あるある大辞典
あるあるだいじてん
概要
正式名称は「発掘!あるある大辞典」。
暮らしにまつわる生活情報の提供を行い、特に健康・からだ・食に関するテーマを取り扱っていた。
MCは堺正章とヒロミと女性アシスタント数名で構成されており、2004年からはヒロミに変わって志村けんと柴田理恵が加わる。
世界各地で話題の健康情報を現地人の特派員が「健康にいい食べ物」を当てさせる三択クイズコーナーや、健康情報内容以外にもテーマに準じた夫婦寸劇を志村・柴田が演じるショートコントを披露するあるある話、志村をメインに日本各地の健康食を発掘し紹介させ、料理を披露した素人が素材の魅力を「川柳」紹介する物など、凡ゆる健康に纏わる内容が多数満載だった。
この第二次健康ブームに乗じるかのように様々な健康に着目した内容がヒットを呼び、フジテレビを代表する冠番組の一つになっていくはずだったが…
データ捏造による番組打ち切り
2007年(平成19年)1月7日放送の、納豆によるダイエット効果を取り上げた内容の放送後、全国各地のスーパーや小売業店の店頭で納豆が売り切れ、納豆の入荷時期も全くの未定といった大騒動となってしまった。
この騒動に不審を抱いた『週刊朝日』は研究調査に協力した研究機関や大学に取材を行ったところ、明らかに辻褄が合わない部分が複数続出した為、これらの証言を元に関西テレビに直接質問状を送ったところ、放送から約二週間後の1月20日に関西テレビは緊急記者会見を開き、社内調査の結果として実際には血液検査を行っていないにもかかわらず虚偽のデータを放映したと発表し同時に翌21日の放送を中止することも発表。
その後の調査で公表された主な捏造内容は以下のとおり。
- 1.米国の大学教授の研究から「DHEA」と呼ばれるホルモンにダイエット効果がある。
- 2.納豆などに含まれるイソフラボンがその原料になる。
- 3.結果的に納豆にはダイエット効果がある。
- 4.被験者に朝晩2回納豆を食べ続けさせた結果、2週間で全員の体重が減った。
オンエアではこの様に実際に測定したデータ数値を添付した状態で放送された。
しかし、その後の調査で
- 1の内容について引用された米国大学教授の研究は納豆やイソフラボンとは全くの無関係で、「DHEAが減少した高齢者においてDHEAを補充すると、内臓脂肪を減少させる可能性がある」というもので確証には至らない。
- 2に至っては「大豆抽出物がイソフラボンの含有量に関係なく性ホルモンにわずかな影響を与える」という内容で、大豆のイソフラボンでDHEAが増えるというわけではない。
- 3については、これだけではダイエット効果があるという結論を導くことはできない。にもかかわらず、都合のいい話だけを曲解を交えてつなぎ合わせ、実際に痩せたと結論づけていた。
- 4に至っては実際に測定したデータや結果は全くのデタラメで、実際に検証した被験者は番組で映し出された被験者とは全くの別人で、計測数値もあたかも納得出来るように改ざんしていた。
という事実が明らかにされ、結果的に不確かな部分や疑念は有耶無耶にされ、半ば強引に効果があると結論づけて、その実証報告を協力してくれた大学や研究機関には報告せず、番組サイドの独断で放送してしまったのだ。
事の重大さを受けた関西テレビはこれまで協力してくれたスポンサーや国立大学、大手研究機関からの面目を丸潰れにしてしまった事を踏まえ協議の結果、翌1月23日、関西テレビは当番組の打ち切りによる放送終了を発表した。これに伴い、関西テレビの役員と制作責任者が暫定的に処分され、今後も調査委員会を立ち上げ検証し、検証後に必要な場合は追加処分を実施することとされた。
その後の調査で7つの捏造・データ改竄が発覚。中には本当に痩せていたのに何故か減量分を過小に掲載する本末転倒な代物まであった。
またこれまで出版された書籍も全てが絶版となり、全国の本屋・図書館・小中学校に置かれていた分も撤廃された。
また、本番組の捏造に携わった制作スタッフに対し懲戒免職が下され、制作局局長に対して数ヶ月に渡る減俸処分が命じられた。
また、2007年4月19日、関西テレビは日本民間放送連盟(民放連)から除名処分を受け、オリンピックやワールドカップ等、国連競技の放送権を剥奪された。同時に総務省からもこの件について、同放送法第3条の違反による警告の行政指導を行った。
関連タグ
- 同ジャンルの番組
ためしてガッテン…NHK総合で放送された番組。こちらも捏造疑惑や一部の情報の偏向があったことで問題になったことがある。
午後は○○おもいッきりテレビ…日本テレビで放送された番組。生活情報コーナーもあったのだが、リニューアル後に取り扱わなくなっており、「あるある」の捏造事件が原因と見られている。