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シャフリヤール(競走馬)

しゃふりやーる

2018年生まれの日本の競走馬。主な勝ち鞍は2021年の東京優駿(日本ダービー)、2022年のドバイシーマクラシック。第88代日本ダービー馬であり、日本ダービー馬で初めて海外GⅠを制覇した。
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プロフィール

生年月日2018年4月13日
欧字表記Shahryar
性別
毛色黒鹿毛
ディープインパクト
ドバイマジェスティ
母の父エッセンスオブドバイ
生産ノーザンファーム(北海道安平町)
調教師藤原英昭(栗東)
主戦騎手福永祐一川田将雅

馬名のシャフリヤールペルシア語で王・君主を指し、馬名登録では「偉大な王」の意とされている。特に『千夜一夜物語』の登場人物であるシャフリヤール王が有名であり、この中東風の馬名は母・ドバイマジェスティからの連想である。


ドバイマジェスティはアメリカ合衆国で誕生・現役を過ごした競走馬で、主な勝ち鞍にアメリカのダート短距離女王決定戦である、ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリント(ダート7ハロン≒1408m、G1、2010年)がある。

引退後は日本に輸入され繁殖牝馬となった。シャフリヤールの全兄に、2017年の皐月賞アルアインがいる。


戦歴

2020年(2歳)10月25日、栗東トレーニングセンター藤原英昭厩舎からデビュー。福永祐一の騎乗で新馬勝ちを飾る。2歳時はこの一戦のみであった。


2021年(3歳)、始動戦は2月の共同通信杯(GⅢ)を選択するが、エフフォーリアの3着止まりで収得賞金を加算できず。

次いで3月27日の毎日杯(GⅢ)では、他馬(ルペルカーリア)に騎乗する福永に代わり川田将雅が騎乗。レースレコードで重賞初制覇を挙げた。


毎日杯の勝利によって、4月18日皐月賞の出走枠は収得賞金上間違いなく確保できる状態だったが、レース間隔が短すぎることなどから、皐月賞を回避し日本ダービーを狙い撃ちすることを陣営は決意する。


迎えた5月30日の日本ダービーでは鞍上福永に戻り、単勝11.7倍の4番人気。

最終直線、1番人気の皐月賞馬エフフォーリアを追い2頭ほぼ同時に入線。判定の結果、約10cmのハナ差シャフリヤールが差し切っており、ダービー制覇を果たした。

勝ち時計2分22秒5は、2019年の日本ダービー馬・ロジャーバローズの記録を0秒1更新するレースレコードとなった。


夏の休養を挟み、秋の初戦には神戸新聞杯を選択。しかし、雨による道悪馬場に泣き、道悪巧者ステラヴェローチェの4着に敗れる。ここ数年のダービー馬はダービーを最後に引退したロジャーバローズ以外、次走で勝利を挙げており、早くもダービーの勝利をフロック視する意見もあった。


次走にジャパンカップを選択。エフフォーリアは有馬記念に行ったため不在で、3歳馬の筆頭格として古馬と初対決となった。レースは直線向いた辺りから進出したが、同じく進出したコントレイルを最後まで差しきれず、3着に敗れた。それでも、過去のダービー馬のワグネリアンマカヒキに先着。このレースが年内最終戦となった。この年の最優秀3歳牡馬はそのコントレイル相手に天皇賞(秋)で勝利し、その後の有馬記念を勝利したエフフォーリアが選出され、本馬はダービーを勝利したにもかかわらず、受賞は出来なかった(エフフォーリアの方は年度代表馬も受賞している)。


2022年、4歳初戦は海外遠征となるドバイシーマクラシック。昨年は同馬主の2世代上の馬クロノジェネシスが惜しくも2着に敗れた舞台である。

ジャパンカップの後に体重が大幅に増えており、一時期は+49kgと報じられている。鞍上には今回が初騎乗となるクリスチャン・デムーロ騎手(日本ですっかりお馴染みとなったミルコ・デムーロ騎手の弟)が起用された。


様々な要素から不安視する声も多かったが、本番では今までとは違い前目の位置でレースを進め、最終直線で一気に先頭へ立つ。そして後ろから恐ろしい末脚で迫ってきた英国のユビアー(2021年BCターフ勝ち馬、エクリプス賞最優秀芝牡・騸馬受賞)をクビ差で振り切り、見事に勝利。自身の名の由来とも縁の深い土地でGI2勝目を飾った。

日本馬によるドバイシーマクラシック制覇はジェンティルドンナ以来8年ぶり、日本ダービー優勝馬の海外GI制覇は史上初という快挙であった。ダービーの勝利がフロックでなかったことを証明しただけでなく、『ディープインパクト産駒のダービー馬の多くは早枯れ』というジンクスも打破してみせた。


藤原調教師は凱旋門賞ブリーダーズカップ・ターフ、そしてジャパンカップのいずれかに出走する事を見据えており、ヨーロッパへの輸送・環境・馬場適正などを試すために次走としてイギリスに遠征し、アスコット競馬場開催のG1・プリンスオブウェールズステークスに挑戦することを決定。

日本で2番人気に推される中迎えた6月16日のプリンスオブウェールズステークス。前走から引き続きクリスチャン・デムーロを迎えて挑んだレース本番では、逃げるステートオブレストを見つつ2番手でレースを進め、最終直線で追い出すも伸びずに後退。ステートオブレストの逃げ切り勝ちを許す形になり、更に追い込んで来たグランドグローリーにも交わされて5頭中4着という惨敗を喫した。神戸新聞杯の頃からパワー不足を指摘されており、さすがにアスコット競馬場の急坂は辛かったようだ。


