概要
- 物質が三態の内のある状態から別の状態へと変化すること。固体→液体の変化は融解、液体→固体は凝固、液体→気体は気化や蒸発、気体→液体は液化や凝縮、固体→気体は昇華、気体→固体は凝華と呼ばれる。類義に相転移。
- RPGなどにおいて、状態異常になる事。
- 身体が別の物質・物体に変化したり、身体の形状が骨格の制限を超えて変化したりすることへのフェティシズム。本稿で記述。
pixivでは主に3.の意味で用いられる。
フェチジャンルとしての「状態変化」は上記2.の「状態異常」と混同されやすいが、異なる概念とされる。詳細は後述するが、文字通りの「状態の変化」とは別の定義が設けられている事もある。なお、文字通りの「状態の変化」の定義については「変化」を参照の事。
また、状態変化を変化・変身と言った、より広義かつ一般的なジャンルと比較した場合、フェティシズムをより強く志向する傾向にある。そのためか、羞恥や恐怖が強く表れたシチュエーションとなる事も多い。
主な状態変化
上記3.の観点で字義をそのまま解釈した場合、その曖昧さから広範なジャンルが内包される事になる。しかし、実際に状態変化タグが使用されている作品は字義の解釈と比べると、かなり狭い範囲となるのが現状である。そのため、ここでは状態変化ジャンル内の主だった例をタグの使用状況に基づき選定し紹介する。更に細かな分類は個別記事でまとめる事とする。
固め
石像や金属像など、形を保ったまま別の物質へと変わるシチュエーション。
凍結や蝋固めのように、物質の変化を伴わない凝固や、別の固体の中に埋め込まれるような、比較的現実的なものも含められている。
形状変化
ボール状や板状など、骨格の制限を超えて別の非動物的な形状へと変わるシチュエーション。
骨折や出血などの大怪我を伴うもの、というよりは超自然的な力で形状を変化させたものといったニュアンスが強い。
液体やゴムなどの柔らかい材質への変化も主にここで扱われている。
物品化
物品(食品・おもちゃなどの非生物)へと変わるシチュエーション。
封印
物の中に閉じ込められてしまうシチュエーション。
ただし、縄で縛ったり部屋に監禁したりすることで単純に物理的に自由を奪うものは含まない。
※レディポットについては、元々の方向性との間で大きな違いがある模様。
複合型など
一つのシチュエーションが上記サブジャンルの複数にまたがることも有り得る。
たとえば「ヒロインが飴にされてしまった」という物品化シチュエーションは「体の形そのままに飴にされてしまった」のであれば固めとして、「飴玉にされてしまった」のであれば形状変化として扱うことが可能である。
逆に、状態変化のバリエーション増加に伴い、上記サブジャンルで単純に括りきれないシチュエーションも増えてきている。
他にも個性的な状態変化が多数存在するので、興味があれば実際に「状態変化」でタグ検索をかけてみることをおすすめする。なお、R-18作品やリョナ作品の割合も高いため注意すること。
他変化・変身ジャンルとの区別
状態変化に該当しないもの
ジャンル成立の歴史的背景に基づく観点
フェチジャンルとしての「状態変化」が2ちゃんねるで定義された際には、RPGの状態異常の中でも毒、麻痺、混乱等を取り除き、主に石化・凍結等を指すための用語として設定された。そのため、モンスター化と言った種族が変化するものや、催眠と言った精神に影響するものは含まれなかった。また、当初は海外でのASFRジャンルと関連してロボット化と言ったものや、時間停止、粘着拘束、メッシー、石膏固め等も状態変化スレッドで扱う内容に含まれていたが、後にジャンルが分化した、あるいはしつつある。
ジャンルの規模感やタグの使用例に基づく観点
