「海は青いか!?」「青い!」
「違う、海は真っ黄色だ! 見ろ! 海は青くない、真っ黄色だ!」
「山は緑か!?」「緑だ!」
「違う、山は茶色だ! 見ろ! 山は緑ではない、真っ茶色だ!」
「花は咲いたか!?」「咲いた!」
「違う、花は死んでいる! 見ろ! 花はとっくに死んでいるのだ!!」
演:大木正司
概要
第23話「逆転!ゾフィ只今参上」、第24話「見よ!真夜中の大変身」に登場。
第23話
これまで数多くの計画をウルトラマンエースと超獣攻撃隊TACに阻まれ、ついに自ら地球攻撃に乗り出した異次元人ヤプールが、その第一段階として送り込んだ化身。
日本各地のどこにでも現れ、末法思想を説いて回り、子供たちを「お前は神を信じなさい、ほれ信じなさい、ほれ信じなさい」という『学生節』(後述)の奇妙な替え歌で扇動して異次元に連れ去っていく。
北斗星司が計画に感づくと、顔を獣人マスクに変化させて北斗に幻覚を見せて崖から落とし、重傷を負わせた。
TACの隊員たちがいつものように北斗の証言を信じるか否かで揉めているのを嘲笑うかのように次第に活動範囲を広げていき、鹿児島や秋田、果ては世界中から無作為に大勢の子供を消し去り、暗黒の宇宙を漂う星に変えてしまった。
その最終目的は、地球の未来を担う子供を奪うことで、人類を絶滅させることにある。
相手が異次元にいる以上、地球人は全く手出しができなかったが、北斗がメビウスの輪の理論を使い、南夕子がゾフィーの助けを借りて、それぞれ異次元に突入。
激戦の末、巨大ヤプールがエースに敗れると、ヤプール老人もそれに連動して斃れ、さらわれた子供たちも無事に地球へ帰された。
第24話
その後、第24話の冒頭でマザロン人に変化したととれるような描写があるが、最後はマザロン人の死と連動して消滅する。両者の間に本当に因果関係があるかどうかは不明である。もっとも前話での世界的な誘拐事件が単独犯なのか複数犯なのかはっきりしていなかったり、バキシムとコオクスの人間体が同一であったりするので、同一容姿のヤプール老人が複数いる可能性もある。
派生作品では
酩酊!怪獣酒場
大物音楽プロデューサーとして第33話で登場。顔は獣化した時の物。
例の歌を口ずさんでおり、話がとても長い為にサウンドギラーはトイレになかなか行けずに苦悶していた。
余談
劇中でこの老人が歌った奇妙な歌はハナ肇とクレージーキャッツが歌った『学生節』が元ネタ。
キングレコードから発売されたサウンドトラックには『ヤプール怨歌』という曲名で収録されている。
「ほれ信じなさい、ほれ信じなさい」の歌詞と共に容易く子供をさらう姿と信じてもらえないことに定評のある(そして本話での鬼気迫る勢いで訴える)北斗との対比はなんとも皮肉めいている。
ヤプール老人の獣人マスクはオリオン星人の指揮官の顔に流用された。
ヤプール老人を演じた大木は次回作『ウルトラマンタロウ』第43話にもゲストしているが、この時は普通の人間としてゲスト出演している。