概要
1915年に設計され、第一次世界大戦の間に5隻が建造された。構想は、ドイツ海軍の東洋艦隊の装甲巡洋艦や防護巡洋艦が通商破壊に活躍し、その対処に既存の防護巡洋艦や仮装巡洋艦では火力不足で、有力な連合国側の装甲巡洋艦や軽巡洋艦は通称護衛に必要不可欠であった。ドイツ本国艦隊には15cm砲を採用した新型軽巡洋艦があり、これらが大西洋で通商破壊に出た場合は既存の巡洋艦だけでは対応できなかった。
そこでイギリス海軍は、1915年6月に、ドイツの15cm砲軽巡洋艦を撃破可能な能力を持つ軽巡洋艦の開発に乗り出した。高速で砲力の強い軽巡洋艦をアウトレンジ可能な大口径砲、大型の排水量のために荒天下でも高速で巡航可能なドイツ仮装巡洋艦を追撃可能な航続性能を併せ持つ大型軽巡洋艦として設計され、1915年度海軍計画で5隻の建造が承認されたのが本級である。つまり、当初は軽巡洋艦として建造されたのだ。
武装
主砲
新設計の「Mark VI 1919年型 19.1cm(45口径)速射砲」を採用した。性能的には重量90.7kgの砲弾を、仰角30度で初速844m/秒で撃ち出し最大射程19,300mまで届かせる長射程を持っていた。この新型砲をm単装砲架で7基搭載した。
その他の武器
対空兵装として前級に引き続き「Mark I 1913年型 7.6cm(45口径)高角砲」を採用していた。元は対水雷艇用の速射砲を高角砲に改造した代物で、その性能は5.67kgの砲弾を仰角45度で9,970mまで、最大仰角90度で最大射高7,160mまで到達させた。砲架の旋回と俯仰は主に人力で行われ、砲架の旋回角度は360度の旋回角度を持っていたが、実際は上部構造物で射界に制限を受けた。俯仰は仰角70度・俯角10度であった。これを単装砲架で4基を搭載した。他に主砲でも対応できない相手のために53.3cm水中魚雷発射管を単装で4門を艦内に、水上魚雷発射管を甲板上に単装で2門を搭載した。
同型艦
本級は、当初改バーミンガム級とされたが、1番艦の艦名からキャベンディッシュ級と呼ばれるようになった。しかしながら、キャベンディッシュは建造途中で空母へ改装、ヴィンデクティヴとして竣工したため、最初に巡洋艦として竣工したホーキンスの艦名からホーキンス級と呼ばれるようになった。
No | 艦名 | 工廠 | 起工 | 進水 | 竣工 | 戦没 |
一番艦 | ホーキンス | チャタム | 1916/06/03 | 1917/10/01 | 1919/07/23 | 1947(解体) |
二番艦 | ヴィンデクティブ | ベルファスト | 1916/06/29 | 1918/01/17 | 1918/10/01 | 1946(解体) |
三番艦 | フロッピシャー | ポーツマス | 1916/08/02 | 1920/03/20 | 1924/09/20 | 1949(解体) |
四番艦 | ローリー | ベアードモア | 1916/10/04 | 1919/08/28 | 1921/07 | 1922/08/08 |
五番艦 | エッフィンガム | ポーツマス | 1917/04/02 | 1921/06/08 | 1925/07 | 1940/05/17(海没処分) |