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ヒューベリオンの編集履歴

2014-12-14 15:45:19 バージョン

ヒューベリオン

ひゅーべりおん

ヒューベリオンとは、田中芳樹小説およびそれを原作とするOVA『銀河英雄伝説』に登場する、自由惑星同盟軍の宇宙戦艦。主人公ヤン・ウェンリーの乗艦でもある。名前の由来はギリシャ神話に登場する巨人ヒュペリオン。

概要

 第4次ティアマト会戦後に新設された自由惑星同盟第13艦隊の旗艦であり、同艦隊の司令官となったヤン・ウェンリーの座乗艦である。同盟軍特有の、縦長かつ長方体を基本とした艦型をしている。また艦中央部が上下に張り出している為、前後対照的な外見から綺麗に整った印象を当てている。

 加えて同盟軍の特徴であるアンテナが多くつけられており、上下に大型で8本、中型で10本ものアンテナが付けられている。これに関しては一応の設定があり、旧式艦なのを現在のニーズに合わせる為に無理にでも指揮管制能力の強化を図った結果であると言うものである。

 当艦は、ヤンがイゼルローン要塞を無血占領したことから、艦隊旗艦であるヒューベリオンはヤンの代名詞的存在を確立した。その敵味方に対する政治的宣伝効果を考えて、就役後に塗装や艦隊ナンバーを敢えて弄らなかったとまで言われている。

 また本艦とヤンを一躍有名にした第七次イゼルローン要塞攻略戦に始まり、ヤンバール星域会戦、ドヴェルク星域会戦、アムリッツァ星域会戦、シャンプール攻略戦、ドーリア星域会戦、ハイネセン攻略戦、第8次イゼルローン攻防戦、第9次イゼルローン攻防戦、ゾンバルト補給艦隊撃滅戦、ライガール星域会戦、トリプラ星域会戦、バーミリオン会戦まで彼の座乗艦として活躍し、その名前は広く知れ渡っていた。

 後にヤンが旗艦をユリシーズに移してからは、メルカッツ提督の座乗艦となり、回廊戦、第10次イゼルローン攻防戦、第11次イゼルローン攻防戦、と戦歴を重ねて行ったものの、シヴァ星域会戦でビッテンフェルト艦隊の猛攻を受け、戦線を支えきれずに撃沈されてしまった。


設定

 本艦においてはヤンの座乗艦でありながら、メディアによって解説が一定していないのが特徴である。その為、現在までには以下のような設定が入り乱れている。


1.第13艦隊の旗艦として新造された

2.退役間近の旧型戦艦を急遽引っ張り出してきた

3.辺境警備艦隊の旗艦を正規艦隊の旗艦として使えるように通信能力を強化した

4.アイアース級に座を譲った為に辺境警備艦隊に移されたが、急遽、第13艦隊旗艦の代替とされた


などの説が存在しているが、近年に商品化された艦船模型『フリート・ファイル・コレクション』シリーズでは、4番目の説が定説とされているようになった。


性能

スペック

  • 全長:911m
  • 全幅:70m
  • 全高:284m
  • 乗員:915名
  • 主兵装

・艦首・・・25㎝中性子ビーム砲×32門

・両舷・・・25㎝荷電粒子ビーム砲×40門(詳細不明)?

  • 戦闘艇:24機

指揮管制

 艦隊指揮を前提とした戦艦であるが、建造されたのは約30年前のこと。当時は8000隻も指揮できれば良いものであった為、十分に対応できる指揮能力であったと考えられる。だがそれも、もはや過去における基準であり、ヤンが存命していた時代の同盟軍では1個艦隊1万5000隻が最大だった。

 そのため、旧世代の能力では対応処理が追いつかないのは当然である。それでも第13艦隊創設当時には、約半個艦隊の凡そ7000隻程度だった故に大した改装をする必要もなく、辺境警備艦隊からそのまま引っ張ってきたと思われる。

 結局は1個艦隊1万5000隻にまで膨れ上がってしまい、ヒューベリオンの指揮管制能力では対処しきるのは不可能となってしまった。それでも1万隻以上の艦隊を運用出来たのは、全艦艇ではなく各分艦隊旗艦のみへの命令伝達と、それをカバーした副司令官エドウィン・フィッシャー提督の名人的な艦隊運用の賜物であった。

 よって、結果として見るに、ヒューベリオンの指揮管制能力は現代に比べて遥かに劣らざるを指摘せざるを得ない。


攻撃

 搭載している主兵装は、艦首の25㎝中性子ビーム砲を32門である。アイアース級の30㎝40門に劣るこそすれ、集団戦においては個艦の打撃能力はあまり左右されない故に、問題になる話でもない。それに数千隻から1万隻もの艦隊同士ともなると、ヒューベリオンが相手するのは帝国軍の標準型戦艦や巡航艦といったクラスが大半である。ヒューベリオンは旧式であっても、標準型戦艦に比べれば遥かに高い打撃力を有している為、1対1で遭遇したとしても後れを取るような可能性は低い。

 ただし、帝国軍が後々に投入してくる新型旗艦(ブリュンヒルとバルバロッサパーツィバル等々)を相手にするとなると、打ち勝つのは難しいと言わざるを得ない。

 

防御

 旗艦クラスだけにシールド機能は高いと観られる。劇中では幾度かヒューベリオンにビームが着弾するシーンが見られたが、大概は弾き逸らすことに成功している。最後のシヴァ会戦において、撃沈間近には数発もの集中砲火を弾き逸らしていた(結局は耐えかねて撃沈してしまったが)。


航行

 機関部の性能は旧式であれども、その信頼性は非常に高かったとされている。その為に安定した出力供給が可能で、燃費も悪くなかったとのではないだろうか。また、両舷の星間物質を吸引する取り込み口の存在もあるので、それなりの節約は可能を想われる。


余談

 OVA版における艦番号は第13艦隊の旗艦を示す「1301」ではなく、製作時にヒューベリオン用に使用されたカラーナンバーに因んだ「144M」である。

 物語の設定上は「番号を変える暇もなく配備したら、ヤンがいきなりイゼルローンを奪取するという大手柄を立ててしまったので宣伝効果も兼ねてそのままにしておいた」ということになっている。


関連タグ

銀河英雄伝説 ヤン・ウェンリー 自由惑星同盟軍艦艇 宇宙戦艦

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