「私も最近、ようやく艦隊運用に自信が持てるようになりました」
声優:鈴木泰明
概要
年齢は不明確だが、ムライ参謀長よりも年上という描写がある(小説版7巻より)。容貌は、細身で鼻の下髭を生やしたもので、髪は白銀のオールバック。座乗艦は、同盟軍降伏まではアガートラム、それ以降はシヴァである。最終階級は中将。
アスターテ会戦時のパストーレ中将率いる第4艦隊麾下の分艦隊を指揮し、帝国軍の急襲を受けた第4艦隊の全面崩壊を防いだ。アスターテ会戦終結後、崩壊した第4・第6各艦隊の残存艦隊に新兵を加えた6000隻で第13艦隊を創設、司令官にヤン・ウェンリー少将が就任し、アスターテ会戦での冷静な指揮を評価されたフィッシャーは第13艦隊に副司令官として迎えられた。
以後、ヤン艦隊が第13艦隊、イゼルローン駐留艦隊、エルファシル革命予備軍と名称を変えながらも年長の幹部として回廊の戦いで戦死するまでヤン艦隊を支えつづけた。
特に艦隊運用に定評があり、ヤンが艦隊創立にあたり是が非でも欲した人材の一人である(要は楽がしたいが為に選んだと言える)。
その手腕から『生ける航路図』と呼ばれるほど、その信頼度は高かった。
人物
寡黙とは言わずとも、非常に口数の少ない人物で、求められる以外に率先して発言することはあまりなかった。ヤンに艦隊運用の全権を託されたことで、自分が信頼されていると理解し、ヤンに変わって艦隊運用を一手に引き受けた。
しかし、余りにも口数が少なく、印象が弱い事から、ユリアン・ミンツから『地味が軍服を着て物陰に黙って立っている』と揶揄されてしまう程(かといってユリアンの信望が薄いわけではないので注意)。
経歴
ヤンの作戦がほとんど常に完璧な成果をあげえたのは、ヤンの立案した戦術に艦隊が一糸乱れず従ったからであり、その存在の重要性は、本人は寡黙で地味な人となりながらヤン艦隊幹部であれば誰でも知っていた。
黙々と自らの仕事をこなす高度な高級軍人といった感じの人物で、本編での性格や過去、家族などの描写はほとんどない。
フィッシャーの活躍で目立ったのはドーリア会戦にて救国軍事会議派の第11艦隊とヤン艦隊が交戦した折、分派されていた第11艦隊の別働隊を分艦隊を率いて、付かず離れずの巧みな艦隊運動で第11艦隊本隊を撃破したヤン艦隊が来援するまで牽制した事であろう。(アニメでは、その活躍すらアッテンボローに替えられてしまった)
帝国の再侵攻が迫る「マル・アデッタ星域会戦」直前、フィッシャーは惑星ハイネセンに残るムライ、パトリチェフとともに同盟軍総参謀長・チュン・ウー・チェン大将から呼び出しを受け、艦船5560隻をヤンに譲渡するとの契約書を渡される。
ムライは「帝国との戦いに一隻でも多く糾合したほうがいいのではないか」と発言するが、チェンは「どれだけ糾合しても帝国には勝てない」とこともなげに言い放つ。
チェンの正しさに言葉を失うムライとパトリチェフに、フィッシャーは「私は(ヤンのもとに)行くつもりだ」と発言、ムライとパトリチェフも年長の同僚の正しさに従いヤンのもとに馳せ参じるのだった。
、回廊の戦いの最終局面でフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトの黒色槍騎兵艦隊の猛撃を受けて戦死してしまった。その時の衝撃は大きなもので、ヤンは艦隊のイゼルローン要塞への総撤退を覚悟した程であり、彼にとって片足を奪われたに等しい損失であった。
主な台詞
「最近、ようやく私も艦隊の機動に自信がもてるようになってきました。戦争が一段落したらそのことについて本でも書いてみますかな。アッテンボロー中将にばかり印税を儲けさせることもありますまいし」
(回廊の戦いの最中かその前に、ヤンに語った珍しい冗談)
フィッシャーの戦死を知り、彼を悼むアッテンボローの台詞
「まいったな。うちの生きた航路図が、死んだ航路図になってしまった。これからうっかり森へハイキングにもいけんぞ」
(8巻P143、フィッシャーの死を知り、ラオ大佐につぶやいたアッテンボローのため息)
藤崎版
従来の人物像とはうってかわって豪快な親分気質な人物に描かれており、軍服も袖を通さずマントの様に肩掛けで、指揮も腕を組みながら大声で指示を出す等、原作やOVAとの性格面の乖離が最も大きいと言えるだろう。
また容姿も鼻髭をはやした紳士然としたOVA版と変わり、モミアゲからアゴ鼻髭まで繋がった見た目からしてワイルドな男となった。
特技の艦隊運用も健在であり。
作戦時刻丁度に到着する、所属艦艇の僅かな位置のズレを指摘する等、その見た目に反して原作以上に緻密で繊細な艦隊運用を行う。