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海皇再起

かいおうさいき

『聖闘士星矢』のスピンオフ作品。『海皇』ポセイドン配下の海闘士の活躍を描く。正式名称は「聖闘士星矢 海皇再起 RERISE OF POSEIDON(リライズオブポセイドン)」
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概要

『聖闘士星矢 海皇再起 RERISE OF POSEIDON』とは、車田正美原作でメディアミックスもされた作品『聖闘士星矢』のスピンオフ作品である。

作者は須田綱鑑。チャンピオンREDで不定期掲載されている。(2023年10月号で第5話まで進行中)


ポセイドン編の敵役である海皇ポセイドンとその配下の海闘士(マリーナ)の活躍を描く。

全くの余談だが本作の連載開始をきっかけに当サイトに十二宮編ハーデス編に続きポセイドン編の記事が作成された。


詳細な設定

※以下、ネタバレ注意。




時系列としてはハーデス編終了直後。冒頭で冥王ハーデス海皇ポセイドンが交わした会話によると、アテナとその聖闘士たちはエリシオンでの戦いから(次元の狭間を漂っている状態で)まだ帰還できておらず、アテナ不在の地上は外敵に対してまったく無防備な状態であり、その隙を突いて人間に神罰を下さんとする女神の企みが進行中…という状況下である。(なおアニメ「黄金魂」でも、こちらは北欧アスガルドにて「アテナのいない隙に」邪神が策動する状況が舞台になっており、図らずも「アテナがいない状況」が世界にとってどれほど危ういか、聖闘士たちがなぜあれほどアテナを命懸けで守ろうとするのかが、両作品によって傍証的に証明されている)。


エリシオンの戦いでアテナに真の肉体を滅ぼされたハーデスの魂が、やはりアテナによって壺に封印されたポセイドンのもとを訪れ、「力を貸すので世界が消し飛ぶ危機を救って欲しい」と苦し紛れの(ハーデスいわく「恥をしのんで」)依頼をするところからストーリーが始まる。


敵の首領は人類を滅ぼさんとする義憤と神罰の女神ネメシス(記事作成時点でのトップ絵の女の子。若干プ○キ○アっぽいデザインだが、有翼の女神であるあたりはちゃんと神話の設定を押さえている)。

戦う相手は無慈悲なる女神に仕える戦士・英魂士(スピリット)たち。攻め入るべきその本拠地はギリシア・アッティカ半島北部ラムヌス遺跡に復活したネメシスの聖域(サンクチュアリ)とその神殿と設定されている(なおラムヌス遺跡ならびにネメシス神殿跡地は実在する)。


女神ネメシスは冥界において双子神タナトスヒュプノス冥王ハーデスの三柱の神が人間(アテナの聖闘士)によって殺められた状況に怒り、自身の分身である小惑星アドラステアを地球に接近させ、軌道上で砕いたその破片を地球上に降り注がせて、大地を焼き海を煮えたぎらせ、人間を絶滅させようとしている。(その苛烈さには、かつて洪水と津波による地上粛清を企んだポセイドン臣下の海闘士セイレーンでさえ唖然としている)。

彼女の理屈では「人間が地上を守るために神々を殺めたのなら、守るべき地上そのものを消し去るのがもっともふさわしい神罰」とのことだが、殺められた当のハーデスはいずれ自分が人間を生かさず殺さず支配するつもりなので、ネメシスごときに全滅させられては逆に困る(そりゃそうだ)と判断、ポセイドンに対処を依頼する。ポセイドンはポセイドンで、地上の人間たちを粛清したいのは山々だが、そんな苛烈な神罰が執行されては、巻き添えで海界までが滅んでしまうという理由で、この依頼を承諾した。

かくしてポセイドンは再びその依り代であるジュリアン・ソロの肉体に復活し、冥界で死の眠りについていたポセイドン七将軍たちは、ハーデスによってかりそめの命と肉体を与えられ、地上によみがえることとなる。ハーデスの後援(?)を受けたポセイドン軍による、惑星衝突までの十時間以内に、神殿にいるネメシスを討つミッションがここに始まった。


