概要
端的に言えばお小遣い帳や家計簿も簿記の一種であり、これら収支のみを帳簿に付けるものは「単式簿記」と呼ぶ。
さらに取引を複数の科目で記載する「複式簿記」も存在し、商売で使われる簿記はほとんどが後者である。
いわゆる大福帳も単式簿記である。
簿記という名前の由来は定かではなく、「帳簿記入」の略であるとも、あるいは「book keepking」が訛ったものとも言われる。
歴史
単式簿記自体はすでに古代から存在していたとされるが、複式簿記の「発明」は商業の大きな発展を迎えたルネサンス期のヴェネツィアの商人たちによるものとされる。
イタリアの数学者ルカ・パチョーリが1494年に出版した『算術、幾何、比及び比例要覧( スムマ )』という本に、複式簿記の原理が体系立ててまとめられており、一般的にはこれが最古の複式簿記についての書物とされる。ただ、スムマに先立つこと36年前に『商業技術の本』に同様の記述があった( ただし、出版されたのはスムマより後 )ほか、この書籍の中には既存の技術を「紹介」したとの記述があるため、実際の起源はさらに遡るとみられる。
『スムマ』は当時の公用語かつ上流階級が使用するラテン語ではなく、通俗語であるイタリア語で書かれていたため、多くの人に読まれ、ヨーロッパ全体、そしてアメリカへ複式簿記の知識が渡ることになる。
日本における歴史
日本においては、商人たちは独自の帳簿技術を持っていたとされるも、全国的に統一されたものではなかったようである。また長崎の出島においては南蛮商人がヨーロッパ式の複式簿記を使っていた記録も存在するが、一般的にこの技術は幕末から明治初期にかけて伝えられたとされる。アメリカやカナダで使われていた簿記の教科書を福澤諭吉が翻訳した『帳合の法』が多くの学校で採用された他、明治政府が雇用したスコットランド人のアレキサンダー・アラン・シャンドが大蔵省( 現代の財務省 )に銀行簿記の技術を伝えている。
記帳法
一般に会計帳簿の左を「借方」、右を「貸方」とよび、借方には資産(貸借対照表)と費用・当期純利益(損益計算書)が、貸方には負債及び純資産(貸借対照表)と収益(損益計算書)が記入される。
但しイギリス式のみなぜかこの借方・貸方の左右が逆転する(原理自体は全く同じである)。
簿記検定
日本の場合、日商簿記検定という資格もあり、単に簿記といえばこの簿記検定のことを指す場合が多いが、ほかにも全経簿記能力検定など、複数の資格が存在する。
有用性
このスキルは仕事だけでなく、投資や生活の面でもできるようになっておいて損は無い能力とされ、どの分野であれ、生活していく上で役に立つ、と言うかこれができないと一人暮らししているときに大変なことに……。
関連タグ
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新田美波:リアル346プロ企画にて、日本商工会議所の日商簿記イメージキャラクターに就任。ウェブ検索しても出てくる。