歴史的背景とも関連するが、transfur、悪堕ち、性転換、年齢退行等は既に独立ジャンルとして2ちゃんねるに別にスレッドが立っていた。そのため、それらのジャンルは、上記の代表的な状態変化ジャンル自体と同等かそれ以上の規模となっている場合が多い。字義通りに状態変化タグを併用していった場合、代表的な状態変化ジャンルの作品を探しているPixiv利用者にとっては、検索の利便性が損なわれる事になる。また、状態変化ジャンルに属しているとは考えていない可能性も高いため、現時点では状態変化タグを字義通りに使用する事は余り推奨されない。
(検索の際に各個別ジャンルのタグで検索する方法や、マイナス検索を活用する方法もある)
上記、2つの観点を考慮すると、少なくとも以下のジャンルは状態変化タグの使用先として推奨されない。また、状態変化ジャンルに含まれないとされる場合が多い。
- 状態異常 毒、麻痺、混乱
- 種族の変化 transfur、モンスター化、天使化など→強制変身 / 変身 / transformationを参照
- 精神の変化 悪堕ち、光落ち、洗脳、魅了など→精神変化(暫定)を参照
- 年齢の変化 年齢操作
- 性別の変化 性転換
- サイズ・体型の変化 巨大化、縮小(シュリンカー)、肥満化
- 固めに該当しないもの 拘束、閉じ込め
- 分化したもの 機械化、ロボット化、時間停止
- 人体改造 人体改造、欠損
- 服装の強制変化(変身とは異なる) ハイグレなど
- その他 同族化
描写の意図に基づく観点
スラップスティック(ドタバタ)色の強いギャグ漫画・アニメでしばしば上記の「状態変化」に該当するような表現がギャグとして用いられていることがある(ショックを受けた人物が石になって固まる、巨大な物体に挟まれた人物がペラペラになったまま生存、など)。この際、作者がフェティシズムを意図せずに、こう言った表現を描写した場合は基本的には「状態変化」ではなく「ギャグ補正」として扱われている。ギャグ補正の場合はいつの間にか元に戻っているというお約束の描写があり、この有無も両者を区別する目安となる。
状態変化のみに共通する傾向
上記4ジャンルのみに共通する点としては、「非動物的な要素と一体化したような状態に変化し、大抵は身動きができなくなる」という点が挙げられる。
変化後も普通に動けるような場合は、液体生物や金属生命体、付喪神に変化するような形となるため、種族変化寄りの性質を帯びて来る(例:スライム化)。
その他曖昧なもの
- 植物化…他の種族への変化でもあるが、大抵は動けなくなり、固めや物品化の性質が強い
- 卵化…種族や年齢の変化とも取れるが、食品化に分類されており、球体化と類似の表現がなされている比率が高い
- 貝やヒトデへの変化…獣化の一種とも言えるが、形状変化や食品化として扱われる傾向有り?
- 粉々…一般的には「固め+物理的作用」といった扱いであるが、人間の配色・面影を残した瓦礫の山へ直接に変化するような、形状変化・物品化に通じる性質を持つ作品も多い。
- 材質変化(暫定まとめ記事)…動ける金属化や、脆い材質への変化など、上記4種の内に含めて良いか微妙なものもある。
- 液晶化…『デジモンストーリーサイバースルゥース』における"状態異常"なのだが、見た目がドット絵グラフィックに変化した上で行動に制限が出てしまっているなど状態"変化"の定義を満たせてもいる(種族の変化ではない)。
他ジャンル内での状態変化の扱い
特撮
特撮作品では主に怪人や怪獣などヴィラン側の能力として用いられる事が多い。
三大特撮だけでも石化や凍結などの固め表現はメジャーである他、人形化(マネキンや蝋人形など比較的マイナーなものも見受けられる)などの物品化など非常に様々なシチュエーションで表現され、特にスーパー戦隊シリーズがこの手の話題に事欠かない。
ヒーロー側も液体化や膨化、封印などの能力を行使しており、必ずしも悪役の能力とは限られない。