概要
「電撃G'sマガジン」2003年12月号から連載開始。
ヒロインが4人登場し、読者はそのうち一人を婚約者として選ぶという内容で、これだけ見ればごく普通の読者参加企画であった。
しかしそこには重大な落とし穴があった。
実は4人のうち、1人だけ「男」が混じっているのである。
そしてその男が誰なのかを読者の投票の結果で決めるというものであった。
純粋な人気投票に加え男疑惑票も加算し、一番早く男危険度が100%に達したキャラが男になるというルールである。
G's編集部も自ら「おバカでアブノーマルな企画」と紹介していた、あまりにもぶっ飛んでいた企画であった。
現在の視点で見れば、「男の娘」を先取りした企画であったとも言えるかもしれない。
わずか半年間の生涯
しかし本作は全く盛り上がることなく、わずか半年で打ち切りという憂き目に遭ってしまったのである。
その一番の原因は、「絵が萌えなかった」ことだろう。
本作のイラストは「大崎はるい」という無名のイラストレーターが担当したのだが、そのイラストは同時期に連載されていた『双恋』『ストロベリー・パニック』や、少し前まで連載されていた名作『シスタープリンセス』等と比較してあまりにも見劣りしたのである。
絵が全てとは言わないが、それでも『シスプリ』で目が肥えた読者が多かったことを考えると流石にアレではファンはつかなかった。
シナリオ面・演出面でも「かのまるひ」というこれまた無名のライターが担当したが、これも秀逸だったとは言い難い。
イラスト・文芸共に無名の人材が配置されたことからも、G's編集部が本作に対してどこまでやる気があったのか大いに疑問であった。
誌上ゲーム第1回だが、その総投票数は1,000票にすら届かなかった。
かつて『シスプリ』で咲耶1人で2,000票前後を稼いだ雑誌と同じ雑誌の企画とは思えないほどの惨敗振りであった。
編集部のコメントでも「いまいちハガキが少ないような…早くも企画存続の危機か?」などと書かれていた。
実際、本当にいきなり企画存続の危機に立たされたのである。
人気最下位(男の可能性1位)の真乙女ひじりの票が、他の3人と圧倒的な大差がついてしまったのである。
第1回にして、このまま企画を続けてもひじりが男になる以外の結果はあり得ないという結論が出てしまったのだ。
加えて、総投票数が1,000票に満たないということも企画そのものが全く人気がないことを意味しており、もはや本作を継続する価値などどこにも無かったのである。
誌上ゲーム第2回にしていきなりルール変更が行われた。
男疑惑票が1位のキャラは、男危険度が50%も跳ね上がることになったのだ。
ひじりがぶっちぎりの最下位は確実なので、あと2回で終了することは確定した。
事実上の打ち切りである。
結果がこれでは仕方がないと言えるが。
こうして、読者に相手にされなかった企画は編集部にすら愛されることなく、わずか半年の生涯を終えたのである。
最終回の編集部のコメント。
「というわけで、G's始まって以来のおバカでアブノーマルな企画はいかがでした?編集部としてはちょっとやりすぎた?と反省しつつも、やっぱ可愛ければちょっとくらい男の子でもいいじゃん!てわけで(笑)」
(笑)じゃねぇだろ…。
なんというか読者を舐めてるとしか思えないコメントであった。
そんな態度なら、最初からやるなと言いたい。
登場ヒロイン
真乙女あかね(長女)
真乙女みこと(次女)
真乙女すばる(三女)
真乙女ひじり(四女?)