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異世界転生

いせかいてんせい

エンターテインメント作品のプロットのひとつ。命を落とした主人公が、それまで生きていたのとは別の世界で新たな生を得る物語。
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概要

主人公異世界転生し、そこで活躍する様を描いた作品を指すジャンル名。

転生もの」と「異世界ファンタジー」、または「SF」が合わさったもの。

起源としてはバラモン教や原始仏教の時代から存在する。

近縁ジャンルに異世界転移異世界トリップ異世界召喚等が在る。


ストーリーの類型

所謂「お約束」と言える型が成立しているジャンルである。

元の世界で死んで始まるパターン

ここで言う「元の世界」は我々が生きる現実世界と同じものを想定していることが多いが、そうでない場合も少なくない。(※1)

テンプレは以下の通り。

  1. 主人公が元の世界で不幸な死に方をする(事故死、病死、自殺、過労死、他殺、突然の超常現象等)(※2)
  2. 不思議な力が働いて(※3)異世界へ転生(※4)
  3. 新しく手に入れた能力、または前世で得ていた知識や技術(※5)を駆使して活躍(※6)

スタートの演出は「主人公の性格や世界観に合わせている」「作者の自己投影に起因している」などと言われるが、一概には言えない。

また、生まれた時点で前世の記憶は有るが死因は明言されない場合や、死んだ記憶すら無く本当に元の世界での主人公が死んだのか語られない場合もある。


※1:

要は主人公の転生先が「主人公にとっての異世界」であれば異世界転生は成立するので、主人公にとっての元の世界が読者から見た異世界というパターンも何ら問題ではない。

特に異世界生まれの主人公が読者の生まれ育ったような現実を想定した世界に転生するものを逆異世界転生と呼び、この場合主人公の目を通して現実社会(特に人間の愚かさ)を自虐自嘲自己嫌悪的に描くプロットも好まれる。

また、「主人公やその関係者が異世界から転生してきた」ことがトリガーとなって異世界に呼び戻される異世界転移との複合型プロットも存在する。


※2:

中でも日常的に身近で扱いやすいのが交通事故。

特に「重量級の大型トラックに轢かれる・撥ねられる」のが「生還の余地が無いもの」としてイメージしやすくビジュアル面でのインパクトも強いためか、「異世界転生の導入テンプレ」として度々挙げられ、「トラック転生トラ転)」「転生トラック」という単語が異世界転生の代名詞として成立している。


※3:

この際にやそれに類する力を持った超自然的存在が接触・関与してくるパターンを「神様転生」と称する。

接触の理由は「本来まだ死ぬはずではなかった主人公を死なせてしまったことへの謝罪」「不幸な主人公への憐み」「善行を成した主人公への労い」等で、それがそのまま「主人公に第二の生を与える理由」になっている。

ただし、上述のような誠意善意ではなく悪意から主人公を転生させる神も居る。

また、死亡直後ではなく転生後に現れるパターンもある。


※4:

転生先は霊界天界魔界RPGっぽいファンタジー世界などが鉄板だが、現代ファンタジーやSF、動物や植物の世界、人形や置物の世界、漫画アニメの世界、鏡の世界(パラレルワールド)や寝て見る夢のような世界へ転生する作品もある。

また、転生後の形体が人間とは限らず、亜人モンスター動物といった人外などの無機物人工知能のような機械、など多くのパターンがある。中には温泉といったものに転生する作品も。

人間以外の生物に転生する場合は「人外転生」、生物以外に転生する場合は「無機物転生」と呼ばれる。


※5:

主人公が転生前の自分に無かった才能・美貌・特殊能力等転生先の世界で生きて行く上で有用なものを転生時に得ることを「転生特典」と呼ぶ。

また、転生先の世界の住人が普通に生きていては獲得が困難・不可能なもの、そもそもその世界では発見・発明されていないものを主人公が所持することを「転生チート」と称する。

転生特典の獲得は前述の神様転生によって説明付けられるケースも多い。

勿論、転生特典や転生チートの類が一切無いハードモードの作品も存在する。


※6

この「活躍」は必ずしも前向きなものとは限らず、主人公が殺人鬼や侵略者に成り果て異世界を蹂躙してしまうパターンもある。(闇堕ち悪堕ち、あるいは元々そのような人物)

