「天井、壁…うっとうしい…」
「何だ…きさまら?」
「何故ここにいる?」
「何故…オレの縄張りに入ってやがる―――!!?」
概要
千年前の魔物の中でも高い実力を持つ魔物の一体(アニメ版ではゾフィスに選ばれた「四天王」の一人として登場している)。
CVは大友龍三郎氏。
本の持ち主はローベルト・ヴァイル(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明。
本の色については、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて鉄紺と解説されている。
作中でレイラから「狂戦士(バーサーカー)とうたわれたデモルト」と呼ばれており、千年前の「王を決める戦い」では名の知れた猛者だった模様。
現に、以下の各項目で解説していくように、石版魔物の中では作中最強クラスの実力を持ち、パティからは「本当に化け物みたいな強さ」、レイラからも「私達全員で戦っても必ず勝てるとは言い切れない」とまで評されるほどの凄まじい存在。
また、結果的にはティオのサイフォジオによって未遂に終わったものの、作中で初めて戦った相手を殺害した魔物でもある。
人物像
容姿
羊角のように太く立派な角、筋肉質な上半身と毛深い下半身、悪魔を思わせる大きな翼が特徴的。
両腕に付いている武器のような物は、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「腕の角」や「角」と表記されているので、当記事でも「角」と表記する。
ファンからは「全体的に悪魔(デーモン)を思わせるような容姿」と言われることが多く、作者の雷句先生はブログにて「短編『哀愁戦士ヒーローババーン』に登場する怪物をモデルにした」という旨の回答をしている。
性格
前述した通り、まさに「狂戦士」と呼ばれるに相応しい荒々しさを持つ。
現に作中では何度も獣のような雄叫びをあげる、原作149話ではゴリラのドラミングのように自身の胸や腹を叩く等、まさしく猛獣のような振る舞いが目立つ。
だが、敵対しているガッシュ陣営には容赦なく攻撃を仕掛けるものの、意外にも「悪人」寄りの言動は見受けられないため、どちらかといえばツァオロンと同じく「本気で戦いを楽しんでいる」部類だったのだと思われる。
また、
- そもそもとしてゾフィスに逆らうことはほぼ不可能とはいえ、「月の石を守る」という重要な役目をしっかりとこなし、パティによって石が破壊されてしまった後には苛立っているような様子が描かれている。
- ヴァイルから「調子にのって遊んでんじゃねえぞ」と言われた時にも反論せず、素直に従ってパワーを上げる。
- 原作最終話ではロップス・コーラルQと共に工事をしており、その際も特に不満そうな表情はしていない。
等の描写から、
見た目や異名に反して意外に真面目な面もあるのかもしれない?
術
術属性については、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「格闘」属性と解説されている(偶然にも、同じ実力者として選抜されたツァオロンと同じ属性である)。
属性自体はキクロプやウォンレイといった他の魔物と被っているものの、デモルトの肉体そのものが元から非常に大きいため、他の魔物が使う格闘属性の術とは比較にならないほどの破壊力を生み出すことが可能という強みがある。
ゼモルク
右腕の角を蛇腹状に分割し、勢いよく発射する。
ほぼ間違いなく初級術だと思われるが、上述の通りデモルトの身体自体が非常に大きいため、この術ですら相当な殺傷力を誇り、屈強な肉体を持つウォンレイの腹部を貫いて大量出血させるほどの威力。
オルダ・ゼモルク
右腕の角を複数の蛇腹剣のように分割し、同時攻撃する。
通常のゼモルクと比べると、こちらは「角そのものが幾つかの小さな角に細かく分かれ、その上で蛇腹状になる」ようなイメージ。
リゴン・ゼモルク
両腕の角を腕から分離し、合体させることで巨大な三節棍を生み出す。
術名に関しては、「両手で2つ同時に発動する」を意味する「リ~系」とゴウ級の語感変化(もしくは特に意味を持たない固有名詞としての「ゴン」)が合わさっているのだと思われる。
作中ではデモルトが棍を巧みに操り、ラウザルク状態のガッシュとゴウ・シュドルク状態のウマゴンによる連携を完璧に対処するという技巧派な面を見せた。
ヘドュン・ゼモルク
頭の両角をえりまき状(180度以上をカバーできる扇状)に変化させる。
何気にデモルトが使用する術の中で唯一、「腕の角」ではなく「頭の角」が変形する呪文となっている。
作中ではガッシュが射程範囲にいたので実質的な刺突攻撃となったが、本来は急所を隠すための防御的な使い方がメインだと思われる(さすがにデモルトが後頭部を自ら相手に当てにいくようなシーンは想像しにくい)。
ラギアント・ジ・ゼモルク
「まずはゴミ掃除だ!!」
「デモルトォ!!!」
作中でヴァイルも「レベルの高え術」と称している通り、デモルトが使用する術どころか石版魔物全員の術の中でも最強クラスの破壊力を誇る超強力な呪文。
両腕の角(※)をおよそ10メートルはありそうな巨大なカートリッジに変形させ、装填されている計4本の弾柱を「マキシマム!!」という掛け声に合わせて順に発射する。
(※)原作152話の発動コマをよく見ると左腕の角が消失しているため、おそらく描写外で両腕の角が合体したと解釈できる。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「特大の弾柱」と表記されているように、一発ごとの威力も見た目通り非常に高く、ラウザルクを使っていないガッシュはもちろん、ゴウ・シュドルク状態のウマゴンやミシルドを展開したレイラをも容易く押し潰し、ティオのマ・セシルドすら拮抗する様子も無く一撃で粉砕するほどの圧倒的な強さを誇る。
