概要
2004年に「なんでも実況J(ジュピター)」として設立。姉妹板に「なんU(なんでも実況ウラヌス)」がある。
略称は「なんでも」と「J」からとられている(なんでも実況の略ではない)。板の住民は「なんJ民」と呼ばれる。
類似する場所におーぷん2ちゃんねるのなんJ、通称「おんJ」が存在する。こちらは元々本家なんJの住民が避難所に使用していた事もあり、ある程度同様の文化を有しているが、掲示板自体のシステムや流行の違いにより独自の要素も見られる。有名なスレも多い。
歴史
原始時代
2004年に「番組やスポーツに縛られない実況」を目的として設立される。2005年頃、VIPから避難民が流入したことなどを経て、ある程度の規模の住民が定住した。しかしその後は徐々に住民も減り、「実況」とは名ばかりの閑散とした馴れ合い板として長らく存在していた。
盛期
そうした状況に目を付けた野球chの住民(やきうのお兄ちゃん)が、2009年5月の規制強化を機に大挙して移住し、以降野球の実況を主体とするようになる。
一方で、冬はプロ野球の試合が行われないことから、オフシーズンにはいわゆる「クソスレ」の類も許容されがちであったため、従来の馴れ合い指向も存置された。その緩い連帯感を気に入った一部の移民が野球chの規制解除後も定住を続け、そのまま「やきうのお兄ちゃんの雑談場」として発展する事となった。しかしその陰で、野球に馴染めない原住民の存在が闇の中へと葬られていった事もまた事実である。
これまでネット文化といえばいわゆるオタク・マニアと呼ばれる層が中心で、話題もサブカルか機械ネタというところに、野球が大好きな集団の文化が浸透していったことはなんJの特徴の1つであると言える。(逆に言うとこれがなんJにおけるオタクバッシングの一因にもなっている)。
住民の多くが移民であることや、元々野球ファン自体の派閥も12球団それぞれに分かれていることも手伝って、2ちゃんねるでは珍しく他のファンの存在を認め、リベラルで外部のものを受け入れる風潮が生まれた事は特筆される。
ただし、野球chが規制に至った主な原因は、上記淫夢ネタの蔓延と、別の選手の移籍問題に対する激しい誹謗中傷であった。古い移民も決して全員が清廉潔白なわけではないのである。というより、主に日ハムスレを中心とした古参の淫夢厨が暴れ回ったことで「なんJ語」の幾つかの源流が生まれ、ホモガキが誘致される結果となってしまっている。
増加期
2010年代初期、VIPPERの凋落もあり2ch自体の人口が減少し治安も悪化する中、独特の文化によりガラパゴス化していたなんJは、台風の目となり成長を続ける。
2012年頃になると、なんJのスレを転載するまとめブログの増加に伴い、よくも悪くも人口が増加。ニコニコ動画Twitterなどの外部サービスから(比較的)若い、掲示板文化に馴染みの薄いネットユーザーが現れ、それまでなんJでは軽視される存在であったアニメやゲームなどのネタも取り込まれるようになった。しかし、なんJ民的にはやはり受け付けないところがあったらしく、その後はオタク文化のカウンターをする立場になっている。
また、とある野球選手のスキャンダルに端を発する事から板内で準公用語のように扱われていた「真夏の夜の淫夢」ネタがインターネット全体のブームとなり、淫夢経由で来た層も増加したほか、なんJでの炎上騒動をきっかけとして生まれた恒心教が勢力を伸ばした。
2chの外にもスラングが広まり、エセ関西弁が凄くウザがられるきっかけにもなった。
混乱期
こうして「聖地巡礼」のような形で「やきうのお兄ちゃん」以外の流入が急増するも、外部の「ノリ」が持ち込まれた事によってリベラルさはネオリベラル的アウトローに変質してゆき、新参や非野球民の追放を主張する者、逆に野球民を否定する者、煽りを繰り返す者、工作員や信者など多数の派閥が出てくる中で内外に様々な紛争を抱えるようになった。
特にVIPを汚染し尽くしたまとめブログ民がそのままなんJに移住し、なんJが政治・時事・学歴といった対立煽りコンテンツの新たな処理場と化したことで、治安は著しく悪化した。
VIP・ニュー速化したなんJ
