概要
ホモ(HOMO)とは、ギリシャ語を起源とする、「同じ、よく似た」という意味の接頭辞。
男性同性愛者(ゲイ)、女性同性愛者(レズビアン)の総称である。
日本における「ホモ」の誤用
日本では現在も「LGBT」への理解と認識が浅く、関連用語が十分に認知されていないため、「ホモ=男性同性愛者のみを指す」という誤った知識と使用法が広まっている。(pixivでもほとんどその意味でタグが付けられている)
男性同性愛、または男性同性愛者を「ホモ」と略して呼ぶのは1980年代までは一般的で、現在で言うところの「ボーイズラブ」(やおい)は、特にゲイ漫画との区別化は意識されないまま「ホモ漫画」などとも呼ばれていた。
しかしながら、同性愛や同性愛者を「ホモ」と称するのは、概ねLGBTへの差別的行為であり、蔑称としてのニュアンスを感じる当事者が多い。
このため近年のメディア等では、同性愛を「ホモ」と称すること自体を避ける傾向にある。
アメリカではホモセクシャルと明確に区別するために「ブロマンス」という造語も生み出された。
同人用語としての「ホモ」
腐女子の多くが「BL」や「男性キャラ同士の二次創作」を指す言葉として「ホモ」を気軽に用いている。
これがTwitterなどで広まり、日本では腐女子ではないオタクまで何でも「ホモ」を用いるようになってしまったが、「ホモ」という呼称を「蔑称」と認識している当事者も多いため、「ホモくれ」といった使い方には注意が必要である。
また、「ホモ」という用語自体が差別用語であるため、使用しないことが適切である。
(しかし、まれに同性愛者が自称に用いることもある。またpixivにおいても当事者が作成したR-18創作物にはこのタグも使う当事者は多い。)
→ 同性愛の記事も参照のこと。
pixivでは、男性同性愛を描いた作品の他、男性主体で性的な描写があるイラストには、同性愛的な描写がなくともこのタグがつけられることが多い。
それ以外の用法
pixivではめったに見かけないであろう用法だが念のため。
「ホモ」はもともとギリシア語で「同じ」をあらわす単語であるため、「ホモ」で始まる語彙は「ホモセクシュアル」以外にも存在する。
例えば「ホモ牛乳」や「ホモソーセージ」などの「ホモ」は「ホモジナイズド(均一化された)」の略である。
「ホメオスタシス(恒常性の意味)」の「ホメオ」もギリシア語の「ホモ」に由来する。
また、生物で習った人も多いであろう遺伝子の分野(メンデルの法則とか)では、優勢遺伝子のみ(AA)または劣性遺伝子のみ(aa)をもつものを「ホモ」といい、これも語源は一緒。ちなみに対義語(Aaをもつ)は「ヘテロ」という。
ラテン語では「ホモ」というと「人間」のことである。ヒトの学名が「ホモ・サピエンス(知能ある人)」であるのはここに由来する。
化学の世界ではHOMOと綴り
最高被占軌道/Highest Occupied Molecule Orbital の略語として扱われている。
対義語は
最低空軌道/Lowest Unoccupied Molecular Orbital (略語はLUMO)である。