もう、生まれたくなかったのに……
『神のみぞ知るセカイ』最終章である過去(攻略準備)編より登場した謎の少女。
精神のみ過去の時代の肉体に飛ばされた桂木桂馬が出発時に持たされた珠の導きによって行かされた臨海公園の帆船「あかね丸」で出会った少女であり、桂馬の過去編における最初の攻略相手。
あかね丸のマストのてっぺんから飛び降り自殺を図るという衝撃的な登場をするも、なぜかその程度で死ぬ事なく、その後に脈絡もなく赤ん坊まで若返って消滅するという末路を遂げていた。桂馬に名を問い詰められて「ドクロウ」を名乗る。
(そしてドクロウの消滅と共に桂馬の時間は、彼女と出会う以前に巻き戻される事になる)
が、状況に業を煮やした桂馬にムリヤリ、キスをされた上で多少強引な説得をされ若返りが停止する。以降は桂馬と行動を共にするようになる。また、その過程から桂馬を兄と慕う。(外見的には逆だが)
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※以下、本作の核心に繋がる重大なネタバレ
正体
私は自分の勇敢さを 戦わないため にこそ使うべきだったのだ―――
その正体はドクロウ・スカールが自身の魂を分割し、その一方を悪魔としての力を、ある程度残した状態で人間に転生させた、その分身。
地獄を焼き尽くしたアルマゲマキナの戦いにおいてユピテルの姉妹のサポートの果て勝利を得た新悪魔たちであり、その筆頭として戦ってきたドクロウであったが、その心の奥底には常に悔恨がつきまとっていた。
戦いに勝利はしたものの、地獄全土は焦土と化し、生まれてくるはずの魂すらも犠牲にし、戦いが終わった後に地獄に残されたのは「疲弊した今」だけだったのだ。
自身も様々な理由があって戦ったが、結局は、そこに「戦い」があったから戦ってしまった。他ならぬ「戦いをやめるための努力」をしなかった。それが英雄ドクロウ・スカール最大の悔恨であった。
戦いの代償に肉体と未来、さらに地獄の政治の果てに誇りすらも失った彼女は、ふたたび増長するヴィンテージやサテュロスの脅威を前にひとつの策を講じる。
「地獄の脅威から逃れた未来の可能性世界より使者を送ってもらい、その使者の知る情報を元に『戦わずに勝利する』方法を見出そう」
ドクロウは、そのために生み出された要であり楔にして「番人」だった。
そして彼女の元には、彼女が望む「使者」である桂馬がやって来たのだった。
※以下、最大のネタバレ
その後
桂馬たちと邂逅を果たし行動を共にしたドクロウは、この時代におけるヴィンテージの脅威を退けた事を悟ると、さらなる未来への戦いのために桂馬の元を去る。自身が囮となってヴィンテージやサテュロスを足止めするためだった。
その際、桂馬の事をどこからでも見守り護ると固く誓った。
やがて桂馬は高校に入学し、エルシィと出会って駆け魂狩りに巻き込まれていく。
実は、その傍には桂馬やエルシィもあずかり知らぬところで時を経て成長したドクロウが常にいて、誓いの通りに桂馬を信じ見守り続けていたのであった。