UST=浦賀サイドターン
要するに、引き上げ線を使わず本線を一時的に占有して行われる車両折り返し扱いの一種である。
(1) 終着駅(例・品川や京急川崎)の北行ホームに到着して客を降ろす
(2) すぐに列車の前後進を切り替えて北行車線を南に逆走
(3) 駅南方100mぐらいにある分岐器を渡って対向の南行車線に移る
ここまでならどこの会社でも普通に行われるありふれた作業である。
京急の本線折り返しが特別ネタになるのは、ここからさらに続きがあるためで、
(4) フル加速で南行車線に入ったらすぐに前後進を切り替えて今度は北に逆走
(5) フル加速で南行ホームに滑り込んで客を拾う(方向幕もフル回転である)
(6) 客が乗ったら前後進を切り替えてフル加速で南行車線を南に発車していく
という、M字折り返しを行っているために生じる一連のドタバタ劇のせいである。
しかも2分おきにやってくる営業車両の隙間を縫うため、分岐切替と前後進切替を20秒弱で済ませてしまうのだからネタにならないわけが無い。
(3)(4)(5)の部分で、南(浦賀方面)に向かって折り返してまた戻ってくる様子から、浦賀サイドターンと名づけられたと推測される。
なんでわざわざ…と思うかもしれないが、南行ホームで待ってるお客様をわざわざ北行ホームに誘導したり、いっそ見捨てて空っぽのまま南に消えたりするのは真っ赤な誓いに反するためだ。
駅員「本日に限りまして、横浜方面から横浜方面行の電車がマイリェス!オライッ!」
そういうわけで必然的に北行の営業車両と(4)の逆走北行列車が並走することも多くなる。複線のどちらからも同じ向きに頭をそろえてやってくる様子はまさに新郎新婦入場であり、カップリング次第では見てるだけでジワジワくること請け合いだろう。
なお類似案件として、品川サイドターン・堀ノ内サイドターン、他社では新宿サイドターンや梅田サイドターンなども話題に上がることがある。