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勝ち組の編集履歴

2023-05-26 13:23:25 バージョン

勝ち組

かちぐみ

勝負に勝った側の人のこと。社会的な成功を収めた、経済的に裕福であるなど、格差社会において「勝利」した人のこと。

日系移民の「勝ち組」

「勝ち組」/「負け組」という言葉は、第二次世界大戦直後における南アメリカの日本からの移住者、またその子孫である日系人社会において、日本の敗戦の事実を認めない人が多数いたことに由来する。


「勝ったと思っている側」が勝ち組戦勝派)と呼ばれ、「負けたと思っている側」が負け組認識派)と呼ばれていた。


ブラジルペルーでは戦時中〜戦後に情報統制の関係から良質のニュースがあまり入って来なかった。多くの人が現地の言語に堪能ではなく、日本からの情報ばかりを得ていたことから、日本の勝利を確信している人が多数いた。また、多少は現地のポルトガル語スペイン語に通じていても、連合国側に都合のよいデマ宣伝と考え信じなかった人も多かった。


日本のポツダム宣言受諾を伝える日本語の放送はブラジルでも聞くことができたが、少し時間が経つと日本人の中から敗戦はデマであり、実は日本が勝ったのだと言い出す者が出てきた。勝利した日本から使節団が軍艦でやって来るという噂も流れ、新円切替えで紙くずとなった円紙幣を勝ち組に売りつける詐欺事件も頻発した。


これに危機感を抱いた移民社会の指導者層は、敗戦の事実を日本人社会に伝えようと、天皇の詔書や日本政府からのメッセージの写しを配布するなどの時局認識運動(略して認識運動)を起こした。しかし、これらの行為はかえって過激な勝ち組の憤激を呼び、国粋主義団体が勝ち組を「天誅」と称して襲撃する騒乱が横行した。


これら「勝ち組」のテロにより、ブラジル社会の対日・日系移民感情は、著しく悪化した。ブラジル当局は勝ち組の日本人たちを事件に関与していない人たちも含めて一斉検挙し、事態の鎮静化を図った。その後、ブラジル政府や日本政府・GHQ、戦争中立国であるスウェーデンの協力も受けて認識運動が大々的に展開され、日本の親類・友人から敗戦の事実を伝える葉書が送られたことや、日本政府の派遣した特命全権大使によって「勝ち組」への説明がなされたことなどにより事実が知れ渡ったことで、「勝ち組」たちも自然消滅に近い形で消えていった。


特にブラジルにおいて騒動が巻き起こった要因の一つとして、日系移民の多くはブラジル国内でも抑圧的な立場にあり、国交断絶の影響もあって日本領事館や日系企業が閉鎖され、日系移民たちの統率が取れず不安を抱えていたことが大きいと考えられている。また勝ち組は、元から情報が手に入りにくい立場だった(教育が十分でない、知的水準が低い地域に住んでいた)ことが多く、その辺りの階層差も事件の要因にあったのではないかとする説もある。


「格差社会の成功者」という意味の「勝ち組」

上記の戦勝派・敗戦派とはまた別に、バブル経済崩壊による不景気が続き「一億総中流社会」という意識が歪みを見せ始めた1990年代後半ごろから「格差社会化が目立つ中、社会的な成功を収める、巨額の金を手に入れるなどした実業家や投資家」のこと、つまり競争社会において勝利した人のことを「勝ち組」と呼ぶ例が出始めた。


この用法が広まったことにより、現在では一般に「勝ち組」と言えば「富裕層」「社会的成功者」を指す。


しかし、いっとき裕福であったり、事業がうまくいっていたりしていても、堀江貴文村上世彰のようにあっさり逮捕され没落してしまうこともあるため、勝ち組が必ずしも長期的な成功者となるとは限らない。


いわゆる「上級国民」は、その人の「生まれ」(親やそれより上の世代から引き継いだ資本)が既に「上級」である、というニュアンスが含まれるため、勝ち組とイコールというわけではない。


経済的に安定し、家庭を築く余裕のある人のこと

バブル崩壊後の日本では、結婚できなかったり、あるいは結婚しても離婚していたり、フリーターや派遣社員もしくは中小零細企業勤務で、明日をも知れない身、というような貧困層が増えた。この結果、安定した大企業や中堅企業の正社員や、役所や学校などに勤務する公務員で、結婚して子供がいる男性や女性、従来であれば「中流層」に分類されていたような人までもが「勝ち組」扱いされることがある。


この意味での「勝ち組」は野原ひろしなどがあげられるであろう。ひろしは『クレヨンしんちゃん』の連載が開始されたバブル期当時はごく平均的なサラリーマンであったが、2010年代の感覚では比較的恵まれた身分であるといえる。


pixivにおいて

タグとしては、「勝ち組」と呼ばれるようなキャラクターや、そのようなキャラクターが登場するシチュエーションに関して使われることが大半である。また、どちらかといえば単純に「勝利者」や、現代において一般的な用法である「社会的な成功者」を指す目的で使われている。

いわゆるリア充(この場合は恋人がいてラブラブで楽しい日々を過ごしている、という意味合い)、ハーレム状態なキャラを指す場合も多い。


なお小説『ニンジャスレイヤー』においては(競争社会に疲れ果てた)富裕層を「カチグミ」と称しており、同作品について語る目的で使われることもある。


関連イラスト

【P4】バレンタイン番長まどマギベストカップル


外部リンク

Wikipedia「勝ち組」


関連タグ

勝ち 負け

第二次世界大戦 日系人 ブラジル

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