概要
悪堕ちとは?
子供の頃、あなたはアニメや特撮ヒーローなどの人物が悪の側に回るというシチュエーションに、得も言われぬエロスを感じたことがないだろうか?
主な悪堕ち
悪堕ちには、積極的に悪の側につくパターンと、他者からの精神的・肉体的干渉によって悪の側につくパターンの2通りが存在する。
これらは世の多くの悪堕ちフェチがこだわるところである。
それらを分かりやすくする為、悪堕ちを種類別に分類していこう。
話術や薬や催眠術を用いたりして悪役の意のままに操られる。現実でも行われる最もオーソドックスな手法故に他の種類とも併用しやすい。
そのままの意味で、別の精神体が憑依して体の主導権を握る。なので本人の意識は封印されただけで変わったわけではない。
アニメではよくこのタイプの悪堕ちが使われるが、中には絶対に元に戻れない始末の悪いタイプも。
負の感情によって善から悪へ堕ちること。より高潔な善の存在であるほど、反転して悪堕ちしたときに生み出される悪意のエネルギーは高いものになる。このケースの場合は、「闇堕ち」とも呼ばれ哀しき悪役になることが多い。
物事に失敗したなどの理由で精神的にいくらか参っている時に、何がしかの誘惑や勧誘に乗ったり心変わりを始めたことで、いつの間にか悪へ堕ちているパターン。
上記の「絶望」との違いは、ほんのすこしのすれ違いやきっかけが原因になっている点であり、もしその時に死に物狂いで抵抗したなら振り払えた程度の動機であるため、本人からすればどこで道を間違えたのか自覚がないままである傾向が強い。
原因を自覚できなければ立ち直る動機もつかみにくく、気づけば底なし沼にハマっていることもあり、他者からも同情してもらえる可能性さえ低いといった感じで、始末が悪い。
物事に対する、(場合によっては過剰な)恐れをきっかけに、それを脱するため行動した結果、悪い選択を採るパターン。
恐怖とは正常な判断力を容易く奪う要因であり、人格を変貌させやすい側面を多分にはらむ。
判断力を奪うため元の鞘に戻ることが困難でもある、かなり危険な要因のひとつ。
特に上記の「挫折」や「絶望」をしないために取った行動がきっかけで悪堕ちしていたというケースも生みやすい。
さらに、状況を俯瞰している者の観点からすれば該当者は精神的に付け入る隙だらけであるため、上記「洗脳」の格好のターゲットでもある。加えて言うと、本人からすれば恐怖から解放してくれた相手に忠誠を誓っているだけなので、そもそも善悪自体に拘っていない場合もある。
洗脳の一種。キャラに精神的、肉体的苦痛を与えたりすることで、じわじわと悪の側に堕とす。特にエロ作品に多い……。
洗脳との最大の違いは、加害者が被害者を悪に堕とす過程そのものを楽しむ傾向がある点である。
脳を改造して悪の側のものとして作り変えること。あるいは被験者の善の心の根源だった要素を、(事故か意図的かは問わず)毀損して悪の心を持たせること。「洗脳」と呼ばれる場合もある。
生物や機械がキャラにくっつき、肉体的・精神的に悪の側へと変貌していく方法。憑依と違って、身体そのものが変化する場合がある。
ターゲットが善人や普通の人とは限らない。
何らかの事故、もしくは戦闘により死亡したものが怨念を持って蘇ったもの。
ホラー映画のキャラはこのパターンが多い。
- 死体操作
遺体に何らかの細工を施して命令に従うようにしてある。ゾンビ化の大半はこの死体操作か上記の寄生に該当する。
死体なので唯の操り人形な場合が多いが、生前の記憶や意志を保持している怨霊に近いパターンもある。
その場合は最後に生前の善良な性格が戻ることがあるが、元が死体なので大抵助からない。
自分の中に眠っていた因子が覚醒した結果、悪の住人になること。或いは元々悪の存在として生み出されたが、偶発的に持っていた善の心を捨て去って、本来の状態へ戻ること。
「実は最初から堕ちてました」と取れなくもなく、本人も自覚してるため、悪堕ちと認めるかどうか意見が分かれる。