ちなみに、ハーデス・ポセイドンの両神は、どちらも(消滅まではしていないものの)アテナに討ち果たされて封印されたり真の肉体を失ったりしている状態であり、その自分たちがアテナに代わって世界を守ろうとしていることに皮肉を感じているが、ポセイドンいわく「あのじゃじゃ馬(ネメシスのこと)は加減というものをいっさい知らぬ」らしく、「どっちもこしゃくな小娘だが、まあアテナのほうがなんぼかマシ」くらいの認識でいるらしい(このへん、神々の世界の悠長な価値観が垣間見えるところである)。

なおハーデスとポセイドンは、ギリシャ神話ではゼウスを含めた同父同母三兄弟の長男と次男である(アテナは三男ゼウスの長女で、彼らから見て姪にあたる)が、冒頭の会話を見るかぎり、互いに兄弟としての交流はないようである。ちなみにハーデスがポセイドンを呼ぶときは「あなた」であるのに対し、ポセイドンは「貴様」呼ばわりで、意外にもポセイドンのほうが態度がデカい。


ポセイドンと海闘士(マリーナ)七将軍たちの活躍

かつて起こったアテナの聖闘士との戦いで、海魔女(セイレーン)のソレントを除いて全滅していた七将軍たちは、上記のような経緯で地上に復活するや否や、またしても戦いに駆り出されることになるのだが、「生まれて初めて見る幽霊が自分のお仲間とは」とか「せっかく生き返ったのにお仕事かぃ」とか(「お仕事」っていう認識なんだな…)ブツクサ言いつつ「オマケの人生そのくらいの方がハリがあるというもの」として、ポセイドンの命令一下、スニオン岬からラムヌス遺跡までの60キロを即座に進軍し始める。これまではアテナと聖闘士たちに比べて目立たなかったが、ポセイドンのカリスマ性と海闘士たちの忠誠心も、なかなか大したものである。


ちなみに海闘士の足なら、妨害さえなければ60キロは30分程度の行程らしい。分速2キロ、秒速約33.4メートル。100メートル走だとだいたい3秒で完走。時速120キロとすれば高速道を走行する乗用車だと(アウトバーンでもないかぎり)スピード違反になるレベルである。聖闘士星矢世界に登場する戦士たちの具体的な身体能力が数値的にわかって面白い(ただし海闘士たちの道行きは障害物競走状態なので、直線距離走行ならもっと早い可能性がある)。

なおよみがえりにあたって七将軍たちは、(全裸で蘇生させまいというハーデスの配慮?で)当初冥衣(サープリス)のようなものを着せられていたが、ポセイドンはこれが気に入らなかったのか、自身の血を浴びせて鱗衣(スケイル)に着替え(?)させている。(青銅一軍が冥界へ攻め込むにあたって、アテナの血で聖衣をよみがえらせたことのポセイドン版である)

ただ、ポセイドンはアテナと違って普通の人間であるジュリアン・ソロの体に憑依しているので、このとき鱗衣に浴びせた血は厳密には神の血ではないはずなのだが、その辺はいいのだろうか? (まあ、人間界に降臨する時はいつもソロ家の人間の肉体を借りるらしいので、末裔のジュリアンの体も何らかの特異な変容を遂げている可能性はあるが……)


ところでよみがえった六人の中には、かつて私利私欲でポセイドンを誑かして聖闘士たちと戦わせ、海底神殿の崩壊と海将軍(ジェネラル)たちの無駄死にを招いた海龍のカノンがおり、案の定他のメンバーから「外道がどのツラ下げて」「恨んでも恨みきれねぇ」などと(まあ無理もないのだが)恨みつらみをぶつけられ、ポセイドンがこれを「よさぬか」と制止する場面もあった。

