踏み絵
ふみえ
信仰の有無を確かめるために踏ませる絵のこと
概要
江戸時代に、その者がキリスト教徒であるかを調べるために踏ませた、キリストや聖母マリアを描いた絵(正確には木板もしくは金属板)のこと。また、その絵を踏むこと。「踏絵」や「絵踏」とも表記する。
本来は踏ませる絵の側を「踏み絵(踏絵)」、絵を踏む・踏ませる行為を「絵踏み(絵踏)」と呼んでいたが、現在では「踏み絵」で一括りにされるのが通例である。
禁教令の下で潜伏していたキリシタンを炙り出し、処罰するために発明された手法だったが、キリシタンが内面の信仰をこそ重んじる解釈に切り替えて踏み絵を躊躇なく踏みつけるようになったため効果は薄れていった。
最終的には開国に伴って廃止された。
ちなみに実際のキリスト教では偶像崇拝は禁止されており、彫像や絵画はあくまでもイメージを共有するためのシンボルでしかないという立場であるため、絵に敬意を払わず踏みつけるのは信徒として正しい態度である。
キリシタンを罰するための施策が、却って本来の信仰に近づけてしまうとはなんとも皮肉。
転じて、その人の主義や主張・立場を試すためのもののことを指して「踏み絵」と言う事もある。
本来は「信仰心が無い」ことを証明するためのものだったが、慣用的な意味では「忠誠心や覚悟がある」ことを示すためのものに変わっている。
なおpixiv上では、こちらを踏みつけてきているようなイラストにもタグが付けられている。