作中の動向
主人公「光の戦士」たちの乗る飛空艇がサロニア上空を飛行中、いきなり砲撃を受けて墜落してしまう。
そこでは王の理不尽な命令により軍の兵士同士が戦わされるという異常事態に陥っていた。
そんな中、光の戦士たちは城を追放されていたアルス王子と出会い、父王に直訴するため共にサロニア城に乗り込む。
追放されたにもかかわらずアッサリと城内に招かれた一行だが、その夜、客間に泊まったアルス王子に刃物を持った王が襲いかかってきた。
絶体絶命と思われたその時……王は苦しげにうめきながら動きを止める。
そこへ現れたのは大臣ギガメス。そう、サロニア王は彼に操られていたのである。
王子を殺せと命じるギガメスだが、しかし王は愛する我が子を殺めるぐらいならばと、自らに刃を突き立てた。
目論見が破れたギガメスは自ら手を下すため、その正体……怪鳥ガルーダに変貌し、光の戦士たちに襲いかかる。
恐怖の「かみなり」
その姿は赤い羽毛の鳥頭と人間のような脚、そして巨大な翼を広げた異形の鳥人。
毎ターン、パーティー全体に300~400ダメージを与える「かみなり」を降らせてくる。これが非常に強力で、この時点のプレイヤーキャラクターの平均HPはせいぜい800~1000のため、3回も食らえばほぼ全滅。たまに使う打撃攻撃も強力で、回復がとても追いつかないのだ。
城内の店はほとんど閉まっているため装備を整えられず、城門も閉ざされているため外の敵を相手にレベルアップもできない(ように見える)。そのため完全に詰んでしまったと思い込み、ゲーム自体を初めからやり直したプレイヤーも多いのではなかろうか。
攻略法
唯一の突破口は、「ジャンプ」で敵の攻撃をやり過ごし、落下時に2倍ダメージの攻撃を繰り出せるジョブ「竜騎士」のみ。
全員がこれにジョブチェンジし、ジャンプで「かみなり」をかわしつつ、落下攻撃で倒すのが唯一の攻略法である。
それでも、運が悪いとジャンプの前に攻撃を受けてやられてしまうことも多い。
実は、竜騎士専用の武器屋だけは開いており、さらに街中でもいくつか拾うことが可能。また、街の一角にある「ドラゴンの塔」と城内のフィールドの森では普通に敵とエンカウントする。塔には装備の入った宝箱が大量にあるため、レベル上げもかねて集めよう。
後は幸運を祈りつつ、ひたすらジャンプするのみだ。
裏技
実はパーティ内ー人の防御力を上げる「かめのこうら」を2個使えば「かみなり」のダメージをなんと1にまで抑えることが可能。
こうなれば後は適当に殴るだけで勝利となるのだが、FC版FF3には補助魔法の効果を消滅させる重篤なバグがあり、この事もあってこの手のアイテムの有効性を認知している人が少なかった。
また入手数の都合上1人にしか使えないため、当時この攻略法を知る人は一人旅縛りなどをしている一部のモノ好きのみに留まっていた。
他機種版
3Dリメイク
DS版(現3DR版)ではカラーリングが白になり、より神鳥のイメージになっている。
「かみなり」は「いかずち」に名称が変更。
魔法防御が高い魔法職はともかく、物理職は一撃で倒されかねない程の威力になった。
加えて二回行動となり、いかずちと通常攻撃を同ターン中に行ってくる。ただし運が良ければいかずちを使わず、通常攻撃を2回行ってくることもある。
またターン開始時に全員がジャンプ中でも行動しない事がなくなり、着地した後であらためていかずちを撃たれる事もある。
HPそのものはFC版の2倍になっているものの
主人公側の攻撃性能はそれ以上に強化されているため
火力に特化した戦術を取れば、こちらの被害が大きくなる前に撃破することが狙える。
竜騎士のジャンプの他、風水師の地形、学者での攻撃アイテム使用なども有効。
なお、一部では「天狗のあくびを学者でガルーダに使えば一撃」と言われることがある。
天狗のあくびはサロニアで出現するニードルモンキーかソーサラーが極稀に落とすか
熟練度99のシーフがいればニードルモンキーから盗むことも出来る。
但し、余程闇雲に熟練度稼ぎをしているのでもなければ
この時点でシーフの熟練度が99に達していることはまずないため
攻略法として期待できるものではない。
まだ水の洞窟に出てくるローパーからボムの右腕や北極の風、神々の怒りといった攻撃アイテムを手に入れ
複数名が学者にジョブチェンジして使って威力で劣る分手数で補う勝負した方が現実味がある。
ピクセルリマスター
攻撃回数が1回に戻り、FC版よりもジャンプのダメージが安定して入りやすくなっている為、レベルと熟練度次第では1ターンキルも可能。
ただし、家庭機版では若干調整が入り、ジャンプによるダメージが入りにくくなっているとのことで、実質的に強化された。
余談
FC版でのあまりの強さとユーザーのトラウマからか、ファイナルファンタジー用語辞典では「全滅の雷帝」と記述されていた(2010年頃もしくはそれ以前)。
そしてその称号(?)は、後年のFFRKのサブタイトルにも採用されている。