概要
1978年にスポーツ走行に対応したハイグリップラジアルタイヤとして、初代モデルの「ADVAN HF」を発売。名前の由来は「前進する」という意味のADVANCEがもとになっている。
また、乗用車用タイヤ以外にも「ADVAN AC Y-255」 という航空機用タイヤが2006年4月より全日本空輸(全日空、ANA)のボーイング777用として供給されていた。 航空機用タイヤは1本で25tの荷重を支え、300km/hを優に越えるF1並の離陸速度と250Km/h以上での着陸速度、そして航行中の上空マイナス55度の超低温(その上、航空機のタイヤ収納スペースは与圧されていない)にも耐え、かつ供用中の破損は絶対に許されないという非常に過酷な設計条件が課せられている。
そのように技術的なハードルが高いため、世界でも航空機用タイヤを開発・供給しているメーカーはわずか4社のみ(横浜ゴム・ブリヂストン・ミシュラン・グッドイヤー)である。
この「ADVAN AC Y-255」 は、そのような技術的課題をクリアした航空機用ラジアルタイヤであり、同社の持てる最高の技術が投入されるADVANの技術力をアピールするものとして全日空の協力の下、大々的にPRされた(後にライバル会社のブリヂストンはANAのライバル会社である日本航空(JAL)のボーイング777を起用し、同様に航空機用タイヤの広告を行なっている)。だがその後、2009年3月に航空機タイヤの製造・販売からの撤退を決定した。
またアメリカ映画「スピード・レーサー」(日本のアニメ「マッハGoGoGo」の実写版)に登場するマッハ号にも装着されている。
タイヤ供給先
カテゴリー
F3・マカオグランプリ - 1983年より
フォーミュラ4 - 1993年~2011年
世界ツーリングカー選手権(WTCC) - 2006年より
インターナショナル・フォーミュラ・マスター - 2007年~2009年
ロータスカップ・ジャパン2007
シビック・インターシリーズ
富士チャンピオンレース・カローラアクシオ GTクラス - 2009年7月より
スーパーFJ、FJ1600 - 2010年より
全日本F3選手権 - 2011年より
FIA F2選手権 - 2012年
※原則としてワンメイクのカテゴリーのみ示す。
チーム
SUPER GT(GT500クラス) - KONDO Racing(2006年~)、土屋エンジニアリング(1996年~2008年)、RACING PROJECT BANDOH(2011年~)
全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)
製品
- ADVAN Neova シリーズ- スポーツ走行向け。「ADVAN GLOBAシリーズ」の後継モデル。初代モデルは左右非対称パターンのAD05・AD06(右側用と左側用に分けて形式が付けられていた)現在4代目のAD09が発売中(2023.4現在)
- ADVAN Sport - スポーツとコンフォートを両立したプレミアムカー向フラッグシップモデル。AVS Sportの後継に位置し、一部の欧州車にOE装着されている。(一部サイズにランフラットタイヤも設定されている。)
- ADVAN dB - 静粛性を高めた、コンフォートタイプのフラッグシップモデル。1980年発売の「ASPEC」を起源とした「DNA dB」の後継。
- ADVAN APEX - スポーツとコンフォートを両立させた中間グレード。
- ADVAN FREVA - 操作感と静粛性も備えた普及グレード。1980年発売の「GRAND PRIX」を起源とした「DNA GP」の後継。
- ADVAN S/T - SUV向けスポーツタイヤ。
- ADVAN A052 - 競技用、A050の後継モデル。
- ADVAN A08B - 競技用。
過去の製品
- ADVAN HF - 1978年発売。シリーズの起源となる初代モデル。
- ADVAN HF TypeD - 1981年発売。2017年より旧車向けとして復刻発売。
- ADVAN HF TypeE - 1985年発売。
- ADVAN GLOBA - 1988年発売。
- ADVAN NEXUS - 1992年発売。