ノーフォーク級
のーふぉーくきゅう
概要
カウンティ級重巡洋艦の最終グループとして2隻が建造された。基準排水量は1万トン以下で主砲は20.3cm砲を搭載する条約型重巡洋艦として設計されたのが本級で、艦名に州名(カウンティ)が名づけられた事からカウンティ級と呼称されている。1926年度計画において、ノーフォーク(重巡洋艦)とドーセットシャー(重巡洋艦)の2隻が建造された。前級までに問題があった弾薬供給装置を改善して軽量化する目的であったが逆に重量増加してしまい軽量化に失敗した。だが、その代償として、弾火薬庫の防御範囲拡張や新設計MkII砲塔を搭載するなど、改善が施されている。
垂直に切り立った艦首から艦首甲板上に20.3cm砲を収めた連装式の主砲塔が背負い式配置で2基、2番主砲塔の基部から上部構造物が始まり、その上に近代的な塔型艦橋が立つが前級において2番主砲塔と艦橋の位置が近かったために前部主砲を側面に向けて撃つと爆風被害を受けるために本級において約7.5m間隔が開けられたのが外観上の識別点である。
艦型
主砲
主砲は新設計の「Mark VIII 20.3cm砲」である。最大の特徴として、同世代の連合側では極めて軽い116.1kgの砲弾を仰角45度で28,030mという射程を得ているこの砲を新型のMarks II型連装砲塔に収めた。砲塔の俯仰能力は仰角50度・俯角3度である。旋回角度は単体首尾線方向を0度として左右150度の旋回角度を持つ。発射速度は毎分6発であるが実用速度は3発程度であった。
装甲
防御装甲は、ホーキンス級重巡洋艦では同時期に設計された巡洋戦艦「フッド」と同じく 舷側に傾斜装甲を採用するなど工夫が見られたが、本級の装甲配置は装甲巡洋艦と同じく舷側に直接装甲板を貼る直接防御のままであった。装甲厚においては舷側装甲は機関区水線部のみ25mmで主砲塔の側面は無防御であり、艦内の弾薬庫の壁面に111mm装甲、天蓋の25mmで防御する形式であった。主甲板の防御も38mmでしかなかった。
No | 艦名 | 工廠 | 起工 | 進水 | 竣工 | 戦没 |
一番艦 | ノーフォーク | フェアフィールド | 1927/07/08 | 1928/12/12 | 1930/04/30 | 1950/01/03(売却) |
二番艦 | ドーセットシャー | ポーツマス | 1927/09/21 | 1929/01/29 | 1930/09/30 | 1942/04/05 |