企業・商店などが加工や販売するために保有する原材料・製造途中の製品・製品あるいは商品などの物。簿記会計上は棚卸資産として扱われ、通常の販売目的で保有する棚卸資産は取得原価、あるいは決算時の正味売却価額のうち低いほうの額を決算時の帳簿価額とし、トレーディング目的で保有する棚卸資産は時価法で評価する。
経営学上における在庫
製造業
製造業において在庫はほぼ無条件で悪とされている。在庫を極限まで減らす経営として
が主なものとして存在し、製造業における究極の理想とされている。しかし急激な需要の増加、生産過程のトラブル、部品供給元が災害に見舞われた、物流の滞留などによる販売機会の損失などのリスクに備えて安全在庫の積み増しが行われている。ただし安全在庫もむやみに増やす訳にはいかないのでABC分析などを利用して管理されている。
流通業
流通業においては在庫は必ずしも悪というわけではない。大手コンビニチェーンセブンイレブンなどを運営するセブン&アイ・ホールディングスの最高経営責任者である鈴木敏文は、販売機会の損失を恐れており、その原因が在庫品切れによるものならば、在庫を切らすほうが絶対的な悪であるという考えの持ち主である。ただし鈴木敏文の影響下にない企業でも似たような考えを持つところはある。