- 取り込み・取り込まれ
何か巨大な生物・機械に取り込まれて生体コアとなること。サイズ的に逆だが寄生と同義。
- 人格変更
何らかの理由により人格を書き換えた、また悪の心を植え付けられ善と悪が極端に分かれた二重人格者。
個人的な恨みから悪側に走ること。元々は正義側でトップクラスの実力者だったが、プライドを傷つけられるようなことが起きたり、元より組織のヘッドに疑念や嫌悪感を抱いていたことが具現化し、自らの意志で悪に奔る。
ただこの場合、元々の本質が正義とは言い難かったという事なので「悪堕ち」と定義されない事もあり、ただの悪党と化して破滅するケースもしばしば。
- 目的のため手段を選ばない
上記の「絶望」「挫折」に当てはまらないケースにおいて、その手段として悪に類する行動を視野に入れているもの。
基本的に目的を果たすための行動を起こさなければどうということはないが、度を越しすぎた場合や、正気を失う類のリスクを抱えていた場合、当初は目的達成後にまっとうな道へ戻るつもりがあったとしても、罪科が大き過ぎて目的達成後に後戻りがきかなくなっていたり、最悪その過程で目的と手段が入れ替わってしまい、悪に「堕ちてしまう」危険性をはらんでいる。
正義や復讐においてしばしば見られるパターン。善悪両方・ダークヒーローが当てはまる場合も。
- 経験
上記のような例にあてはまらなくても、自身の単純な人生経験によって価値観が変わっていくことで、善悪の基準の相違が発生してこうなるパターン。ただし何を悪とするかはプレイヤーの観点に委ねられる。寝返りにも似ている部分はあるが、単純に価値観が変わることで必然的・自然発生的に悪の側についたり、悪の側につくのではなく自ら新たな価値観を生み出しそれが周囲から悪とみなされる例、などもある。
- 訳あり
上記とは別物。完全に悪へと心を染めている訳ではないが、かつて自身が招いてしまった重大な過失または取り返しのつかない悲惨な出来事がキッカケとなり、自らの意志で悪玉に付くもしくは悪玉そのものになる道を選んでしまう状況。改心フラグは大きいが死亡フラグもデカい。
優れた才能や強大な力を制御できずに精神的も狂ってしまい、敵にも味方にも危害を与え、多大な被害をもたらす。
また本能のみで行動する傾向がある。
- 別個体化
上記の該当する部分と合わせて成立するものだが、場合によっては悪の部分が別個体として生まれ、そのまま自律して行動することもある。その場合、大抵は善の部分がオリジナルとなり、場合によっては自分自身同士で戦うことも。
- 生存選択
外部要因などによって悪以外の場所から居場所を奪われ、場合によっては生きるためには悪の側で活動せざるを得なくなるほど選択肢を奪われること。
帰ってこられるかどうかは本人をここまで追い詰めた外的要因の行く末によるところが大きい。「訳あり」にも通ずるが、こちらはほかに選択肢がないパターンなので、改心フラグが立ちにくく、吹っ切れてしまうことも多い。
悪堕ちする以前の生活にいい思い出がなかったり、今の自分に生き甲斐のようなものを見出していた場合は完全な悪と化しているので、改心は絶望的。
- 汚染
有害物質などに触れ続けた結果、精神に悪影響を及ぼし、変調を起こした成れの果て。「洗脳」「調教」とも似ているが、大きな違いは、意思を持っていないただの物質によって引き起こされる点。
したがって、このタイプは自分の意思ではないにもかかわらず他者の介入なしに成立することが特徴。汚染の性質によっては薬物依存症の類に属する危うさに発展することもあり、被害者であるにもかかわらず距離を置かれ哀れな目でしか見てもらえないことも。
回復できるかどうかは、汚染のメカニズムや汚染の程度による。
- 傲慢/退屈
非常に優れた能力を持つ者が、力を持て余して周囲に迷惑や危害を及ぼす。微々たる「絶望」からの「覚醒」の一つで、小規模な「暴走」であることが多い。
