解説
水野良・グループSNEのRPGリプレイ及び小説「ロードス島戦記」のPC・メインキャラクターであり、主人公パーンのパートナーであるメインヒロイン。永遠の乙女。
また彼女を扱った外伝作品として「ハイエルフの森 ディードリット物語」という短編集があり、よねやませつこ画で漫画化され「ロードス島戦記 ディードリット物語」のタイトルで月刊ASUKA別冊ふぁんデラに連載された(あすかコミックス収録)。
以後のファンタジー作品のエルフに絶大な影響を与え、特に「長い耳」を印象付けたキャラクターである。
人物
帰らずの森から人間の世界にやってきた若きハイエルフ(160歳。若木とも呼ばれる)。ロングストレートの金髪と切れ長の瞳、長く尖った耳が特徴的な痩身の女性。
精霊を使役する魔法の使い手であり、剣術もそれなりに使える。(もっともそれはパーンなどと比べると、という話で、並の戦士や傭兵、ゴブリンなど下級の魔物程度なら同時に複数相手にしても後れを取らない程度の実力はある)。
ただしメインはやはり魔法であって、風と炎の砂漠の内乱の折に風の王イルクと契約を結び、強力な魔力を手に入れている。(物語中盤~後半にかけては海魔クラーケン、大地の魔獣ベヒモス、森の守護者エントなどの風以外の上位精霊の力も使えるようになっており、精霊使いとしても屈指の実力者となっている)
さらに多くのエルフが破壊の象徴として敬遠する炎の精霊も使役する(炎には破壊と共に再生を司る側面もあることを知っている為。故に炎の上位精霊を召喚する必要がある時には破壊を司るイフリートではなく再生を司るフェニックスを召喚している)など、人間界と深く関わろうとする行動派なところも含め、他のエルフとは一線を画している。
物語の当初は戦士としても人間としても未熟な青年パーンに保護者的な感覚で連れ立っていたが、共に困難を乗り越えていく中で段々と彼に惹かれていき、その後自由騎士としてロードス中にその名を轟かすほどに成長したパーンを公私に渡りサポートするパートナーとなった。
アラニア内乱の際には幼馴染みのハイエルフの男性エスタスから求婚をされているが、彼女のパーンへの愛情は揺らぐ事はなかった。
しかしハイエルフは実質不老不死であり、有限の命しか持たない人間であるパーンとの恋愛は、別れが必然的で先の悲しみも垣間見える。(本編3~4巻でシーリスがパーンにちょっかいを出していたことがきっかけで、嫌でも自分のパーンに対する感情に直面しなければならなくなり、それ以降はパーンとの寿命の隔たりや異なる種族であることのコンプレックスについてかなり深刻に悩んでいた節がある。永遠、という言葉にすら忌まわしさを感じるようになっていったのもこの頃。ただし、最終巻では、自分の永遠の命はロードスで起きた出来事を伝説や歴史ではなく、全てを事実として伝える為に与えられたものなのかもしれない、と思い直し、そこまで悲観的ではなくなったようであり、異種族であることに起因するコンプレックスについても彼女を主役とした外伝「ハイエルフの森」にてパーンの「人間とハイエルフは共存できる。自分とディードリットの関係が例外ではないと思いたい」という言葉を受けて、自分の中でパーンに対するゆるぎない愛情へ昇華できたようである)
物語の後はパーンとともに故郷の帰らずの森付近に質素な小屋を建てて、静かに暮らし続けたが子供は生まれなかったという。
100年後を描いた誓約の王冠では隠者の様に森の奥で暮らしていたが森までやって来たライルにいざなわれ再び歴史の表舞台に立つことになる。
作中、ディードリットのライバルとして、また同じ様に人間を愛するエルフとして、ダークエルフのピロテースが存在する。
TRPGリプレイにおけるディードリット
山本氏曰く「自分がやったのは連載の最初の数回だけで後は女性スタッフに交代した」との事。
小説版が刊行された後の文庫版リプレイでは、パーンが最初のゴブリン退治で死亡→蘇生した関係で他のメンバーよりもレベルが低いことをウッドと一緒になって煽りまくっていた。やーいパーンのレベル1!
担当声優・演者
新山志保→野田順子(テレビアニメ「ロードス島戦記-英雄騎士伝-」。※途中降板のため交代)
遠藤綾(ロードス島戦記オンライン)
多田愛佳(舞台版)
関連タグ
テュカ・ルナ・マルソー(ディードリットがモチーフと推測されるキャラクター)