KV-2
かーびんつー
ソ連軍が第二次世界大戦初期において実戦投入した重戦車
概要
KV-1の車体に、152mm榴弾砲を装備した非常に背の高い砲塔を搭載した重戦車である。
ドイツ軍には『ギガント』もしくは『街道上の怪物』と呼ばれ、恐れられた。
ただし、152㎜榴弾砲を備えた砲塔は輪にかけて重く、通常でも難があったKV-1の機動力がさらに低下しており(7tほど重量増加)、一番の敵は『地盤の弱い場所』であった。
ましてや、車体が斜めになっていると砲塔の旋回すらおぼつかない有様だった。
とはいえ、装甲が非常に厚く(最大100mm以上)、その防御力はまさに要塞であった。
88mm高射砲すら弾き返し(ある戦闘では、水平射撃で6発撃ち込んだが、そのうち貫通したのは2発のみ)、ましてや当時の主力戦車などの主砲(37㎜砲や50㎜砲)では全く歯が立たなかった。
そのため、37㎜対戦車砲などは『ドアノッカー』とまで呼ばれる始末であった。
(砲弾がまるでドアをノックするように装甲表面を叩くだけだったので)
このように敵からはその卓越した防御力で恐れられたが、あまりの巨体と重量により使用出来る作戦が限られてしまうことがわかり、独ソ戦開始後ほどなくして生産は打ち切られ、ソ連の戦車としては少数の生産数で終わった。
その後、同じく152mm榴弾砲を装備したSU-152やISU-152が開発されたが、こちらは回転砲塔を持たない自走砲である。