この場合、道を踏み外した主人公を倒すもう一人の主人公が登場することが多い。


中途覚醒パターン

構成によっては、ある程度成長してから前世の記憶を思い出すパターンもある。

「頭を打つ」「前世と重なるような何かを目撃・体験する」等がきっかけになる他、『ドラゴンクエスト』シリーズのように「眠りから目覚める(起きた時にはかつての記憶を持っている)」「外に出て太陽の日差し(それに相当する生命の光)を浴びる(デジャヴを感じる異世界が目の前に広がる)」という表現に変えられていることもある。


その他

ハイファンタジーで始まり、最終回で突然現代に転生するパターン(倒置法)。逆異世界転生に近い。



補足事項

近縁ジャンルとの違い

主人公が死亡と誕生の過程を経ず、元の姿のまま何らかの形で直接異世界に移動する作品は異世界転移異世界トリップ)、中でも異世界の住人に何らかの理由で呼びこまれる作品は異世界召喚として別の区分になる。

こちらは主人公が元の世界への帰還を目的にしたり、現地で得た仲間や地位への愛着と元の世界への未練の間で板挟みになったりする展開も定番の一種となっている。


一方異世界転生は「元の世界での人生は一旦終わったものとして扱い、その上で異世界で新しい人生を始める」という構図があるため、上述の近縁ジャンルと違って元の世界に戻る・戻る方法を探す展開になることは少ない。

(少ないだけで、作品によっては元の世界や転生前の自分を求める展開もあれば、異世界から戻った所から始まるような話もあるので、一概に「こうだ」と決められるようなテンプレートは無い。)


なお、一度死亡していても生前と同じ姿(青少年期への若返りを含む)で世界移動するケースは異世界転移に含まれる場合がある。

逆に、死亡してはいないが世界移動する際に生前と違う形に変貌して(例:人間→モンスター)存在が作り変わってしまうケースが異世界転生に含まれる場合もある。

転生なのか転移なのか曖昧な作品は筆者の用意したあらすじ及びタグキーワードに従って扱うこととするのが無難。

しかし作品の中には転移や転生であることが判明しない状態でストーリーが進むものもあり、そうした作品はローファンタジーなどの項目に入っていることも多い。

(作中で転生と明言されているはずが転移とひっくり返るのは……ある種のメタ発言と言えなくもない為、特に終盤で明言された作品以外では転移扱いとしない方が望ましい)


なお、一部コラボ作品(異世界かるてっとなど)において異世界転生と異世界転移を両方体験する人物も存在するが、作品によっては転生後に転移を経験することもある為、少ないながらも特殊な事例といは言えない。


主人公の立ち位置

後の勇者救世主聖女といったいかにも主人公らしい立ち位置ではなく、村人Aのようなモブキャラないしストーリーに無関係な脇役の立ち位置、またはライバルかませ犬と言った立ち位置で異世界転生する主人公もいる。

この場合主人公とは別に特別な力や強い個性等重大な案件に関わっていく素質を持った「主人公タイプ」の人物が存在することが多く、作中でそのことが主人公によって語られるため、所謂メタフィクションの要素が強くなる。


憑依に近い転生

ゼロまたは一から新しい存在として生まれるのではなく、が既存の存在に乗り移るような形で転生するパターンを憑依転生と呼ぶ。

漫画や小説、ゲーム等フィクションとして流通していた物語の世界に転生する作品に多く、この場合は平たく言えば作中に描かれていた登場人物に成り代わる

また、バッドエンドを迎えた人物がパラレルワールドの自分に乗り移り、同じシナリオで試行錯誤してハッピーエンドないしトゥルーエンドを目指すパターンもある意味ではこの枠組みに入るが、これは転生よりも逆行ループものとして扱われることの方が多い。


ギャグの手法としての転生・転移

不条理ギャグでも異世界転生や異世界転移に似た用法が使われることがある。

(殴られた弾みでよく知らない場所に飛ばされてしまう/ボケフェイントされた際に癒し系の謎空間を見てしまう/目が覚めたらよく知らない場所にいる/脇役コンビが番組のスタジオのような場所に瞬間移動するかその場で早着替えして漫才、解説を始める、など)

この場合は大抵次のページや次の回で何事も無かったように元に戻っていることが多い。


匿名掲示板形式の使用

転生者のみが閲覧・書き込みできる架空の2chもどき(転生ちゃんねる)が存在する設定を入れ、ここで知らない世界に生まれた主人公が知識を持つ人から助言を貰ったりしながら物語を進行させる作品もある。

また、「フィクションの世界に転生」設定の作品では、主人公が登場・活動している状態の物語を「原作」として閲覧しているユーザーが作品について匿名掲示板で語る場面を幕間として挿入する作品もある。


