カリフォルニアから来た娘症候群
かるふぉるにあからきたむすめしょうこうぐん
カリフォルニアから来た娘症候群とは、これまで介護を手伝わず疎遠であった親族が、高齢患者のケアや終末期医療に口を出す状態を表す。
概要
遠方にいて疎遠であった親族が介護の現場を垣間見た際、その状態を不適切と見下して、介護者や本人の意思・同意を無視した要望や提案を上げて、介護現場を荒らすことがある。
特に遠方の親族が状況に介入するのは終末期であることが多く、終末期医療において重大な問題が生じやすい。
- 介護に関して口は出すが手は出さない。
- 根拠なく「本人のため」と訴えて身勝手・非現実的な要求をする。
- 介護者や医療関係者、時間をかけて培われた合意に反して主張する。
- 被介護者まで含めた合意に対しても、被介護者の意思確認が難しい状態である場合が多いため自説を曲げない。
結果として、医療関係者は終末期における医療行為の中止(苦痛無く最後を迎えるための医療への移行)などについても、「家族全体の合意が取れていない」と判断せざるを得なくなる。
そのような状態で医療行為を中止すれば、疎遠だった親族に最悪殺人と騒がれてしまうリスクも存在することから、本人や近しい親族の合意を無視した延命治療などを実施せざるを得ず、結果として本人の意思も尊重されずにただ親族の自己満足だけが満たされる結果に終わるのである。
原因
・介護や治療に関して、実状を間近で見ておらず、医師から継続的に状況を知らされていないため、状況が正確に理解できていない。
・医療に関して過度の期待を抱かせる情報はweb上などに多々溢れている一方、実際に携わっている医師との信頼関係は構築できていない。そのため医師への不信感と治療への過度の期待を抱き、治療を継続すれば回復するはずだと信じ込んでしまう。
・長期間疎遠であったことについて罪悪感があり、「命を救おうと熱心になる親族」となることでそうした罪悪感を和らげようとしている。