概要
もともとは南諸県郡所属の松山村と志布志村の2村だった。しかし1891年に面積の広い志布志村が東志布志村と西志布志村に分割された。その後なんやかんやあって南諸県郡は曽於郡、松山村は松山町、西志布志村は志布志町、東志布志村は有明町となり、2006年にこの3町が合併して誕生した。
志布志湾という半円形の湾に面していて志布志港は物流の拠点となっている。特に飼料の輸入や木材の輸出が多い。志布志市自体が人口数万人しかなく周辺も人口の少ない地域としては立派すぎる港湾設備を持っている。大阪とフェリー航路で結ばれているためマイカーを使う数泊の旅行であれば関西からアクセスしやすい。
旧志布志町が市域の半分以上を占め、人口も志布志町に集中している。中心地の志布志町志布志には志布志市役所・志布志警察署・志布志保健所・志布志港湾合同庁舎などの公的機関がある。ちなみに有明町井倉に志布志市役所有明支所が、松山町新橋に志布志市役所松山支所が、そして志布志町志布志には志布志市役所志布志支所がある。即ち志布志町志布志には志布志市役所と志布志市役所志布志支所の両方が存在するというややこしい事態となっている。なお2020年までは現在の志布志市役所有明支所が志布志市役所であり、志布志町志布志には志布志市役所志布志支所のみが存在していた。町の規模だけを考えれば、当時から有明町より明らかに志布志町志布志のほうが店も多く栄えていたのだが、合併直前に志布志町志布志に存在した志布志町役場は志布志市役所とするには手狭であり、広い土地を持っていた有明町役場が志布志市役所となった経緯がある。その後2018年の市町村において志布志市役所を志布志町志布志へ移転するという公約を掲げた候補者が当選し、2021年からその公約通り志布志市市役所は志布志町志布志へ移転され、従来の志布志市役所は志布志市役所有明支所となったが、志布志市役所志布志支所はそのまま存置されたため、結果として志布志市役所は支所を一つ増やすという結果になり現在に至る。
鉄道はJR九州日南線が志布志町を通っていて宮崎駅と結ばれている。志布志町志布志に志布志駅が、志布志町夏井に大隅夏井駅がある。日南線は志布志駅で行き止まりのため鉄道では鹿児島市方面に行くことができない。宮崎市に鉄道で行くのにも鹿児島市にバスで行くのにも約3時間かかるため交通は不便。一方で都城市には車で約1時間(バスでも1時間20分ほど)で行くことができる。鹿屋市にはもっと早く行ける。JR九州が国鉄だった時代は有明町と松山町を通り都城市に至る志布志線、さらに鹿屋市方面に大隅線を延ばしていたがどちらも廃止してしまった。志布志鉄道記念公園にはSLなどが展示されている。ちなみに松山町新橋に道の駅があるが、志布志町志布志にはない。
大隅夏井駅近くのダグリ岬には遊園地があり多くの観光客で賑わっていない。志布志湾に浮かぶ枇榔島には亜熱帯植物が繁茂していて国指定文化財となっているが定期航路はなく観光はできない。城跡は松山城・志布志城などがある。志布志町帖にはかつて武家屋敷があり、屋敷の庭園がいくつか残されている。志布志町帖と志布志町夏井の境界付近の夏井海岸には火砕流により形成された高い断崖がある。志布志町志布志には種田山頭火の句碑が多数ある。
特産品は志布志湾でとれる鱧やちりめん、志布志市内で養殖されているうなぎなど。さらに志布志湾の魚を使ったさつま揚げもある。志布志黒豚三昧丼は2017全国ご当地どんぶり選手権でグランプリを獲得した。
一方、曽於郡時代の2003年4月に鹿児島県最大の汚点となる大規模な冤罪事件、志布志事件が発生し、全国に鹿児島県と志布志の名が悪名として知れ渡る事となった。