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F-106の編集履歴

2012-10-12 09:41:44 バージョン

F-106

えふいちまるろく

アメリカ空軍防空軍団の迎撃戦闘機。通称は「デルタダート」。元はF-102の改良型であり、開発途中からF-106に改称された。当初の計画ほどではなかったが、性能は向上した。しかし、それによりF-106で防空を一手に引き受ける予定だった計画は、F-101Bと共に運用される事に変更された。

難産、F-102

全天候迎撃戦闘機F-102だったが、その開発は困難であった。

特に大きかったのが「パワーはあるのに音速を超えられない」という問題だ。

すったもんだの末、エリアルールの採用でようやく解決となったが、

機体設計の全面変更したおかげで、生産ジグはすべて無駄となってしまった。


生産と開発と同時進行を狙った「クック・クレイギー方式」だったのだが、

大きな裏目に出てしまった。

おかげで開発計画は大幅遅延、開発費用も予算超過の恐れが出た。

とりあえず出来上がった分だけでも完成させる事になり、これがF-102Aとなった。


急遽完成させたF-102だったが、問題も多く噴出した。

まずFCSの開発が間に合わず、仕方なく旧式のものを搭載した。

また、要求をクリアしたとは言っても、パワーはまだまだ不足気味であり、

パワーアップしたエンジン・完成したFCSを盛り込んで再設計することになった。

ここにさらなる性能向上を目指し、F-102Bの開発が始まった。


また、計画途中で名称も変更された。

F-102とは性能も外観も大きく異なる事から、F-106へと改称されたのだ。

(おそらく、別の戦闘機として議会に予算を承認させる意図もあったのだろう)


クック・クレイギー方式

F-106では最初から量産型となった。また、要求仕様も大幅に厳しいものとされた。

そのせいでクリアできない数値が続出したが、

そこは「クック・クレイギー方式」がうまく働いた。

今度は生産機とのフィードバックが上手く行ったのだ。

困難こそあっても、開発は順調そのものだった。


制式採用(予定外を含む)

F-102とは比べ物にならない程、開発は順調に進んだ。

しかし配備へと移って、思わぬライバルが現れた。

F-101B配備計画である。

だが、アメリカ防空軍は「両機の特徴は大きく違い、両機配備が望ましい」として擁護。

こうしてF-106は救われたが、代わりに配備機数は大幅に減らされてしまった。

しかし、防空戦闘機の完成という目標は達せられた。


迎撃システム

当初の計画どおり、F-102では見送られた迎撃システムが組み込まれた。

MA-1迎撃システムである。

これは地上の管制システムに連動し、迎撃地点まで機体を誘導するシステムである。

また、迎撃地点までは全て自動でよく、迎撃後も帰還コースをHUDに表示してくれる。

極端な話、人間は発射ボタンを押し、あとは帰還するだけでよかったのだ。

しかしこの迎撃システム、複雑さに定評があり、

常時50%の稼働率を維持するのも一苦労だったと言われている。

(常時50%:飛行隊18機のうち、飛べるのは9機。残りは整備中)


武装はF-102よりも信頼性が向上した事もあり、増強するどころか減少している。

F-102では機内の兵器庫にAIM-4やAIM-26(両方とも「ファルコン」)を6発、

兵器庫ドアに2.75インチロケット弾を24発内蔵していたが、

F-106ではAIM-4F/G「スーパーファルコン」を4発、

AIR-2A「ジニー」核対空ロケット弾1発となった。

両機ともに機関砲を装備しない。


のちにAIR-2Aの搭載場所を、

M-61バルカン砲に置換する「ミックスシューター計画」が立案されたが、

改修機は僅かだった。

(この計画では、他にもAGM-78の搭載も含んでいる)


海外組、そして晩年。

F-102と違って輸出はされなかった。


その全てがアメリカで使い切られたF-106ではあったが、寿命は驚くほど長かった。

1959年から部隊配備が開始され、最終的には1988年まで州軍で使用された。

なんと29年の長きを勤め上げたのである。

例えるならば、スカイラインGTS(R31)が現役を勤めているようなものである。

(自衛隊では30年前のグロリアワゴンなどが現役だが)

痛みの少ない防空軍配備とはいえ、随分長く使われたものだ。

F-106の後継はすったもんだの混戦の末、F-16の防空型となった。


冷戦が冷戦のままで終結したので、F-106に実戦記録はない。

しかし、同じデルタ翼ということで、ベトナムに派遣される部隊の演習相手を務めた。

想定はMiG-21である。

F-106にとっては、格闘戦は全く想定外の使い方である。

しかし、これがまったく予想外の一面を見せた。


これがどうして強いのである。

エンジンの加速力は十二分、ピュアデルタの翼形により空気抵抗も最小限で、

翼面荷重も小さい。

とくに高い高度での運動性が優秀なのだ。

演習相手を散々てこずらせて、F-106パイロットもさぞ得意だった事だろう。

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