路線概要
福岡市東区の西戸崎駅と糟屋郡宇美町の宇美駅に至るJR九州の地方交通線。海の中道線という愛称が設定されている。国鉄→JRの鉄道路線で唯一、起終点駅で他の鉄道路線と連絡していない。かつては宇美駅で勝田線と連絡していたが、1985年に廃止された。なお宇美駅の香椎線乗り場と勝田線乗り場は100mほど離れていたが、線路は酒殿駅から分岐していた貨物線を経由し、勝田線とつながっていた。
運行形態
全列車が各駅に停車する普通列車で、西戸崎-香椎-宇美間を走る全線直通列車のほか、西戸崎-香椎間、および雁ノ巣・香椎-宇美間の区間列車がある。2020年3月14日のダイヤ改正から、平日の朝1本のみ、西戸崎-香椎-博多間の鹿児島本線に直通する列車が設定された。西戸崎-雁ノ巣間は20-30分間隔、雁ノ巣-香椎-宇美間はおおむね20分間隔と列車本数は多い。なお朝から夜まで全ての交換設備をフル使用しているため、これ以上増便することは無理だったりする(複線化の予定は特に無い)。
なおBEC819系の充電を香椎駅で行う関係上、2018年3月のダイヤ改正から西戸崎-香椎間と香椎-宇美間を走る区間列車がほとんどなった。現在、西戸崎-香椎-宇美間を走る全線直通列車の本数は少なめに設定されている。
かつては香椎駅から鹿児島本線へ直通し、博多-西戸崎間を走る列車もあったが2005年に一度廃止された。廃止された理由は、西戸崎から福岡市中心部へは香椎線で行くより市営渡船(志賀島航路。西戸崎にも寄港している)や西鉄バス(福岡都市高速経由)のほうが速く行けるためである。
2020年3月14日のダイヤ改正より、平日朝1本のみ西戸崎-香椎-博多間を走る列車が15年ぶりに再設定された。
鹿児島本線内は快速列車として運転する為、箱崎駅には停車しない。プレスリリース
香椎-西戸崎駅はマリンワールド海の中道や海の中道海浜公園、志賀島方面へ向かう観光路線としての性質を持つ。この区間の愛称は「海の中道線」だが、「西戸崎線」と呼ばれる事も多い。
駅一覧
※全線SUGOCA北九州エリア
駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
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西戸崎 | 志賀島へは西鉄バスまたは市営渡船が連絡 | |
海ノ中道 | 1988年に現在の中道信号場から移転 | |
中道信号場 | 旧海ノ中道駅。海ノ中道駅移転により信号場化 | |
雁ノ巣 | 宇美始発列車の折り返しあり。アビスパ福岡の練習場最寄り駅。かつては福岡ソフトバンクホークス2軍本拠地の最寄り駅でもあった。 | |
奈多 | ||
和白 | 西日本鉄道貝塚線 | |
香椎 | 鹿児島本線 | 西戸崎始発列車の折り返しあり、充電設備あり |
香椎神宮 | ||
舞松原 | ||
土井 | ||
伊賀 | ||
長者原 | 篠栗線(福北ゆたか線) | |
酒殿 | ||
須恵 | ||
須恵中央 | ||
新原 | ||
宇美 |
廃止区間(貨物線)
※客車列車時代の特急「かもめ」の方向転換の際に勝田線とともに利用されていた。
酒殿~志免間は1985年に廃止
駅名 | 接続路線 | 備考 |
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酒殿 | 香椎線(本線) | |
志免 | 勝田線 | |
旅石(貨物駅) | 1960年廃止 |
使用車両
現在の使用車両は直方車両センター所属のBEC819系蓄電池電車。非電化路線であったが、充電設備を設けたうえで電車による運行が2019年に始まった。
BEC819系投入前は筑豊篠栗鉄道事業部所属、南福岡車両区竹下車両派出(旧・竹下気動車区→博多運転区)常駐のキハ40系が使われていた。それ以前には1988年にキハ31が投入されるも1995年までに他線へ転出、1997年には当線向けに便所なし・全席ロングシートとしたキハ200系500・1500番台が投入されたが、2003年春のダイヤ改正で全車が大分・鹿児島地区に転出していた。