アクア・ラグナ
あくあらぐな
概要
「アクア・ラグナ」とは、ウォーターゼブンを襲っている高潮の名称。
通常の高潮を遥かに上回る規模の高潮で、裏町の民家の2階が水没するほどである。しかし、中にはそれを上回るほどの大規模な高潮が発生することもあり、それは町を破壊してしまうほどの被害を出している。
この高潮は毎年のように起きているため、発生頻度が極めて高く、被害も毎年のように発生している。
「アクア・ラグナ」は高潮なのだが、津波とよく誤解されることも多いので、以下でその違いについて解説している。
「高潮」と「津波」の違い
「アクア・ラグナ」はあまりにも大きな高潮として描かれ、見た目ではそれが津波のようにも見えてしまう。そのために、読者の間でも「津波」とよく混同されがちなので、ここでは「高潮」と「津波」の違いについて簡単に解説する。
まず、「高潮」についてだが、これは気圧の低さや強風が原因で、海面が高くなる気象現象のことを指す(台風・低気圧の通過などの気象現象が原因)。具体的には、気圧低下による海面の吸い上げや風による吹き寄せによって発生する。波長は数~数百mに及ぶ。場合によっては、「アクア・ラグナ」のように大規模な高潮になることもあり、浸水範囲は極めて大規模になる場合がある。
一方で「津波」だが、これは地震・噴火・地滑り・山体崩壊等が原因で、海底から海面までの海水全体が短時間で大きく動き、それが周囲に波となって広がっていく現象のことを指す(地学現象が原因)。波長は数~数百km(「高潮」の1000倍以上)に及ぶ。また、津波の場合は海水全体が大きく動くので、「高潮」よりも到達範囲は遥かに大規模で力も桁違いに強く、場合によっては斜面を遡上してくる極めて危険な波である。浸水範囲も内陸から数km以上離れた場所まで及ぶほど桁違いになることがある。しかも、作中世界のように波を隔てる地形があまりなく、海が大半を占めていれば、数千km以上も遠く離れた場所にも到達することもあり、陸にぶつかれば波が反射して戻ってくることもある。
すなわち「アクア・ラグナ」は、発生要因が気象現象なので、「津波」という呼び方は相応しくないということになる。逆に発生要因に地学現象が絡んでいた場合、それは「津波」と呼ぶので、「高潮」とは呼ばない(主な津波の発生要因の例は「グラグラの実の能力によって誘発された巨大地震」「マザーフレイムによる攻撃」「震源地不明の世界規模の地震(マグニチュードは不明※)」)。
今後、作中で巨大な波が描写された場合は、発生要因を考慮すると、見分けがつきやすくなるだろう。
※作中で描かれた規模から考慮すると、少なくとも長さ数千kmにも及ぶ岩盤の破壊が同時、或いは短時間に連動して起こらない限りは、世界規模の地震にはならないと考えられることから、地震の規模は最低でもM10程度はあると推定。
前兆現象
「アクア・ラグナ」には前兆現象があり、その現象がウォーターセブンに向けて吹き抜ける南方からの強風である(この風を「南の風(カロック)」と呼ぶ)。これは「アクア・ラグナ」到来を告げるので、この風が確認された場合は、ウォーターセブン全域に警戒警報が発令される。
余談
「アクア・ラグナ」のモデルは、イタリアにあるアドリア海で定期的に発生している高潮「アクア・アルタ」である(SBS)。「アクア・アルタ」は、ベネチアなどで発生する大洪水の被害の原因となる。