猪突猛進
ちょとつもうしん
周囲を省みず目標に向かって突き進む様。
解説
「猪突」と「猛進」の二語を複合した言葉。
【猪突】は「真っ直ぐ突き進む」こと、猛進は文字通り「とにかく勢いで押し進む」ことを意味する。
合わせて(猪の様に)目標に向かってひたすら突き進む様子を表現している。
ただ会話で使う場合、「勇猛果敢」や「一意専心」等と混同しないよう注意が必要である。
そもそもこの言葉は「怒った猪は攻撃する相手しか見えず、ひたすら一直線に突進する」という、猪へのマイナスイメージに端を発した言葉である。
安易に人を褒めるつもりで使うと、「独りで突っ走る短気で直情径行な人物」と揶揄することになるので、「勇往邁進(努力を惜しまず果敢に挑戦すること)」等の言葉に言い換えたほうがいい。
余談になるが、「猪は怒ると直線にしか走れない」というのは、単に昔の人々の偏見であり、実際は猛スピードでドリフトターンさながらの急カーブを決めてくることさえある。
また短気そうというイメージも実際は違っており、本来は臆病で神経質だが縄張り意識が強い性格をしている。
急に突進してくることがあるのは、縄張りを侵害された事と、臆病さと神経質な性質からパニックを起こして「とにかく目の前の相手のを追い払おう」とするからである。