イメージとしては社会や学校にある程度馴染んでいるいじめっ子あるいは尖った優等生。大抵の場合は悪事を犯しても反省し丸くなっていく。しかし中には闇堕ちという言葉が相応しいほど先鋭化、過激化してしまうこともある。
この場合は「絶望」や「経験」など他の負の要因にも影響を受けていることが多く、ただの傲岸不遜から巨悪となる場合は少ない。あるいは傲慢/退屈を切っ掛けに取り返しのつかない失敗をしてしまい、そのリカバリーができずにどんどん悪の袋小路に追い詰められていく「恐怖」と併発したパターンもある。
現実世界の身近な悪のひとつである一方、創作物においては単純に能力が優れた者ではなく人間を超えた超越者がこれを発動することもありしばしば甚大な影響を及ぼすことも。
主にある特定の猿先生もといさる漫画家が、その場のノリで後先考えずに話を作ってしまった為に起きた面白展開の事。「実は、あの悪堕ちは芝居でした(後付)」「あるキャラの悪堕ちを後付で芝居にした辻褄合せで、別のキャラが実はとんだ外道だった事にされてしまう」「登場人物が話の都合や別の後付展開の余波で唐突に悪堕ち/光落ち」などが少なくない。
- 営業・運営・本人の都合
ある意味で最もミもフタもない悪堕ち。
プロレスでは若手・中堅レスラーがマイクパフォーマンスや演技力などを付ける為やマンネリ化を避けるギミックとして、善役(ベビーフェイス)から悪役(ヒール)に転じる場合が有る。
一番「何でも有り」なパターン。(なので、創作者側としては逆に使いづらい)
例えば、アメコミのMARVELコミックでは、現実改変能力者が余計な事をしたせいで、「キャプテンアメリカは最初から悪の組織ヒドラのスパイだった」という新しく作られた歴史が本来の歴史を上書きしてしまい「自由の守護者」であるキャプテン・アメリカが「全体主義の守護者」である通称ヒドラ・キャップに変貌してしまうというエピソードが有る。
ややこしい事に忠誠を誓う理想が「自由と民主主義」から「全体主義」になっただけで、根はスティーブ・ロジャースのままなので、「高潔な者にしか持ち上げられない」筈のムジョルニアを、あっさりと持ち上げてしまった。
該当キャラクター
悪堕ち一覧を参照の事。
余談
ある作品で善のキャラ(Aとする)を演じた中の人が、別作品で悪のキャラを演じることになった場合、中の人ネタで、「Aが悪堕ちした」と語られることがある(特にこのシリーズ間でのことが多い)。ただし当然のことながら実際にAというキャラ自身が堕ちたわけではないので、ネタはネタとして弁えることも大切である。
また、エロ漫画家のようなアダルト作品のクリエイターが、元々は『純愛や和姦、イチャラブ』といった明るい内容のライト系のアダルト作品を制作していたが、現在は陵辱や寝取られ、鬼畜に調教といった胸糞や後味の悪い内容のダーク系の作品を制作するようになったことを悪堕ち(闇堕ち)と呼ぶ(呼ばれる)こともあるが、正確には路線変更のほうが意味合いは近い。
特殊な悪堕ちキャラとして幻魔皇帝アサルトバスターがいるのだが、こちらは悪堕ちの一説として機動戦士VガンダムのSD展開が諸事情で遅れたことにより、本来は主人公機であるはずのV2アサルトバスターガンダムが悪堕ちした……とも言われている。これに関しては大人の事情も絡んだイレギュラー事例と言えるだろう。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
悪落ち/悪墜ち/悪堕 闇堕ち/闇落ち/闇墜ち 悪のカリスマ 哀しき悪役
関連タグ
乗っ取り 寄生 異形化 戦闘員化 強制変身 生体ユニット 強制成長 悪堕ちフォーム 怪人化
東方悪堕ち 魔女(魔法少女まどか☆マギカ) 幻朧魔皇拳 深海棲艦化
闇堕ち(アンジュ・ヴィエルジュ) 魔獣化 fate黒化 悪トラマン ノワールプリキュア 反転体 ネウロイ化 ボーグ 機人化 BETA化 セイレーン化 鉄血人形化 淫魔化