概要
乙女ゲームアプリ『星の乙女と救世主の騎士』（通称：オトキシ）の正ヒロインの女主人公で救世主。
救世主として神から授かった加護（浄化の力）を持っているため「星の乙女」と呼ばれている。
カチューシャを付けたシフォンブラウンのショートボブに、ストロベリーピンクの目が特徴で、気品と大人の色香を纏うレミリアとは真逆で愛らしい容姿の持ち主の少女。「星の乙女」でありながら、攻略対象者たちとの恋や主人公と敵対する悪役令嬢レミリアからの策略や妨害を受けながら、王国の危機に立ち向かうという内容という設定の人物であるが・・・・・・・・・・・・。
転生者としてのピナ
「ねぇ、あんたも転生者でしょ？」
「子供の頃から知り合いってだけでゲームの知識使ってズルしてたんだ。悪役のくせにみんなから好かれる逆ハーやっちゃおうとか思ってた訳？」
「原作ぶち壊すとかアンチじゃん、私のための物語なのにこのクズ！」
「ウィルもクロードもデイビッドもステファンも、特にアンヘル様は絶対にアンタなんかに渡さないからね！！」
本作における悪役。
その正体は交通事故で異世界に転生した小林恵美（エミ）と同じ異世界転生者（性別は女性）である。
正ヒロインのピナ・ブランシュの肉体に憑依し、学園に転入する。その後攻略対象者たちがレミリアの肉体に転生したエミと仲良くしていることからエミが転生者であることを見抜き、激しく敵意剥き出しでエミを嵌めようと画策し始める。
当初は生徒会に上がり込みウィリアルドに抱き着いたりデイビットやステファン、クロードにも接近するが彼らから煙たがられ、幼稚な言動と設定で平民出身でもあることから学園内の生徒からも引かれていた。それでも諦めきれない彼女は生前のゲームをプレイした知識を使って、アイテムを売る課金ショップの店にて、対象者に偽の好意を植え付ける好感度上昇のアイテム（いわゆる「媚薬」）を購入し、様々な手口を使ってついにウィリアルドを始め学園内のほぼ全体の人間を手中に収める。（その他に一部貴族も味方につけているだが女王やスフィア、また一部ピナに不信感を抱いているもの例外）
エミの居場所を徹底的に奪うため、自身が悪役令嬢に虐げられる可哀そうなヒロインを演出すべく様々な工作を行った末、すれ違いざまに階段から突き落とされたと装ったことでついにゲーム通りにエミ（レミリア）からウィリアルドを奪い、ヒロインの座を奪還する。
だがその直後、精神的ショックでエミは精神世界の奥底で眠りにつき本来の肉体の持ち主であるレミリアが覚醒し、エミを深く傷つけた者たちへの憎悪を滾らせる彼女の報復により、自身は奪った立場で放蕩三昧していたが、知らぬ間にレミリアに先を越されていることを知らず徐々に因果応報の形で破滅へと追い込まれていく。
性格は傲慢そのもので愛されたいという願望が強い。肉体が乙女ゲームのヒロインであることから有頂天になり、作品において独占欲や目立ちたがりが強く、気に入らないことがあると激しく暴言を浴びせ怒鳴り散らすなどかなり難があり攻撃的な性格。しかし猫かぶりがうまく、攻略対象や人々の前では純真無垢な天真爛漫な天然ヒロインを装っている。
気に食わない者を突き落とすための謀略の手腕には人一倍長けており、巧みな証拠の捏造によって周囲を味方につけるなど、「エミよりもピナの方が女王にふさわしい」「（演技力の高さについて）星の乙女なんかより女優の方が向いているんじゃないか」と本物のレミリアも思わず認めたほどである。
漫画版では端々で魅せる狂気すらはらんだ顔芸などの秀逸な描写により醜い本性がよりわかり易く描かれており、まさしく嘘つきヒロインと読者に評されている。
だが、前世の常識に頼りすぎるきらいがあり、エミやレミリアと比べ知識の使い方が圧倒的に下手である。
事実、攻略対象に授けた前世知識をもとにした技術や制度は「オトキシ」世界の文明レベルと合わず、洗脳の影響を受けていない貴族や王族にはすげなく却下されている。
前世
元の名はリィナ。
ピナが見せられた記憶によると、悪女だったのは幼少の頃からであり、小学校から高校に至るまで気に入らない人物を嘘八百で悪役に仕立て上げ排斥してきた模様。
しかし、大学でも同じことをしようとした結果スマートフォンで嘘の証拠映像を抑えられ、居場所をなくし自宅に引きこもるようになる。
死因はクーラーが故障したまま真夏の自室に籠もっていたことによる熱中症であることが示唆されているが、前世の家族への筋違いな罵倒ばかりで自分の非を一切認めようとしなかった。
本来のピナ
『星の乙女と救世主の騎士』の主人公であるピナの、本来の人格。本編終了後の番外編に登場する。
上記の通り幼少期から転生者にとって代わられた点はレミリアと同じだが、彼女の経験はまるで真逆で、リィナの生前の悪行三昧の記憶と、彼女が自分の身体でレミリア（エミ）をはじめとした周囲を不幸に陥れていく様を延々と見せつけられるという拷問に等しい苦痛を数年に渡り味わい続けた。
そのせいで「身体を取り戻す」どころか「自分であることをやめたい」「同じ女であることが嫌だ」という諦観と絶望に囚われ、レミリアが婚約破棄された瞬間にとうとう身体と魂の繋がりが切れる。
その後は傷ついた魂を休めるため守護精霊たちによって精霊界に匿われていた。
関連タグ
リリア・レインワーズ：『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』の登場人物。ピナ同様こちらも正ヒロインであるが同じく異世界から来た転生者でゲームのヒロインに憑依転生している。しかしここは「ゲームの世界」だからと思い込み、自分が起こす行動で他人が怪我をしたり、死人が出てもまったく気にしないという自己満な性格で裏でイベントを発生させているため、同じく本作に転生したもう一人のヒロインからは敵視されている。
