「マクーのドン・ホラーは、地軸を操作して魔空空間という一種のブラックホールを作り出すことができるのだ」
byナレーション
概要に引きずり込め!
宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの命令によって作り出される異空間。
マクーのドン・ホラーは地軸を操作して、発動プロセスを書くことができるのだ!
秘書ホラーガールとクラッシャー二名が地軸転換装置を操作することによって発生する。この装置の作動のエフェクトはというと、地球の自転を逆回転させ、波を逆流させるというなかなかの凄まじさ。
発動時に「ティキリキヤンヤンリキヤンヤンティキリキヤンヤンアンアンリキ」という呪文が唱えられるというが定かではない。
この地軸転換装置は何故か起動の際に爆発する時があるのだが、魔空空間の発生に支障はない。
詳細は、魔空空間では三倍のパワーを発揮することができるのだ!
魔空空間内では地球の常識は全く通用せず、突如戦いの舞台が変わったりする。
更に、ベム怪獣や獣星人ダブルマン、ダブルモンスターは魔空エネルギーを得て三倍の力を発揮することができる。それも単純なパワーアップというよりは突然消えたり分身したり、ベム怪獣やダブルモンスターが巨大化したり、ダブルマンが変身したり、戦闘円盤の支援を受けたり(いつの間にか搭乗している事も)、時には再生怪人まで出現させたりするという反則技使い放題な状態である。
にもかかわらず、ギャバンには全く勝てない。放映当時から、「宇宙刑事ギャバンは魔空空間では四倍のパワーを発揮することができる」という俗説が流れていた。「こうすれば勝てたのではないか?」と思う選択肢もあるが、
やはり使用されたことはない。
ギャバン単騎にも勝てないのに、あちら側は電子星獣ドルやギャビオンといった巨大戦力を躊躇なく(何しろ場所が場所なので周囲の被害は考慮せずに済む)投入してくるのだから堪らない。「魔空空間=負けフラグ」に見えるのは気のせいではあるまい…
余談なのだ!
マクーの拠点「魔空城」が存在するのは魔空空間ではなく「虚溝」(きょこう)と呼ばれる宇宙の裂け目である(第1話より)。
『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』にてドン・ホラーの親戚にあたるアシュラーダによると、ドン・ホラーの死によって魔空空間は縮小傾向にあるとのこと。本映画ではアシュラーダが獄長を務める魔空監獄が魔空空間に存在する。
魔空空間は特撮ワープの理由付けのように思われているが、ギャバンのスーツにはメッキ加工が施されており、このメッキスーツには周囲の光景が映り込むため太陽光や照明の反射が大きく、撮影に困難が生じたために撮影時に暗くする必要があり、この理由付けにメインライターの上原正三とプロデューサーの吉川進が「敵が自分達専用の異世界を持っており、そこに引きずり込んだら面白いんじゃないか」ということで「魔空空間」という設定を作った。
これにパイロット版の監督小林義明が空襲前の景色が空襲開けにガラッと変わってしまったのを見た戦時中の経験を元にイメージして、あの不条理な世界ができあがったのだという。
レーザーブレード等のビデオ合成をするとギャバンのスーツの色が飛んで映りが悪くなるので、暗くした方が映えるという事もある(スーパー戦隊シリーズで白のスーツのメンバーがあまりいなかったのも同じ理由で、事実『電撃戦隊チェンジマン』でチェンジマーメイドが技を使用する際に黒っぽく映ってしまっている)。
その後の作品による影響
『宇宙刑事ギャバン』に始まったこの戦闘用の異空間設定は日本の創作界隈からしても非常に画期的な設定であり、ギャバン以降のシリーズでも敵組織の技術として取り入れられた後、『時空戦士スピルバン』のバイパススリップ以降はヒーローが周囲への被害を避けるまたは有利な戦闘フィールドを作り出すなどを目的とした異空間が登場するようになり、東映以外の作品でも似た用途の空間が存在している。
また後の作品では地軸転換装置の小型化に成功したのかダブルモンスターが装置を体内に搭載して魔空空間を発生させている。そればかりかダブルモンスターでもない巻き込まれて入り込んだ悪の怪人もパワーアップしている。
ちなみに円谷プロ製作の『プロレスの星アステカイザー』が東映に先んじて似たような試みを取り入れている(というよりも製作の都合上、セルアニメの世界に突入するための方便であり、特殊空間を発生させているわけではない)。
他の作品で発生する異空間
東映作品
- 幻夢界(宇宙刑事シャリバン)
- 不思議時空(宇宙刑事シャイダー)
- バイパススリップ(時空戦士スピルバン)
- ガオームゾーン(重甲ビーファイター)
- トーセンボ(ビーロボカブタック)
- Aロボ空間(ビーロボカブタック)
- ビーロボを上回るAロボが長期間活動でき、10倍の戦闘力を持てる空間。
- 事実、アースドラゴンはビーファイター2人とカブタックを相手に立ち回る戦闘力を発揮できた一方、量産型のAロボ軍団は子供にも負けるほどの弱さを見ており、この手の空間の伝統を引き継いでいる。
- 大気爆裂マックスフィールド(爆竜戦隊アバレンジャー)
- ステージセレクト(仮面ライダーエグゼイド)
- ポドリムススペース(夢戦士ウイングマン)
- デリシャスフィールド(デリシャスパーティ♥プリキュア)
円谷作品
その他
- Kフィールド(ダンボール戦機w)
- 不思議空間トワイライトゾーン(サガフロンティア)
- ディバイディングドライバー(勇者王ガオガイガー)
- 樹海(勇者であるシリーズ)
- 固有結界(TYPE-MOON)
- ビッグバトルフィールド(ダライアス)
- 軌道演習ZONE(出撃!マシンロボレスキュー)
- 領域展開(呪術廻戦)
- 花天狂骨枯松心中(BLEACH)
- バトルフィールド(バトルスピリッツシリーズ)
関連タグを展開せよ!
鬼武者:同名の地下空間が存在する。本シリーズの企画に元東映スタッフも関わっているからか?