あらすじ
玖楼国の姫サクラと考古学者の卵・小狼は幼馴染。2人は身分の違いを超えて互いに惹かれ合っていたが、どちらも想いを打ち明けられずにいた。ある日、サクラに秘められた力を手に入れようとする飛王・リードの陰謀により、サクラの記憶は無数の羽根と化して異世界へ飛び散ってしまう。瀕死に陥ったサクラを救い記憶を取り戻すには、飛び散った羽根をサクラの体に戻すしかない。しかし異世界へ移動する力を何度も使えるのは、唯一、次元の魔女と呼ばれる人物のみだった。
玖楼国の神官・雪兎により次元の魔女の元へ送られた小狼は、知世姫によって日本国から送られた忍者・黒鋼、自ら次元移動魔術を使ってセレス国からやってきた魔術師・ファイ・D・フローライトと出会う。2人も、それぞれの事情により何度も次元を渡る力を必要としていた。しかし次元を渡る力を得るには相応の「対価」が必要で、1人だけでは払いきれず、3人分の対価を合わせて「ぎりぎり」だと言う。つまり同じひとつの手段を共有し一緒に旅する条件で、次元を渡る力を渡すと言うことだった。3人は条件を飲み、それぞれ「最も大事なもの」を次元の魔女へ対価として支払う。黒鋼は破魔刀「銀竜」、ファイは魔力を抑える刺青、そして小狼は…サクラとの関係性。
こうして異世界を渡り歩く能力を持つ生物モコナことモコナ=ソエル=モドキを得た一行は、それぞれの願いを叶えるために、異世界を渡る過酷な旅を始めることになる。黒鋼は日本国へ戻るために、ファイはセレス国で眠るアシュラ王から逃げるために、小狼はサクラの記憶の羽根を取り戻すために。
登場人物
- 小狼(シャオラン)
本作の前半の主人公で、『小狼』の写身(ウツシミ)。アニメ版の声優は入野自由。異世界に飛び散ったサクラの記憶の羽根を探している。基となったキャラクターは李小狼である。イメージカラーは、緑。
- サクラ / ツバサ
本作のヒロイン。漢字表記では桜、アニメ版での表記はサクラ。アニメ版の声優は牧野由依。飛王・リードの陰謀がきっかけで記憶が異世界に飛び散った。玖楼国の姫にして王位第一継承者。後者は本名。4月1日生まれ。基となったキャラクターは『カードキャプターさくら』の木之本桜である。イメージカラーは、桜色。
- 黒鋼(くろがね)/ 鷹王(ようおう)
本作のオリジナルキャラクター。戦国時代を思わせる国、日本(ニホン)国で最強と謳われる忍者。剣技だけでなく力もあり、スピードも兼ね備えている。アニメ版の声優は稲田徹(幼少時は小林由美子)。後者は真の名。幼名は鋼丸(はがねまる)(アニメ版のみ)。前者は、代々諏倭の領主に受け継がれてきた名である。父親の死後、自らその名を継いでいる。イメージカラーは、黒。
- ファイ・D・フローライト / ユゥイ
本作のオリジナルキャラクター。雪深き国・セレス国の魔術師(ウィザード)。アニメ版の声優は浪川大輔。正体はヴァレリア国の皇子ユゥイ。『ファイ』とは彼の双子の兄弟の名である。ファイと名乗っていた理由は、自分の名前及びその存在をこの世から消し去りたかった為らしい。イメージカラーは、青。
- モコナ=ソエル=モドキ
白いモコナ=モドキ。アニメ版の声優は菊地美香。一行が侑子から授かった謎の生命体。一人称は「モコナ」。出身世界は日本。
- 『小狼』(シャオラン) / ツバサ
本作の後半の主人公。小狼の本体。出身は日本。正体はクロウ・リードの血筋。声優は入野自由。基となったキャラクターは李小狼である。4月1日生まれ。前者は旅立つ際に剣とともに父親から譲られた名前であり、本名は後者である。イメージカラーは、緑。
テレビアニメ
『ツバサ・クロニクル』のタイトルで、NHK教育テレビで2005年4月9日から同年10月15日まで第1シリーズを、2006年4月29日から同年11月4日まで第2シリーズが放送された。結末は原作とは異なり、飲酒や賭博のシーンもない。全52話。
2007年5月5日の第2シリーズ再放送終了をもって放送を終了したが、「東京編」と「日本国編」がオリジナルアニメーションDVD化されている。詳細はオリジナルアニメーションDVDの項を参照。
音楽は梶浦由記が担当。本作で使用された楽曲の中には、同じくNHKの『歴史秘話ヒストリア』で使用されているものもある。