概要
作永きみとは映画「きみの色」の登場人物である。担当はギターとヴォーカル。
プロフィール
人物
日暮トツ子と同じ学校の別のクラスに通う高校3年生。模範的優等生で、学校の聖歌隊のリーダーでもある。
身長はやや高めで細身だがオーバーサイズシャツを好んで着用しており、ボトムスがショートパンツのときは殆どボトムスが見えない。
家は祖母と2人暮らしで、就職で出ていった兄の私物であったリッケンバッカーのエレキギターを部屋に置いている。
エレキギターの主がいなくなったことをきっかけにギターの練習を行っており、家やバイト先で時間を見つけては練習している。
作中での行動
初登場は廊下でトツ子が本を運んでいるシーン。
クラスメイトの久住千羽・加世田結衣とテストの出来の話(本人曰く「ヤマが外れちゃった」らしいが「この前もそんなこと言って100点だった」と返されている。)をしたり、聖歌隊の後輩の悩みを聞いていた。
場面は変わり、体育の授業中。ドッジボールにてきみはトツ子の顔面にボールをクリーンヒットさせてしまう。
驚き、口を覆うきみ。トツ子の鼻から血が出ている。慌てて駆け寄り、「ごめん」と声をかける。トツ子は何が嬉しいのか、「だい…じょう…ぶ」とニヤニヤしている。
この先、ネタバレ注意。
ネタバレ
中退の理由
きみが学校を中退した理由は、皆の期待の重さや、自分の「ロックンロールな魂」を押し出せずに優等生であり続けようとした末のマトモではない精神状態での判断であったことが明かされる。
影平ルイに学校を辞めた事を後悔しているか問われ、「わからない…。でも自分の決めたことでこんなにウジウジしているのは違うと思う。」と返した。
恋心
ルイに好意を寄せているかのような描写が度々登場する。
- 序盤でルイときみが書店で顔を合わせるシーンで、ルイが軽く会釈しているのに対し、きみは驚いた様子で少し頬を赤らめ、顔を慌てて逸らしている。
- さらにトツ子と買いに行くシーンでは、トツ子がルイへのクリスマスプレゼントにスノードームを買うことを提案すると、彼女が頬を赤らめるという明らかにルイに好意を寄せていると見られる描写がある。まるで彼女らがスノードームにいるかのような美しい描写と共に描かれ、この映画では必見のシーンと言えるだろう。
以下、更なるネタバレ注意。
物語の終盤、ルイが遠方の大学に船で旅立ってしまうことになる。 船上でルイはトツ子ときみの姿を探す。
が、いるのは他の見送りの団体ばかり。その頃彼女達は、近くの堤防で三角座り。
トツ子が「ちゃんと会わなくて良かったのかな?」と問う。
きみは「またすぐ会えるよ」と返す。
トツ子が「楽しかったね」と聖バレンタイン祭のあの熱狂を思い出し、またきみに話しかける。
きみは「うん」と言ったが、その顔は言葉と違って硬い。
その時、汽笛が鳴った。
トツ子は「ルイくんの船だよ!きみちゃん、行こ!」と立ち上がり、声をかけた。
きみは顔を上げる。
2人が見送りに来てくれない事をルイは少し悲しそうにしていた。
あるものが視界に入り、ルイの目が見開かれた。
その目に映っていたのは。
全力疾走するきみと、それを追いかけるトツ子の姿だった。
堤防にきみが立つ。
「頑張れーーーーーー!!!」
おそらく作永きみの人生の中で最も大きな声だった。
「頑張れーーーーーーー!!!」
ともう一度。
「ルイくーーん!!!」とトツ子も叫ぶ。
「頑張ってーーーーーーーーーーーーーー!!!」
それは最早「告白」であった。
ルイは隣の人の紙テープを(半分奪うような勢いで)貰い、大きく振った。突然何者かに押されるかのようにテープがルイの手から解き離れ 空を舞った。3人が同時に見たのは 太陽に照らされながら空に舞う七『色』であった。
わたしの目には、
あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。
ーイザヤ書43章4節