」と呼ばれ、崇拝の対象となっている。
人物
その外見は全身に無数の傷跡がある長身の女性。常にスーツを羽織っており、本人曰く「現代の礼装風のおめかし」。
飄々とした掴みどころのない人物であり、古風な話し方をする徒歩王ロロに「だっせえなその話し方、アニメとかで勉強しろ」と発言するなど、現代にかなり適応している。
一方で、超越者としての独自の思想、価値観を有しており、仇討ちのために協力して欲しいと要請する東耶の希望を真っ向から拒否しており、東耶たちと偉人の杜の決戦を見届けた後に世界を砕くと表明しており、現状ではどこにも属さない最強の第三勢力といった立ち位置。
本人は『在るがままに在る』、『星を壊せる力があるが故にそのように振る舞う』と自身のスタンスを示しており、エルネッティはこの性質を『ラスボス前に加わる強力な味方でも、ゲームクリア後の裏ボスでもなければ、エンディングそのもの』と評している。
しかし、ただ世界を壊す神に等しい存在というわけではなく、かつての顔見知りたちにはそれなりの情を抱いており、ナイチンゲールと項羽が死亡した報せを聞いた際には涙を流しており、ラムセス、ソロモンと共に墓参りに訪れた際にも二人と揃って涙を流しながら献花していた。
才能
その才能に関しては、作中で明確に発動されたタイミングが少ない上、効果も明言もされていない為詳細は不明。
しかし、その効果は最強の廻り者であったあの項羽の『万象儀』に並ぶほど強力であり、作中では
- 至近距離の核爆発にも耐えるノーベルの外殻をいとも容易く解体した上で殺害。
- 廻り者でも上位の能力者である徒歩王ロロ、ニコラ・テスラ、血斧王エイリーク、雷帝イヴァンの攻撃を受けても無傷。
- 地球を貫く極大の衝撃波を放つ。
- 地球に生存する全ての生命に『終わり』を実感させる。
など、これまで登場してきた廻り者と比較しても一線を画す力を持つ。
エルネッティ曰く「単体で惑星の在り方を変えるほどの力」、「惑星史に関与できる力」であり、極論世界を滅ぼすことすら可能。
また、彼女に殴られた部位は才能の行使が不可能になるようで、実際に殴られた扇寺東耶は骨折した右腕が『不死』の能力でも完治せず、『盗人の右腕』の能力が封じられている。
ノイマンはこの能力を『物理法則を捻じ曲げる類の才能』と分析している。
圧倒的な能力を持つ彼女だが、前述の通り、全身に傷跡が残っている。これを残したのは、同じく偉人大戦を引き起こしたラムセス、ソロモン、項羽であることが予想される。
作中での活躍
初登場は第70話。『荊の牢』にて自身のいない世界の情勢が動いたことを知ると、牢を破り『偉人大戦』を再現することを誓い動き出す。
続く72話、『偉人の杜』のアジトをノーベルの首を持参して参上。攻撃を加えてきた徒歩王ロロの極大剣による攻撃を指先一つでいなすと、自身の名を名乗る。
アジトに訪れた理由は、『傾ける者』が自身の相手に相応しいか試すため。また、ナイチンゲールが彼女が現れた理由を『仇打ち』と推察した際には、亡き2人を思い返して涙を流していた。
その後、『王』たちの中から雷帝イヴァン、血斧王エイリークを相手取ることになるのだが、彼らの全力を受けてもなお傷一つ付かず、両者共に戦闘を断念した。
2人の王を退けた後は、いよいよナイチンゲールと対面する。しかし、彼女は結晶を用いてアレクサンドロスをアジトから撃退する。去り際に、彼女が自分をいずれ超えるという発言を受けて、笑いながらそれを楽しみに待つことを決めた。
『偉人の杜』から追い出され、落下した先では廻り者たちによって開かれていた項羽の葬式に乱入。ラムセス、ソロモンと共に偉人大戦の再開を宣言し、地球の生物たちに終わりを実感させた。
ソロモンによってアンリと東耶を拉致すると、サナトリウムにナイチンゲールの墓参りに訪れる。いがみ合うラムセスとソロモンを諌めると、2人と共に涙を流していた。
その後、ラムセスとソロモンを見送ると、アレクは東耶に興味を示し、彼を自身が相手するに足るかを見定めようとするが、当の東耶はアレクに助力を頼み込む。これを真っ向から拒否すると、一時はエルネッティに東耶への説明を一任。彼を水中から引き上げると、右拳で彼を殴り付け、右腕の使用を禁じた。
『偉人の杜』と東耶たちの全面対決が始まった際は、何処かの雪山に待機しており、開戦の気配を感じ取ると笑みを浮かべていた。