白浜兼一
しらはまけんいち
絆創膏がトレードマークの高校生。度が過ぎるほどのお人好しで善意に満ち溢れたような男。何よりも悪徳・悪行を憎み、己が信じた正義に徹することを信念としている。時にその行いは偽善・愚行と非難されることもあるが、彼の人間愛に触れ、救われてきた者は数多い。自他共に認める相手の逆鱗に触れる天才。彼の特徴に「大切な人を守るときこそ真の勇気を発揮する」と秋雨が評しており、特に美羽が傷つけられた場合には途端に敵に対して容赦のない姿を見せる。梁山泊の面々やその他のある一定以上の使い手たちは見ただけで「武術の才能がない」と口を揃えて言い、そのため武術において、常人の何倍もの努力をし、それに加え生命の危機さえも感じる諸刃の剣を使わなければ水準には追いつかないといわれるほどで、この欠点は本人が持つ甘さや強さを発揮するまでに時間がかかりすぎるスロースターターに影響している。
戦闘スタイルは、師匠たちの武技を組み合わせた総合格闘。「才能が無い」と言われつつも師匠たちの地獄の修行(という名のムチャ振り)に耐え抜いたその肉体は、「武術の基礎の塊」と揶揄されるほど。
心を落ち着かせて戦う"静"のタイプの格闘家であり、相手の動きを予測して最小限の動きで防御・回避を行う「流水制空圏」を使いこなす。
主な技
無拍子
空手・中国拳法の突きの要訣、柔術の体重移動、ムエタイの打倒の心構えを組み合わせて放つ、ケンイチが独自に編み出した必殺技。
相手に接近しないと撃てず、発動前の溜めと発動後の隙も大きいが、命中させれば一撃必殺の威力を持つ。
習得した当初は数回に一度しか成功しなかったが、ケンイチの成長とともに成功率も上がっていった。
制空圏
「先に開展を求め、後に緊湊に至る」
この緊湊に至って初めて見える、自分のゾーン。
己のパーソナルスペースを決め、そこに入ったものだけを確実に撃ち落とす武術の真髄。
流水制空圏
無敵超人・風林寺隼人の108ある必殺技の1つ。
活人拳の本懐である”思いやりの心”が肝要となる、静の極みの技。
三つの段階が存在する。
第一段階
相手の流れに合わせる。
制空圏を薄皮一枚まで絞り込み、敵の動きを”流れ”で捉え、軌道を予想して最小限の動きでかわす。
第二段階
相手と一つになる。
敵の目を見て敵の身になって考え、予測すら出来ないはずの攻撃をも捌く。
第三段階
相手を己の流れに乗せる。流水制空圏の真髄。
この段階に達した状態で放つ技に、敵は力を吸い取られるように命中してしまう。
孤塁抜き
連綿と続く攻防の中、防御しているからこそ意識下から外れ孤立している箇所を孤塁と呼ぶ。
修行により身につけた重心のコントロールを用いて、膨大な基礎修行で培った全脚力を注ぎ込み、この孤塁をぶち抜く蹴り技。
膝蹴りを囮とし敵にガードさせ、その膝を支点に足を回転させガードを弾き飛ばし、真上に蹴り上げる。
ケンイチの脚力が並外れていることもあり、決まれば防ぎきれる弟子クラスはまずいないらしい。