『乗車券があれば 誰かが迎えに来るらしい』
(メイン画像は、本家キャラデザ担当さんの絵)
概要
サークル・DONZによって製作されたアドベンチャーフリーゲーム。
怖い雰囲気が漂うが、一応ホラーではない。
作成者は、「素顔同盟」とBUMPOFCHICKENの某曲に影響を受けたとしている(影響を受けただけで、別に歌の通りの世界を描いているというわけではなさそうである)。
対応機種がwindowsのみなことに注意。
マルチエンディングであり、エンディングは3種類。
ゲーム操作では、探索、会話の他、簡単な仕組みの戦闘も行う。
公式では、排気ガスサークルのストーリー・キャラクターについての解説は行わないと宣言している。
複雑で抽象的なストーリーであるため、プレイヤーによる様々な考察がなされている。
ストーリー
『乗車券があれば誰かが迎えに来るらしい』
事故防止の甲斐なく、投身自殺の相次ぐとある駅にて、主人公はメモを片手にホームに立っていた。
『強く願うモノが乗車券になり、それを持つ者がこの駅にいると、
夢の先へと案内してくれる列車が停まるらしい』
そんなのはウワサだ。
いやこれは呪いだ。
いやこれまでに死んだ人々の霊のせいだ。
様々な噂をする人々の声を聞きながら、主人公は思う。
学校に行くのにこの駅に寄る必要はなかったのに。
どうして自分は、この駅へ来てしまったのだろう……。
けれどもし“乗車券”なんてものがあるのなら―――
本当に願いがかなうとしたら―――
突然主人公を耳鳴りが襲い、あたりは静寂に包まれる。
気付けばホームに人気はなく、音と共に、色までもが失われ、
モノクロの世界に主人公だけが佇んでいた。
ふと目を移すと、いつの間にか電車が停まっている。
呆然としていると誰かに背を押され、主人公は電車へ乗りこんでしまっていた。
そしてホームにメモを落としたまま、電車は走り出す。
(公式サイトより引用)
登場人物
- 主人公(デフォルトネームなし)
何かに引き寄せられるように訪れてしまった某駅から、モノクロの世界に迷い込んだ『人』。
パートナーや仲間達と共に数々の困難を乗り越えながら、この世界から元の世界へ戻るための「乗車権」を探す。
少年のように見えるが…
- パートナー(デフォルトネームなし)
冒頭で主人公に託された『影』。主人公を「主」と慕い、同行するパートナーとなる。
主人公の装備(仮面)に合わせて姿を変え、主人公に代わって戦闘時に活躍する。
また、ヒントをくれる事も。
最初は主人公が理解できない言葉を話すが、徐々に饒舌になっていく。
葬儀屋
この世界の屑を埋葬し浄化する集団。主人公に乗車権や助言を与えてくれる。
怨念化した屑を開放するのが仕事だが、現在は「主」を呼ぶための仮面集めに集中しているため、埋葬は行っていない。
彼等は屑ではないため、仮面は不要。よくお茶会をやっているらしい。
- ノーチェ
一番最初に出会う葬儀屋。キャラクター中で一番背が高い。
ボンボンの付いたニット帽と市松模様のマフラーに手袋をして、袋を持っている。
おそらくサンタクロースのイメージ。
丁寧な物腰だが、皮肉屋。
- ルーナ
葬儀屋の管理者。作者によると女の子。
ケープのフードを被り、顔の半分が髪で隠れている。
中性的な落ち着いた口調で喋る。
- リヒト
シルクハットにマント、杖をついて、紳士のような格好。右足が義足で右目に眼帯をしている。
(公式絵では両腕があるが、キャラデザ担当さんの絵では隻腕描写をされているためおそらく左腕も義手)
お調子者のナルシストで、ムードメーカー。葬儀屋の中で新参らしいが、詳細は不明。
MAG団
はぐれものの主人公を受け入れてくれる、賑やかな集団。
世界の失われた「主」を創るため、葬儀屋と協力して屑を集めている。また、彼ら自身も屑。
行き場の無い屑の保護も行っているらしい。
現在は、世界を滅ぼそうとする「ヘンベイン」を止めるべく、ヘンベインの捜索もしている。
全員ガスマスクのような仮面とヘッドホン、襟巻をしており、腕章に名前の頭文字が入っていたりする。
- レッド
絵の右から2番目。口元がギザギザ。熱血漢のリーダー。少々考えなし。
- グリーン
絵の中央。口元が縦格子。面倒見のいい副リーダー。レッドに振り回されている。
- ブルー
絵の右端。口元がバッテン。クールな参謀。言葉にとげがあるが本当は優しいらしい。仮面に傷がある。
- ワッピ
絵の左から2番目。口元が横格子。後輩タイプの小柄なサポート役。服に「YP」と書かれている。
作者によると女の子。
- イーア
絵の左端。ほかの四人と少し違う立場。ポジションはブラックらしい。
人と人とは利用し合っているという、組織に属していながら冷めた考え方。
葬儀屋とMAG団の連絡を行う他、白い男を追っている。
ヒヨス
世界の崩壊を望むが故に敵味方なく襲うという集団、もしくはその親玉の名称。
単にヒヨス、もしくはヒヨス派とも。
森を主な出現場所とする。
- ヘンベイン
モノクロの世界を崩壊させていくという謎の存在。
誰にも姿を見せず、歌だけが聞こえる。
その他
- 白い男
冒頭で、主人公を電車に押し込んだ謎の人物。
一見、袋をすっぽり被っているような外見だが、俯いているだけ。
そのせいで顔が見えない。
- フードの人(?)
塊を降りた主人公が最初に出会った住人。
猫耳(角?)があるフードを被り、笑った顔の仮面を付けている。
主人公に、パートナーとなる影と、この世界で必要な乗車権を託した。
- 仮面の男
ケープを被り、仮面を付けた人物。
主人公のことを「排気ガスさん」と呼び、たびたび姿を現す。
何やら目的があるようだが…。
- 猫の様な男
猫耳らしきものがあり、マフラーを巻いてモコモコとした白い容姿をしている。
イーアと一緒に白い男を追っているらしい。
仮面の男とはそりが合わないと言う。
- スキア
猫口をした仮面をつけた屑。
自称・ブルーの部下の情報員。
- 鍵師
どこのグループにも所属しない謎の存在。
鉄仮面のような仮面を付け、髪の先には鍵が色々付いている。
世界の鍵である『仮面』を創る者。
主人公が手に入れた欠片をもとに、様々な装備(仮面)を授ける。
- ???
一つ目のマスクを被り、ロープを持った人物。マスクの頭には、耳だか角のようなでっぱりがある。
謎。
用語
- 屑
この世界の住人。
世界に存在を許されていない存在であり、仮面で存在を隠さなければ消えてしまう。
人になりたいがために他の屑や『人』を取り込もうとして凶暴になり、「怨念化」するもいる。
弱い屑は、怨念化したものに容易く取り込まれてしまうという。
- 影
この世界の住人。
顔も仮面も持たない真っ黒な外見だが、色々な姿形をしている。
主人公のパートナーのように、自分の主に合わせて形態を変えることが出来るものも居るらしい。
- 仮面
この世界の屑が存在するのに必要なもの。塊に乗る為の乗車権でもある。
『人』である主人公が、顔を取られないよう隠すためにも必要。
- 塊
この世界の移動手段。
決まった場所(駅)同士を繋ぐ電車のような乗り物。
特定の場所へ行くには特定の乗車権が必要。乗車「券」ではない。
- 森
ダンジョン的なもの。
ヒヨスや影など、有象無象が潜んでいるため、危険である。