これを受けて陣営は凱旋門賞登録を取り消して帰国することを決定。休養を挟み秋は天皇賞(秋)で始動してジャパンカップを目指すこととなった。

なお、天皇賞(秋)の鞍上は短期免許で来日するクリスチャン・デムーロ騎手が続投となった。


天皇賞(秋)では2番人気で本番を迎えたが、パンサラッサの大逃げとイクイノックスの末脚が観客を沸かせる中で5着に終わる。休養明けのせいか最終直線で思うように伸びなかったようだ。


続くジャパンカップではイクイノックスやアルピニスタなどの回避、ダービーと同じ府中2400mということもあり1番人気に推される。2番人気にはクラシックと秋天で好走を続けてきたダノンベルーガ、3番人気はダート2勝クラスから芝へ転向してスピード出世してきたヴェラアズールとなった。

本番では外を回されながらも後方から一気に追い込み、ヴェルトライゼンデデアリングタクトとの競り合いを制して勝利するかに見えた。しかし猛烈な切れ味で突っ込んできたヴェラアズールに3/4馬身差し切られ、2着となった。

藤原調教師は「エイシンフラッシュ(産駒)に負けたな。負けるならこの馬だけだと思っていた」「100点の走りだったが、勝った馬も100点」とコメントした(ヴェラアズールの父エイシンフラッシュも藤原厩舎だった)。


2023年(5歳)も現役続行するが、ダービーで死闘を繰り広げたエフフォーリアもレース中の不調を切っ掛けにとうとう引退してしまった。


5歳となってからの初戦は連覇のかかるドバイシーマクラシックに出走するもイクイノックスの5着に敗れる。

藤原調教師は「ゲート内で待たされてテンションがあがり、ポジションを取りに行ったのですが、最後はしんどかったです」、クリスチャン・デムーロ騎手は「少しスタートが遅く、中団後方からになりました。外を回りたくなかったので、ロスなく運びましたが、去年ほどの反応はありませんでした」とそれぞれコメントした。


帰国後は休養し、復帰戦となった札幌記念ではエフフォーリアの主戦騎手であった横山武史騎手を背に迎え、5番人気に推されるも11着とデビュー以来初となる二桁着順に敗れる。

後の検査で喉頭蓋エントラップメント(喉頭蓋の根元にあるヒダが持ち上がってしまい、喉頭蓋を覆ってしまう症状)を発症している事が判明したためノーザンファーム空港へ放牧に出され、手術を受けることとなった。これにより目標としていたBCターフへの参戦が一時は厳しい情勢となっていたが、無事に出走にこぎつけ、引き続きクリスチャン・デムーロ騎手とのコンビで3着と善戦した。


その後、香港ヴァーズに選定され渡航したが、出走3日前に現地での馬体検査の際に不整脈の疑いが認められ、主催者側之判断により出走取消となった。

陣営によると、帰国後に状態を見たうえで有馬記念への出走を決定した。


当日を迎えた有馬記念は同期であるタイトルホルダーの引退レースでもあり21〜23世代のダービー馬が集結したこのレースにもなった。

レース自体はタイトルホルダー、ドウデュース、スターズオンアースの3頭が鎬を削り合いが中心。シャフリヤールはスパートを追いかける形となり、最終的に後方一気で突っ込んできたジャスティンパレスに抜かれて5着。エントラップメントや不正脈などの体調不安の中で掲示板はしっかり死守するシャフリヤールがまだまだ戦える事を示した。


次走は3度目の参戦となるドバイシーマクラシックへ。

レース本番では、クリスチャン・デムーロ騎手が前残り展開になることを読んで先行策に出る。最後の直線、逃げるレベルスロマンスを追走するも差を詰めきれず2着。敗れはしたものの三冠牝馬リバティアイランド(3着)やオーギュストロダン(12着)等といったメンバー相手に先着。前々年度覇者の意地と海外遠征で培った実力と経験値を示した。

同時に総獲得賞金が12億を突破。現役競走馬ではウシュバテソーロの22億に次ぐ2位。ディープ産駒内でも三冠馬コントレイルを抜き去り、ジェンティルドンナの17億に次ぐ2位へ浮上した。


国内外問わずGⅠレースを転戦したシャフリヤール。勝ち切れないレースも多いが2023年時点で掲示板を外したのはエントラップメントを発症した札幌記念のみで、負け試合でも勝ち馬が度肝を抜くようなパフォーマンスを見せる"相手も凄かった"状況での掲示板入り。

21世代は故障による長期療養・引退・予後不良いった暗いニュースが続き彼自身も一度は故障に泣いたが、病み上がり含めても非常に安定した活躍をしている。

その結果は総獲得賞金という形でも顕れており、彼の実力は善戦マンなどとは絶対に言わせないだけのものを残している。



シャフリヤールのさらなるGⅠ制覇も期待したいが、無事是名馬の標語の下で戦い抜く事も祈ろう。


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競走馬 21世代


山本昌:元中日ドラゴンズ投手。引退後は野球解説者・指導者の傍ら、趣味の一つである競馬番組にも出演。アルアイン・シャフリヤール兄弟の一口馬主になっている。

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