ポセイドンの取りなしで一度は収まったものの、やはり内心に遺恨を抱えたままだったリュムナデスのカーサならびにクラーケンのアイザックは、ネメシス神殿への本丸突入を前にカノンの真意を問い質し、制裁を加えている。(ちなみにカノンが制裁を喰らうのは、双子の兄サガによってスニオン岬の岩牢に閉じ込められたのと、ハーデス十二宮編で蠍座のミロからスカーレットニードルを打ち込まれたのに続き三度目で、本人いわく「制裁には慣れている」とのこと)。

原作ポセイドン編ではあまりいいところがなかったカーサが、主君ポセイドンへの忠誠心の篤さで株を上げた一幕である。

なおこの際、カーサは特異の変身能力でカノンの兄サガに化けており、図らずもカノンにとって最大の愛慕の対象が、今もなお双子の兄であることが明らかとなった。



現時点までの経緯

第四話までの時点で、

・スニオン岬にいるポセイドンを守るクリュサオルのクリシュナ VS 海皇の命を狙う刺客・銀翼(アーリス)のベレロポーン

・遺跡に向けて進撃中の海魔女のソレント vs 足止めをはかる幻奏(ムジカ)のテレプシコラ


というふたつの戦いが決着しているが、クリシュナもソレントも苦戦の中でそれまでの自分を省み、また聖闘士たちとの戦いの経験を糧に戦士として大きく成長を遂げており、どうやらこれが「海皇再起」の大きなテーマとなりそうである


また第五話のラストからは、

・成り行きで共闘することになったリュムナデスのカーサシードラゴンのカノン vs 竜牙(ドラコデンテ)のカドモス


のバトルが開始されている。


関連タグ

聖闘士星矢

冥王神話 / ロストキャンバス / ネクストディメンション

海闘士


海魔女(セイレーン)のソレント:ポセイドン七将軍唯一の生き残りで、ポセイドンの魂が離れたジュリアン・ソロと共に償いの旅をしていた。「海皇再起」第1話~第2話は、彼の視点でストーリーが進行していく構成になっている。

ジュリアン・ソロ:かつてポセイドンに憑依されていた16歳の少年。現在はソレントと共に旅をしているが、折に触れてポセイドンの魂がその体に帰ってくる。本来は育ちのいい御曹司らしく気の優しい性格なのだが、「海皇再起」では本格的にポセイドン化(?)しており、七つの海を統べる大神らしい貫禄を見せている。

海龍(シードラゴン)のカノン:かつて起こったポセイドン軍VSアテナ軍の戦いを仕組んだ黒幕、人呼んで「神をも誑かした男」。聖戦において冥界で散ったのち、対ネメシス戦勃発と共に他の七将軍共々冥界からよみがえるが、真相を知った海将軍たちから「外道」「どのツラ下げて」と口々に責められる。今のところ何を言われても鉄面皮を貫いているが、これは作者の須田綱鑑氏いわく「気まずさが天元突破している」かららしい。

なお、聖闘士星矢のシリーズは様々な作者によりスピンオフも増えたが、冥王神話を除いて舞台となる時代は重ならず、致命的な矛盾は少ないが、岡田芽武作品では、原作の後の聖域再建までの教皇になったのはカノンであり、相討ちとなったはずの彼が何故生きていたのかと言う矛盾が解消されるのか

蛇遣座のシャイナアッペンデックスの貴鬼:ネメシス神殿遺跡の異変を察知して偵察に赴いたことで、ポセイドンVSネメシスの戦いに巻き込まれたアテナの聖闘士(とその予備軍)。どちらもかつての海底神殿の戦いに立ち会っており、ポセイドン一党と奇妙な縁がある。アテナに仕える身ながら、スニオン岬で小宇宙を錬成中(?)のポセイドン(ジュリアン)をネメシスの雑兵から守るために戦うことになるのだが…。

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