2010年代後半になると古参の利用者もその全容の把握は不可能となり、往年のVIP板や旧ニュース速報板(旧速)を思わせるなんでもありの無法地帯、対立煽りの拠点という状況と化した。
むしろ野球という共通点が失われつつある現在では、VIPPER以上に制御のしようが無い集団になっているとも言われており、集合離散を繰り返しながら時に祭り(炎上)の扇動や犯罪予告、サジェスト汚染等の工作活動を引き起こしている者も多く見受けられる。現状5chで最大級の人数・勢いを誇る一方で、この有様はただでさえ過疎化・高齢化・荒廃に追い込まれている5chにますますネガティブな印象を与えており、何かしらのトラブルの元凶として多くのインターネットユーザーから警戒される存在でもある。
また、「例え興味本位(観光目的)でもなんJは絶対に足を踏み入れてはいけない場所」「現在なんJが幅をきかせてる時点で5chは荒廃したネットの巨大スラム街になってしまった(オワコン化)」「Google検索であっさり出てくるダークウェブ」とまで揶揄される程である。
分裂・過疎化
2022年、なんJがサーバーエラーで一時的に消滅してしまったことで、野球民が新規実況板「何でも実況G(ガリレオ)」に避難した。その後なんJは復帰したものの、野球民はなんGに定住した者が多く、なんJ側は過疎化し対立煽り専門のような掲示板と化している。
Pixivでの扱い
pixivにおいては、なんJにまつわるネタを描いた作品が投稿されている他、野球関連のネタ絵の多くに影響が見られる。なんJ民の象徴でもある「彡(゚)(゚)」(メイン画像左の黄色い鳥のような人物)を描いた作品も多い。
上記のような状況であるため、板とも野球とも関係の無いイラストに唐突にネタが挟まる事も多く、そうした場合は大抵タグ付けはなされていない。
pixivに限った事でもないが、作者になんJ民としての意識があるかどうかすら怪しい場合も多々あり、「仲間」と思って話を振ってもその後が続かないという可能性は十分に考えられる(とぼけているのではなく、本当になんJを知ずになんJネタを使っているのである)。
一般世間ではマイノリティである萌えオタであるがネットではマジョリティであり、逆に野球民は長らくネットではマイノリティであったため萌えオタへの敵対意識が強く、さらにまとめブログ住民に萌えネタを好むものが多いことから、pixivのような萌え文化に拒絶反応を示す層が一定数存在する。
ネタにされやすい人物・作品
野球ネタ
- 巨人小笠原・日ハム小笠原
- チック
- 男村田(乙女村田)
- プロブロガー
- ベルたそ~
- ちょww和田がNARUTOに!?ww
- ヤニキ・辛いさん
- 大松「」
- 神戸、はしゃぐ→涌井、熱い制裁
- 小松式ドネーション
- PP長野
- ジョイナス
- オコエ瑠偉
- ドミンゴwwwww
- 倉本寿彦
- 藤浪晋太郎
- 大谷翔平
- 根尾昂
- 佐々木朗希
- 奥川恭伸
漫画・映像作品(アニメ・ドラマ等)
これらの作品が2010年代前半の作品ばかりなのには理由があり、2012年前後からアフィブログからの萌えネタ持ち込みが急増する中「萌えネタは野球民の敵だ」といったような風潮が強くなって、萌えネタがやりにくくなったためである。
- イカ娘
- むぎたそ~
- 大正義野球娘。
- ユンオ(ユッノ)・ナッズ
- 程高川島さん
- 我那覇君・ハルカス・男菊地、姫川友紀=サンキューユッキ=やきうのお姉ちゃん
- 捕鯨
- キャップ・うえのさん
- 激寒採点おばさん
- 激寒タロット(中略)おうどんさんに自信ネキ
- うるさいですね... - 発祥自体は別の板。
音楽
- 恋愛サーキュレーション(照ワ恋聴)
その他
主ななんJ発祥の用語・なんJが広めた用語
その他の用語はなんJ語の記事も参照
語感的になんJ用語っぽいが実は他所発祥の言葉
何も起きないはずがなく(商業BLのバナー広告)
関連タグ
2ch脳 やきうのお兄ちゃん VIPPER 嫌儲 恒心教 淫夢厨 諸悪の根源 犯罪者予備軍 陰キャ ネットイナゴ エナジーバンパイア
外部リンク
なんJ用語集-なんJ発祥の言葉やよく使われる言葉が野球ネタを中心にまとめられている。ただし、蔑称や過激な言葉、特定の人物・団体を煽る言葉が多いので注意されたし。