バビロン(第七王子)
ばびろん
人物
特異体質を有する賞金首で構成された『暗殺者ギルド』の一員。現在は暗殺者ギルドの仲間と共にロードスト領を纏めつつロイドの従者を務めている。
基本的に冷静かつ飄々としており、暗殺者ギルドのメンバーの中でも特に社交性が高い。「クク(もしくはくく)」という笑い方や雰囲気、糸目で口元に笑みを浮かべていることが多いのもあって一見何かを企んでそうな胡散臭い人物に見えるが、実際は真っ当な良識を持ち合わせており仲間思いで他者のために自己犠牲も是とする善人。礼儀礼節も弁えており立ち振る舞いも紳士的。
一方で元々が暗殺者だけあって必要ならば迷わず命を奪ったり、主人であるロイドのためならば問題行為も平然と行おうとするなど、汚れ仕事を行うことにも抵抗はない。機転がきく柔軟な思考の持ち主とも言え、本人の性格もあってよく単独行動をロイドから任されることも。
暗殺者ギルドの面々とはお互いに家族のように思っており、特にリーダーであったジェイドには他のメンバー共々強い感謝の念を抱いている。本人曰く、「アンタ(ジェイド)に出会うまでどの道クソみたいな人生だった」とのこと。
ロイドに対しても暗殺者ギルドの境遇を大きく変えてくれたこと、自分達の命を何度も救いジェイドの仇を取ってくれた恩人であることから「ロイド様」、「ボス」と呼び慕っている。彼のために命を賭けることにも抵抗はなく、ロイドからの信頼も厚い。彼が重傷を負わされた際には珍しくロイドも怒っていた。
裏の世界で生きていたことと諜報活動を主に行っていたために気配に敏感で、特に殺意や血の匂いなどの危険への嗅覚はかなりのもの。洞察力も高く、劇中では念入りに裏工作を行っていたある人物の違和感も見抜いていた。
また、手先が器用で料理が得意。その腕前はかなりのもので教会の人々からも絶賛されていた。しかしロイドは褒めてくれない(魔術にしか基本興味がないのと前世が貧乏すぎて酷いものばかり食べていた彼からすれば大抵の料理は美味しいため)ので、ロイドが喜ぶ食事を作ろうと努力している。
容姿
髪の色は緑で糸目。目を開いた時の彼の顔はかなりイケメンである。身長は高く、スタイルもかなり良い。このような容姿に加えて性格が良くて料理も上手なため、修道女たちからはかなりモテていた。
能力
暗殺者ギルドは全員が生まれながらにして特異体質であり、彼の特異体質は『超軟体』。
その名の通り肉体が異常なまでに柔らかく、胴体や腕を何周も捻っても平然としている。その柔らかさから鼠のように小さな隙間からも出入り出来ることから『巨鼠のバビロン』という異名がついた。
ロイドによってこの体質を自在に制御出来るようになるまでは常に身体が柔らかく勝手にクネクネしてしまったため、『軟体のノロワレ』と呼ばれていた。
他の暗殺者ギルドの能力と比べれば地味だが、シンプル故の応用力の高さが強み。腕や足が鞭のようにしなるため威力は上がり、その柔らかさから普通ならば不可能な異常な軌道による打撃を繰り出せる。また、攻撃に対して全身を弛緩させることで衝撃を殺して威力を激減するといった防御にも使える。
この能力の真髄は筋肉や骨格、内臓までも柔らかく出来ることにある。ロイドによって能力を十全に活かせるようになってからは本人の意思で好きな部位を好きに柔らかくして更にそれを動かすことが出来る。そのため、本来なら急所となる部分を貫かれても内臓や骨格を事前に移動させておけば致命傷を避けることが可能。
更に筋肉と骨を限界まで捻り、それを打撃の瞬間に解放することで彼の細い腕でも岩を軽く砕くことが出来るだけの破壊力を生み出すことが出来る。加えてこれらは全て体内で起きていることのため、コントロールすれば他者からは身体のシルエットが変わらず予測は不可能という奇襲性を持っている。
また、暗殺者ギルド共通の高い身体能力と気配を殺す能力を有している。更にバビロンの場合は気によって更なる身体能力の向上を可能としている。ただし気の存在を知ったのはロイドと会ってからであるためまだまだ未熟だが、気に必要なのは独特な呼吸であるため、肺を柔らかくして常人では不可能な呼吸をすることでその弱点を補っている。
基本的に戦闘手段は上述の身体能力を様々な能力によって強化した素手による格闘を得意としている。
ロイドから渡された神聖魔術も使用可能で、中距離はこの魔術を使うことで対応している。