解説
ネコ目ネコ科ヒョウ属の肉食動物。
全身が漆黒の体毛で覆われており、その妖しげな雰囲気から人気の高い動物でもある。
英語では【(a) black panther】とされる。
近年まで豹の亜種と考えられてきたが、研究の結果、劣性遺伝による突然変異種であることが判明した。
研究によれば、黒豹の体毛は“斑紋の黒い毛が全身に回ったもの”であることが分かった。
つまり、本来は褐色に生えるはずの体毛が、遺伝の影響で黒く染まって生えている状態なのだという。
その体毛も、日光に当てると茶色く透けて光り、じっくりと観察すれば薔薇のような紋様(=豹柄)が全身に浮いていることが確認できるという。
またこれとは別に、豹柄の斑模様が極端に大きくなって黒豹となった個体も確認されている。こちらには豹柄はなく、本当にすべての体毛が黒くなっている。
このほか、斑紋が肥大化して独自の紋様を得た個体も確認されており、こうした遺伝から黒豹となった個体は「準黒 変種」と呼ばれている。
おもに熱帯雨林を中心に勢力圏を持つ。
これは、鬱蒼とした暗い森の中ならば漆黒の体毛はこの上ない迷彩となってくれるため。
このため、マレー半島に生息する豹の半数が黒豹化しているという、驚きのデータも存在する。
逆にアフリカなどの開けた土地だと、かえって目立つため黒豹の出生率は低いという。