ブーム

2010年代、Web小説の隆盛に伴い台頭が著しくなった。

具体的に言うと『小説家になろう』では異世界転生と異世界転移の作品ばかりがランキングを独占し、結果としてランキングにおけるジャンルの再編成(ファンタジー、恋愛などの項目に「異世界転生・転移」の項目の追加)が行われた程。

近年の流行は現代の日本社会の閉塞感から「生まれ変わって人生をやり直したい」「もし自分が活躍できる世界に生まれ変われたなら」という願望が広まったためと考えられる。また、二次創作の一ジャンルである転生パロ転生夢フォーマットオリジナル作品に落とし込んだのが源流ではないかという見解も在る。


ただ、以前から流行していたチートものと混ざり合った事もあって、その内容がワンパターン気味となってなんJ等で激しい嘲笑を受け、「ごく普通の主人公が死亡、ゲームっぽい世界に転生、チート能力獲得で大活躍…」というイメージ(あくまでイメージ)で語られているところがある

更には小説投稿サイト内でも「チート能力や現代知識チートによって主人公が無双する」展開に反感を持つユーザーがアンチテーゼとして「チートスレイヤー」や「ファンタジー世界舐めんな地球」というジャンルを樹立させた。


しかし、これはあくまでも大まかな傾向に過ぎない。

能力については「選ばれるに足る才能」や「秘められし力」を理由に呼ばれる事も多く、「ごく普通の」という程ではない上、そもそもの始まり方が似ることはそう珍しいものではない。

また、スキルなどゲーム用語染みたものがあるだけで、ステータスなどの概念は無くどちらかといえば能力バトルものに分類されるものもある他、超人改造兵士の蔓延るSF世界に転生するなどといった作品もある為、一概に「ゲームじみた世界に」と断言できるほどではない。

自分(読者)が理想とする世界へ転生する作品は確かに多いものの、やはり全てがそうではなく、より過酷で殺伐とした世界へ転生するパターンもある。


作品の一例

異世界転生や異世界転移など、異世界に関するジャンルは昨今広がっているが、そうした状況の中で「この作品は転生に違いない」などの勝手な押し付けが行われる場合がかなり多く見受けられる。

「異世界」や「転生」が「どうせまた異世界モノだろ?」的な一種の批判ワードとなっている面があるので、よく知りもしないで作品を転生や転移等の区分に分けるのはやめておいた方が良い。



異世界転生ブーム以前の似たようなもの



pixivにおける異世界転生

小説カテゴリでは多数このタグの付いた作品が見受けられる。

一方でイラストにこのタグをつける例は大百科が立てられた当初は絶無だったが、次第にオリジナルイラストでもタグが付けられるようになっている。キャプション検索を含めると、イラストもある程度発見できるだろう。



余談

  • 仏教では地獄修羅道・餓鬼道などに堕ちることや、生前の功徳によって死後に天界の神々(天人)の一員になることも転生であり、極楽などの浄土はこの世界(娑婆世界)から見ると今風に言えば一種の「パラレルワールド」「マルチバース」なので、同じ世界の人間や動物(畜生道)に生れ変わるか輪廻から解脱する場合を除いては、基本的に死後には異世界転生が起きると言えないこともない。
    • ただし、転生後も「」は引き継がれるが、前世を思い出せるのは、天界や極楽などの特別な世界に転生した場合か修行などによって神通力を会得した場合のみ。
    • また、仏教では輪廻転生の輪から解脱する事がゴールなので、仏教的観点からだと「異世界転生」は喩えるなら「地獄から別の地獄に転移しただけ」という見方も可能である。(極楽などの浄土は「ゴール」ではなく「本当のゴールに辿り着ける確率が高まる世界/本当のゴールに行き着ける事が保証されている世界」に過ぎない)


関連タグ

転生もの 転生

パラレルワールド 異世界 異世界人

転生トリップ/異世界トリップ/トリップ 転生主/転生主人公 転生者

悪役転生 モブ転生 TS転生 憑依転生 多重転生 人外転生 無機物転生

トラック転生/転生トラック 転生特典 転生チート 神様転生

逆異世界転生 現代転生 逆行転生

小説家になろう なろう系 死神ピカー

カクヨム ハーメルン(小説投稿サイト)


夢小説:「主人公がフィクションの世界(=異世界)に転生」という設定が好んで使われる二次創作ジャンル。

転生パロ/転生パラレル:「版権作品のキャラクター達が別の世界・別の時代に転生したら」というif設定の二次創作ジャンル。

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