概要
フランス語のフリーゲーム。音楽はAlias Conrad Coldwood氏が担当する。
4つの「ゾーン」から出来ている不思議な世界を舞台とし、そのゾーンのボスを倒す形でそれを「浄化」することが目的。
使用ツールはRPGツクール。
独特な世界観とキャラクター、中毒性的なサントラ、「MOTHER」シリーズ並びのメタ発言に評価があり、英語版も制作されている。
現在、日本語版の計画はない。
ストーリー
プレイヤーは「バッター」と呼ばれる存在に任命されている。
バッターは重要な任務を課されており、世界を浄化しなければならない。
バッターを導き、その任務を果たせ。
キャラクター
プレイヤー(The Player)
画面の前のあなたのこと。最初に名前と性別を決めることができる。
どうやらバッターやジャッジ含む一部のキャラクターたちには認識されているようだ。
喋ったり交渉することはできないがすべてのことを見たり聞いたりできる。
バッター(The Batter)
ゾーンを一つずつ清めるという任務を務める男。野球選手の格好をしており、必殺技なども野球的。寡黙で、必要なこと以外は喋らない。世界を浄化する任務を課されている。
なぜ野球選手の様な姿をしているのか説明されることはない。
エンディングの選択によっては頭部がワニのような異形の姿に変わる(主にファンの間でBad Batterと呼ばれるもの)。
ジャッジ(The Judge)
ゾーン0の支配者。白いチェシャ猫で、行く先々で遠まわしな助言をバッターとプレイヤーに与える。プレイヤーを認識している数少ないキャラクター。
「ヴァレリー(Valerie)」という名前の兄弟がおり、探している。
エンディングの選択によって彼の結末が変わる。
アド-オン(Add-Ons)
バッターの仲間。外見は白いリング。3体おり、それぞれはトリニティ(三位一体)を意味している。感情を表現したり、言葉を発言することはなく、ただただ敵を攻撃することしかできない。
ザッカリー(Zacharie)
蛙の仮面(ゲームを進めていくと猫の仮面を被るようになる)をしたアイテム商人。なぜかいつもバッターを先回りしており、様々な場所で現れる。
彼はこの世界がゲームであることを知っているらしく、プレイヤーに話しかけることがある。
ファンの中でも人気があるキャラ。検索すればたくさんのファンアートが見れるだろう。
エルセン(Elsens)
ゾーンで働いている、やや仕事中毒な感じの臆病な住人を総じてエルセンと呼ぶ。ヘルメットを着用したり、白衣やスーツを来ていることもあるがほとんどの場合は白い顔のネクタイシャツを着た無個性な人間型の生物である。
不安、怒りを感じた時に、裂けた首や腕から黒い液体を噴出する「バーント(Burnts)」という怪物に変化する。
敵達(Enemies)
ほとんどの地域で現れる亡霊達。ハロウィンの子供の落書きのようなオバケや、かと思えば生首などのリアルな敵もいる。敵達、そしてバッターと敵対する支配者達を倒すことが目的となる。
デーダン(Dedan)
ゾーン1の支配者。裸体の上半身にコートを羽織り、大きな歯を剥き出している。大変口汚く、エルセンを罵ることを生きがいとしているようにも見える。
亡霊たちが現れる理由はバッターにあると考えており、バッターのことを罵る。
しかし昔は泣いているある人物にコートで涙を拭かせるなど人情深く、自身のゾーンに「誰でも仕事が持て、調和を維持していく」という夢を描いていた。ペダロに乗るのが好きという一面もある。
一部ファンの間ではベーダー・エローナとのカップリングが好まれている(クイーンに忠実である描写が目立つことから)が、作者自身は「彼の忠誠心がクイーンへの恋愛的なものなら、自分のためにそう考えないだろう」と発言している。
Dedanとは聖書やクルアーンに出てくるタブーク州の地域、デーダンのこと。
ヤペテ/ヤフェト(Japhet)
ゾーン2の支配者。知的で読書好き。彼のゾーンも巨大な図書館でできている。
猫の姿をしているが、バッターと対決するときに真の姿を見せる。
昔はまだ姿も幼く、ゾーンの住人達にも愛情深く接していた。しかしやがて創造主である自身の存在を忘れていくエルセン達に不満を抱く。
Japhetとはノアの方舟のノアの3人の息子の一人。
通常はヤペテと呼ばれるが、翻訳のばらつきによりジャフェット、ヤフェットとも呼ばれる。
イーノック/エノク(Enoch)
ゾーン3の支配者。ゾーンの人々を砂糖作り工場に働かせており、部下に好かれている。
外見的にはネクタイシャツを着た、巨漢で太った男のように見える。その体格のせいで彼のオフィスから長距離まで移動するにはパイプに体を押し込めなければならないらしい。
自身のゾーンに「誰もが幸せを感じ、若者が夢や希望を手にすることができるようになる」という夢を描いていた。
Enochとは創世記やエノク書に出てくるヤレドの息子。従う者、という意味を持つ。
ちなみに声を演じているのは作者であるMortis Ghost氏自身。
スクレ/シュガー
とある場所で閉じ込められている女性。おかっぱ頭で、胸にバツ印が描かれている。その名の通り、彼女の使用する技名はスイーツの名前をとっている。
隠しボスであり、倒さなくても進行には問題ない。
ザッカリーとは密接な関係にあることをほのめかしており、二人の関係について様々な憶測が飛び交っているが、作者は彼女とザッカリーが恋人同士なのかという質問に「そうとは知らなかった」と回答している。
オリジナルのフランス語版ではスクレ、英語版ではシュガーと名前が異なる。
ベーダー・エローナ/クイーン(Vader Eloha/The Queen)
世界そのものの支配者とされる女性。彼女との戦闘の際、時折囁きでプレイヤーにも精神的な攻撃をしてくる。
バッターと密接な関係であることをほのめかしており、バッターを追いかけてきたジャッジによれば…。
ヒューゴ(Hugo)
真っ赤な部屋にいる子供。病弱な赤ん坊のように見えるが、読み書きができる。
まだ世界が作られたばかりの頃、ロイヤルガーディアンの三人に関与していた。
父親と日に日にすれ違い気味になっているのを窺え、バッターを追いかけてきたジャッジによれば…。
このゲームでは彼の最後が一番ツライ描写であると思われる。