どの等級に匹敵するのかは不明だが、マ・セシルドを軽く粉砕するほどのが計4発装填されているため、総合的な攻撃力で言えば並のディオガ級以上は確定だと思われる。
ディオエムル・ゼモルク
右腕に分厚い炎を纏い、相手を殴りつける。
原作152話でティオからも「ウォンレイを追いつめた術」と言われるほどの強力な呪文であり、現に作中ではビョンコのギガノ・ニュシルド(=ギガノ級の防御呪文)を容易く打ち破り、攻撃の余波でパティ・ビョンコ・ウルル・アルヴィンの4人をまとめて吹き飛ばすほどの威力を見せた。
バウロ・ウルク
全身に術エネルギーを纏い、高速で飛行する。
基本的に「~ルク系」と違い「ウルク系」は肉体そのものが強化されるわけではないので、おそらく「飛行する際のスピードを強化する」という効果だと思われる。
ギルガドム・バルスルク
全身強化の呪文。大変強力だが禁呪と呼ばれるもので、禍々しい雰囲気を醸し出し、性格は獰猛さを増す。パートナーでさえ危害が及ぶ可能性があるためゾフィスからは絶対に唱えてはいけないと忠告されていた。
ツルハシの術(仮称)
術名は公式情報として明かされていないが、原作最終話では両腕の角をツルハシに変え、岩山を削っているようなシーンが描かれている。
これに関しては、作者ブログに「最終話でデモルトが工事をしているシーンでは腕の角がありませんよね?あのつるはしは呪文によるものなのでしょうか?」という質問が届いた際、作者の雷句先生は「そうです。デモルトはあんな術も使えますよ。腕の角はまだまだ変化します」と回答しているため、術の一種であることが確定している。
本の持ち主
ローベルト・ヴァイル
オールバックにした長髪に角ばった鼻、ロングコートが特徴的な男性。
CVは二又一成氏。
公式からプロフィールが明かされていないため、年齢や国籍等は不明。
玄宗と同じく「ゾフィスに心を操られていない本の持ち主」であり、ヴァイルの場合は、
「ゾフィスのやっている魔物狩りはこの上なく面白い」
「ゾフィスが王になるまで月の石を守り切れば譲渡してもらえる」
という点から参戦を決めたと語られている。
ゾフィスに気に入られているだけあってか、ヴァイルも負けず劣らずの悪を秘めており、「月の石をコンピューターに繋いで集団催眠をかける」「見ず知らずの他人に悪事を何でもさせられる」ことを楽しみにするという歪んだ性根の持ち主。
「月の石」を破壊された時には本気で涙を流しているため、彼なりに本気の情熱を抱いていたのは確か……なのだが、そもそもとして情熱を傾ける方向性が歪んでいたとしか言いようがないだろう。
活躍
原作53話(イギリス編終盤)から「謎の石板」として登場しており、103話にて他の魔物達と合わせて石版から復活。
その後もシルエットとして何度か映っており、本格的な活躍が描かれ始めるのは原作148話となる。
月の石を守る番人として大部屋で待ち構えており、ガッシュ達より先に到着したティオペアとウォンレイペアを単独で圧倒。
ゼモルクによってウォンレイの腹を貫き殺害する(※)という衝撃的なシーンが描かれた。
(※)一応、作中では「死んだ」と明言されていないものの、原作148話ではティオが「ウォンレイから生気が感じられない」と述べており、出血量や貫かれた箇所を踏まえると間違いなく仮死状態になっていたと思われる。
雄叫びのみでガッシュ達の足をすくませるほどの凄まじいプレッシャーを放つも、レイラの奮闘によって気力を取り戻したガッシュ達と本格戦闘に。
「圧倒的なパワー」というシンプルな強さに加え、「月の石の傍にいるため小さなダメージは即座に回復する」という状況アドバンテージも合わせ、ガッシュとウマゴンをほぼ無傷で圧倒していく。
戦闘の中で清麿がデモルトの急所(首の後ろ)に気付くも、いざ急所に渾身のバオウ・ザケルガを受けてもすぐさま立ち上がるほどの頑強さを見せる。
そこへ途中参戦してきたパティ・ビョンコと戦闘になり、デモルト自身は大きなダメージを負わなかったものの、最終的には月の石を破壊される(月の石を破壊するまでの詳細に関しては
パティの記事を参照)。
目の前で「初めて一生懸命やろうと思えたこと」を壊されたヴァイルは感情のままギルガドム・バルスルクを発動。
デモルトに再び指示を出すも、なんとバーサーカー状態のデモルトは本の持ち主であるヴァイルを飲み込むという衝撃的な行動を見せ、清麿達を絶句させた。
そうして見境なく暴れ回り、大部屋の天井すら粉砕して屋外に躍り出る。
更に増した規格外のパワーでガッシュ達を追い詰めていくも、ガッシュが新呪文のザグルゼムを発現させる、アルベールが目覚めたことでレイラがミベルナ・マ・ミグロンを使用可能になるという逆転のきっかけが徐々に生まれていき、次第に形成が傾いていく。
ザグルゼムを3発被弾させられた後には空を飛んで逃げようとするも、実はキャンチョメが「ポルクによってガッシュに変身し、地上にいるように見せかけていた」という絶妙なアシストを行い、本物のガッシュはウマゴンの背に乗ってデモルトの背後を取っていた。
そして至近距離からバオウ・ザケルガを受け、ザグルゼムで蓄積した電撃も誘発したことで大ダメージとなり戦闘不能に。
最後には復活したウォンレイのラオウ・ディバウレンを腹に受けてヴァイルを吐き出し、ゴウ・バウレンによって本を燃やされて魔界へと帰っていった。
そして先の項目でも触れたように、原作最終話ではロップスやコーラルQと共に岩山の工事(採掘?)を手伝っているシーンが描かれている。