ドラゴンは実在した!
概要
太古の昔から時を越えて世界各地の神話や伝説に登場し、今なお人々を魅了し続ける幻獣・ドラゴン。
本作は現代の地球において「もしドラゴンが実在したら?」をテーマに、登場人物達がそれを解明していくドキュメンタリータッチ形式となっている。
VFXは『ハリー・ポッター』シリーズで定評のあるフレームストアCFCが担当。
あらすじ
時は現代。モンタナ州で極めて珍しい完全な形状を保ったティラノサウルスの頭骨が発見された。発見者として一躍有名となった若き古生物学者・ジャック・タナー博士は、その化石に焦げ跡を見出し、火炎を武器に用いていた架空の生物・ドラゴンの実在を唱えるが、彼の大胆な推測は学会で嘲笑を誘ってしまう。だが数ヵ月後、ルーマニアのカルパチア山脈の氷河で、中世の騎士の焼け焦げた死体とともに、ある恐るべきものが発見された事をきっかけに風向きが変わる。
それは翼をもつ巨大な爬虫類と思われる亡骸、すなわち、ドラゴンそのものだった。伝説の神獣は存在したのだ。しかも氷に閉ざされた洞窟の奥深くで息絶えていたため600年の時を越えて、なお全身がほぼ揃っている。
自分の立証を証明する為、博士はそのドラゴンの亡骸を鑑定を開始する。
「あの巨体でどうやって飛んだのか?」
「どうして火が吹けるのか?」
「なぜ絶滅したのか?」
詳しく調査していくにつれ、博士はドラゴンという種の隆盛、そして必死に時代に適応しようとしながらも生物史から静かに消えていったその結末を知っていく事となる。
登場生物
ドラゴン
本作では白亜紀後期に生きた『古代ドラゴン』、海に進出した『マリン・ドラゴン』、アジアの竹林に適応した『フォレスト・ドラゴン』、そして山へと追いやられた最後のドラゴンである『マウンテン・ドラゴン』の、計4種のドラゴンが登場し、上記の生物史を追っていく。
- 古代ドラゴン
白亜紀後期の6600万年前(劇中では6500万年前)に生息していた最も古いドラゴン。前肢は翼、後肢は足とオートゾックスなスタイルで、恐竜と共存していた。最後はK-Pg衝突(劇中ではKT衝突)により、恐竜もろとも絶滅。古代ドラゴンの血は途絶えた。
本編では、ティラノサウルスとの戦いで母親を亡くした雄の子ドラゴンが、飛行と火炎放射を使いこなしながら一人前のドラゴンに成長するドラマが展開される。
- マリン・ドラゴン
上記の古代ドラゴンの親戚で、あちらは空に進出したのに対し、こちらはK-Pg衝突の影響が少なかった水中に適応。そのおかげで絶滅を免れた。その後、新生代の陸に進出し、後述のフォレスト・ドラゴンへと進化した。
- フォレスト・ドラゴン
マリン・ドラゴンが進化したドラゴン。五万年前の中国に生息。四足歩行で翼は鰭程度に退化しており、飛行できないが、動物の鳴き声を物真似ができる。
本編では縄張りに侵入したトラとの頭脳戦が繰り広げられるが、後にドラゴン史上最悪の敵によって炎を利用され、絶滅の道へと追いやられる事となる…。
- マウンテン・ドラゴン
地球史上、最後のドラゴン。生物としては珍しい、6肢(翼2枚と4本の脚)を持ち、タナー博士が劇中で鑑定していたのも、このドラゴンである。
本編では1475年のカルバチア山脈を舞台に、人間によって山へと追いやられ、迫害に晒された親子の悲劇が描かれる。そして約600年後、歴史の闇に葬られたこのドラゴン達は、タナー博士達の手によって再び日の出を見る事となる。
好敵手(ライバル)
白亜紀後期に生息していた肉食恐竜の王者。
本編序盤において展開された古代ドラゴンとの対決シーンはある意味、最大の見どころのひとつ。
最終的には母親ドラゴンの炎に頭部を焼かれて敗退した(しかし母親ドラゴンに至っても、炎で撃退する前にティラノサウルスに翼を噛まれた怪我が原因で感染症と失血で命を落としてしまった)。
そしてこのティラノサウルスの化石が、タナー博士によってドラゴン実在説を唱えるきっかけとなる。
東洋の竜のライバルでお馴染み、中国に生息する肉食哺乳類。
フォレスト・ドラゴンの縄張りに入り込み、大胆な狩りを続けた事でフォレスト・ドラゴンの怒りを買った。最後は獲物の鳴き声を真似たドラゴンの策にハマり、倒された。その後、炎で毛皮をあぶられて食されたが、皮肉にもこれを見た人間によって…。
- 中世の騎士
マウンテン・ドラゴンを討伐する人間達。雌の子ドラゴンを殺害した後、母親ドラゴンに殺された(劇中で子ドラゴンの亡骸と共に発見された人間の焼死体はこの騎士達である)。そして母親ドラゴンもまた、領主に雇われた傭兵達との抵抗で命を落とす事となる。