路線概要
JR山田線茂市駅と、内陸部の岩泉駅を結んでいたJR東日本のローカル線。起点の茂市駅以外に接続する鉄道路線の無い盲腸線であった。
この路線の原型となる小本線は1942年に開通した。当時はまだ茂市駅から途中駅の岩手和井内までの部分開通で、1972年に全線開業し現在の路線名へと改称した。以来、1㎞あたりの平均輸送人員が一度も100人を超えたことはなく、列車も一日4往復、全線通しで走る列車はわずか3往復という超閑散路線であった。
特定地方交通線に指定されたことがあり、本来は国鉄の分割民営化と同時に廃止されていてもおかしくない路線であったが、並行する幹線道路の幅が狭くバスが運行できないなどの事情があり、廃止保留という形で運転が続けられていた。
2010年に土砂崩れが発生し列車が脱線、以来長期にわたって運休が続いていたが、復旧費用などの採算面を鑑み、並行する道路の拡張を行ってバスを運行することでJRと県が合意し、2014年4月1日をもって正式に廃止された。
なお、運休直前の2009年の平均輸送人員は1㎞あたり46人で、これはもちろん全国のあらゆる鉄道路線の中で最も少ない。
なお、この路線の中間駅の一つである押角駅は、全国でもその名を知られる屈指の秘境駅であり、鉄道ファンからは人気であった。