日本の建国者である神倭伊波礼琵古命が、大和を平定し土着の氏族の降伏を受け入れて、橿原神宮で初代天皇である神武天皇として即位した際の即位式において、神武天皇は「六合を兼ねて都を開き、八紘を掩いて宇となさん。また可からずや」と述べている。
「六合」とは『国のうち』、「八紘」とは『天の下』という意味で、ここから『八紘一宇』という言葉が生まれた。
『天の下』とは「世界」という意味とされるが、これは当時の価値観では「世界」とは「国」のことであり、よって八紘一宇の言葉の意味は『国を一つの家とする』という意味になる。これは神武天皇の即位式に集まった、もろもろの氏族や土着の部族に対し、「これからは国じゅう一軒の家のように仲良くしていこう」という願いを述べられたものである。
言うなれば長い戦争のあとの平和宣言であり、同時に日本の建国の精神を示したものでもある。