概要
そんなもん知らん!という人であっても、書店に足を運んでみれば、「子供の本」コーナーにクルクル回る回転本棚に大量に収められている大判の「○○レンジャー」的な本を一度は目にしたことがあるだろう。テレビ絵本とはそういった種類の冊子である。病院や床屋さんの待合室に置かれているという事も多いのではないのだろうか。
子供向けのため表紙と中の紙は全て同一の厚紙で構成され、角は子供が手を切らないように丸く裁断されているのが特徴。裏表紙には名前を書くコーナー、主題歌の紹介があったりもする。表紙には、目立ちやすい、赤、黄色、黒がよく使われている。
このような「テレビ絵本」の歴史はかなり古く、60年代には既に存在していた。現在では大伴の絵本の他、新書や文庫ほどの大きさのものも多く発売されている。原作がテレビ番組であれば劇場版を扱うこともある(大概、クライマックス部分くらいしか収録されないが)。
持ち運びに適した小さいサイズのテレビ絵本もまた存在する。
よくあるネタ
- 雑な合成
- シールでページを完成させる方式
- テレビの内容をかいつまみすぎな急ぎ足シナリオ(あるいは放送前のネタバレ)
- やけに馴れ馴れしいヒーロー陣営と、「わはは 世界はおれたちのものだ」系の悪陣営
- 迷路や間違い探しなどの知育ゲーム
- 原作無視(例:「ちきゅうれんぽうせいふは ちきゅうを よごれた ほしに しようとしていました。」)
- ナレーション
- メタ発言
- 台詞や必殺技名が吹き出しからはみ出した文字で書かれる(縦書き、斜め向き)
- 必殺技の誤植(特撮系によく見られる。使用されている本編のスチール画が別の必殺技の物であるなどはザラ。それどころか、公式設定にも存在しない技名が記載される事も…)
- テレビマガジンやてれびくん本誌で掲載されたフォトストーリーの単行本化(『ウルトラ戦士列伝』、『バトルオブドリームNOA』、『ウルトラマンメビウス外伝_超銀河大戦』、『ウルトラマンメビウス外伝_アーマードダークネス』)
- フォトストーリーは漫画とは異なり、単行本化の機会に乏しく、こうしたテレビ絵本は当時を知る貴重な資料にはなり得る。
出版社
- 小学館:『てれびくん』を発行している会社。主に『ドラえもん』『ポケットモンスター』『妖怪ウォッチ』などを手掛けるが、中には『名探偵コナン』などやや高年齢向けの原作を用いたテレビ絵本も。
- 講談社:『テレビマガジン』や『おともだち』などを手掛け、恐らく最も多くテレビ絵本を手掛けている会社。キラーコンテンツの『プリキュア』(古くはセーラームーン時代から女児向け枠が存在する)に加え『ウルトラマン』『仮面ライダー』『スーパー戦隊』の三大特撮は毎年更新され、親御さんの財布を泣かせる。『カードキャプターさくら』や『ゲゲゲの鬼太郎』といったアニメも確認できる。
- 徳間書店:前述の三大特撮を始めとしたテレビ絵本をたびたび出版している。
- 集英社:『週刊少年ジャンプ』系列のアニメの絵本を少し出版している程度。
テレビ絵本から派生したパロディ
好きな漫画やゲームをテレビ絵本風にする二次創作、幼児キャラが待合室でてれび絵本を読む姿(あるあるネタ)などが、イラストでよく描かれている。
ひらがな、擬音中心の文章、原色で描かれたアニメ絵、途中で入るクイズや迷路、起承転結が分かりやすい構成などがパロディ向きなのだろう。
実物と比べて、パロディは、重くない内容、夢のある内容、ハッピーエンド、(雑ではあるものの)原作のストーリーが分かる単純な構成が数多のヲタクに愛されている。
ぬり絵、きせかえなどと並んで「よいこの×××」系統のパロディにされやすい。
例・テレビ絵本風機動戦士ガンダム水星の魔女