性的嗜好

せいてきしこう

性的対象についての嗜好。

概要

性的な欲望を抱く対象に関する好み。

例えば、ぽっちゃりした女性が好きな人と、スレンダーな女性が好きな人は性的嗜好が違うと言える。

また、特定の身体的特徴やシチュエーションに、他よりも性的興奮を覚えるのも性的嗜好の一つである。

同性愛や両性愛は性的指向に分類され、性的嗜好とは異なる。

読みが同じで誤変換しがちでもあるが、性的指向を性的嗜好と呼ぶことを不快と感じる人もいるため注意。

松文館事件の裁判（第一審）について書かれたサイト及び書籍でこの間違いがある。

引用

「（前略）むしろ、日常的にはヘテロセクシャル、つまり、ふつうに異性を愛し、異性とセックスができる性的嗜好をもったひとたちが（後略）」

引用終了

エロ漫画についての裁判での証言なので当然「嗜好」の話も出てくるが、文脈から明らかに「指向」が適切である。

もしかしたら裁判記録の段階で誤表記されたものを、そのまま書籍で使用しているのかもしれない。

ただし、この二つの違いは自然科学的な根拠が明白でなく、近年では性的マイノリティの中でもこの区別を否定する動きもある。

性的嗜好には小児性愛など「現実に行えば」犯罪となることが不可避なものもあるが、これらが性的倒錯とされるには、

（1）当人が自分の性的嗜好によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活を送ることが困難であること。

（2）当人の人生における困難に加えて、その周囲の人々、交際相手や、所属する地域社会などにおいて、他の人々の健全な生活に対し問題を引き起こし、社会的に受け入れがたい行動等を抑制できないこと。

を満たす必要があり、これらが満たされなければいかなる性的嗜好も病気とはされない。