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82系の編集履歴

2025-02-10 14:02:15 バージョン

82系

はちじゅうにけい

日本国有鉄道が保有した鉄道車両の形式の一。

82系とは日本国有鉄道が保有した車両の形式の事を指す。82系と呼称された車両群は電気車、気動車の双方に存在した。


日本国有鉄道82系電気車

 1950年代後半、ベビーブームの時期に産まれた若人が修学旅行を行う時期に突入した。現代のように営業列車の一部を借り切るには学徒の数が多すぎた(一学校七百名程度が当たり前)。また、当時は空路も大衆に開かれておらず、道路は今ほどの利便性がない。東海道本線はと中央本線、関西本線しか選択肢がなく、定期列車に収容するには多すぎる学徒をどうにかするため、日本国有鉄道は修学旅行専用列車を仕立てるようになった。

 さらに追い打ちをかけるように、当時は慢性的に車両が足りないため、修学旅行列車に使われたのは旧型客車であった。学徒が目的地以外の駅で降りて行方不明になることが当たり前の事であった。そんな折に湘南電車こと80系が営業を開始した。自動ドアを魅力に感じた学校関係者からの提言と、特別鉄道債券の発行による資金調達の成功により、世界的に見ても類を見ない「修学旅行専用列車」の製造が決定した。

 当時充当された修学旅行専用列車の愛称から「ひので型電車」の称号を得ている。


設備

その後の技術の進歩により、東海型電車の91系電車をベースに製造されたが、細かい面で91系との差が見受けられる


乗降扉の寸法

91系では幅1,000mmの乗降扉が採用されたが、82系では700mmの狭幅扉に変更されている。


壁面への速度計埋め込み

一般の営業電車では食堂車の壁面への速度計の埋め込みは見られたが、娯楽が限られた当時の移動の事情に考慮し、先頭車クハ89形の客室の壁面へ速度計を埋め込み、運行速度の表示をしていた。当時は長距離電車の運転による高速化が多大なる宣伝効果を持っていたため、その側面もあったと推定される。


座席寸法の変更

修学旅行へ向かう学徒を収容する定員の確保が求められていたため、一部座席を二人掛けから三人掛けへ拡幅。通路幅は当時の中学生の体躯を考慮しても支障がない程度に狭くされた。


飲料可能な洗面台の設置

大量の学徒が乗車することを前提とした設計の変更は洗面台にも表れており、二人が同時使用可能なサイズへ変更されている。


便所の設計変更

便所は複数人に対応するため、設計上可能になったスペースに男性用の小便器が追加された。


廃棄物周りの設計変更

くずもの入れの大容量化が図られたほか、学徒に対する教育課程への使用を見越して箒とチリトリが備え付けられ、車内美化を行ってからの降車が可能となった。


全車両の低屋根化

中央本線の狭小トンネルにも対応するため、90系では800番代と通称される車両が製造されたが、この車両は集電装置周りのみ屋根を下げて狭小トンネルに対応したものであったが、82系では全車両を低屋根構造として、全体的な見映えを統一した。


通風器形状の変更

91系では押込型通風器が採用されたが、82系では簡易的な構造で換気効果の大きいグローブ型の通風器に設計を変更している。


排障器の省略

91系では排障器の装備が前提となった設計だったが、82系では省略されている。低屋根化と相まって車重が91系より若干軽くなる遠因となった。


台車の簡素化

91系では20系向けの台車をベースとした電車用の空気バネ台車を採用した。一方82系では債券の見積もりに甘さがあり、所々でコストカットが必要となった。そのため90系電車のコイルバネ台車をベースとした台車へ設計が変更された。ただし90系より高速で走行することを見越してディスクブレーキ装備に設計が変更されている。


オフシーズン時は臨時の準急行列車に充当された。

晩年は新幹線の開通や高速自動車国道の開通に起因する移動手段の多様化、特別鉄道債券の規約期間の終了により、修学旅行専用列車の設定そのものがなくなったため、後年は修学旅行専用列車としての設備が撤去され、91系と混用されていくことになる。


日本国有鉄道82系気動車

 1960年に運行を開始したはつかり型気動車キハ81系列において洗い出された不具合への対応のためにさらなる設計の変更が行われ1961年から増備されたグループ。82系となってから最初に導入された列車から白鳥型と呼称されることもある。そのほか、キハ81系列から形式の変動がない中間車を基幹形式としてキハ80系と呼称される。


キハ81からの変更点

食堂車の設備変更

 キハ81系列のキサシ80では九両以上を組成すると編成全体の出力が要求に満たないことになったためであり、キハ82系列ではキシ80としてニ機関搭載に設計を変更した。

貫通型先頭車の新規設計

 固定編成でなおかつ、騒音の基となる発電機を客室から隔離するため特徴的なボンネット付きの先頭車となったキハ81だが、多層建て列車や繁忙期増結など柔軟性が求められたため、新設計で貫通路付きの先頭車キハ82形が新規に製造された。ボンネットがない分客室定員が十二名増加するなどの副次効果も得られた。


更に試運転による問題の洗い出し、技術の成熟により、キハ81系列での安定運行の評価の低さは嘘のように日本全国へ足を延ばし気動車特急のイメージリーダーとなった。さらにキハ82形のデザインは評価が高く、後年デビューする181系気動車、民営化後の373系電車、189系気動車へ受け継がれていくことになる


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