概要
鹿児島県鹿児島郡。南西諸島の北方にある、黒島、硫黄島、竹島の3つの有人島と無人島や岩礁からなる村である。
かつては吐噶喇列島と合わせて「川辺十島」と呼ばれていて第二次世界大戦前は吐噶喇列島を含む十島村の一部だった。しかし戦後に米軍がなぜか吐噶喇列島を琉球の一部として米軍政下としたことで十島村は分断されてしまったため、三島村として分離せざるを得なくなった。
三島村役場は十島村役場と同様に鹿児島市に存在する。村内には高等学校以上の学校が存在しないため進学時には鹿児島市内などに出る事となる。
なお、他の市町村に役場が存在する市町村は、この二村と沖縄県の竹富町(町役場は石垣市に存在)の3町村のみである。何れの場合も、複数の有人島を町村内に持つが、各島を結ぶ公共交通機関が存在せず、近隣の大きな自治体との直通の方が便利であるという理由が、このような役場設置の理由となっている。
硫黄島に薩摩硫黄島飛行場があるが2023年6月以降休業しており、2024年現在は村に行くには週3~4往復のフェリーみしまのみが手段である。
昔は硫黄島に硫黄鉱山があったが閉鎖され、人口流出に悩まされている。そのため都市部の子供達を期間限定で預かる山村留学なども行っている。現在の主な産業は畜産を中心にした農業、漁業。
大型魚などの釣りを目当てに行く観光客も時折いるが、近年ではジャンベやヨットレースを村おこしとして使っている。
何の因果か、各島とも同名の別の島の方が知名度が高い。
黒島
西へやや離れた島で、人口、面積ともに3島で最大。西岸に片泊、東岸に大里の集落があり、フェリーみしまは両集落の港へ寄港する。島中央部には500m級の山がそびえる。
有吉佐和子による黒島を舞台にした小説「私は忘れない」および映画のロケ地にもなった。
硫黄島(いおうじま)
東西に並ぶ三島のうち真ん中の島。
東京都の硫黄島(いおうとう)とは別物であるが一時期は間違える人が多かった。
こちらの島も硫黄岳(標高703m)がそびえる火山島であるが、民間人が在住しており一般人の宿泊可能な民宿、キャンプ場(何故か管理が鹿児島市である)も存在する。
かつて俊寛が流刑された鬼界ヶ島ははここだと言われており、その伝承にもとづいた史跡もある。ただし鬼界ヶ島は奄美群島の喜界島だという異説もある。
また海岸には温泉「東温泉」「坂本温泉」があり、秘湯マニアも好んで訪問する。湧出する温泉によって港周辺の海が赤茶色になっている。
島内には野生化した孔雀がいる。
壇ノ浦の戦いで落ち延びた安徳天皇の陵墓とされる墓所があるが、宮内庁が指定する安徳天皇陵墓参考地にはなっていない。
竹島
一番東の島で、鹿児島港に近いためフェリーみしまが最初に寄港する。人口・面積では有人三島で最小。
名前の通り大名竹というリュウキュウチクが豊富で、良質なタケノコが穫れる。