mypaint
まいぺいんと
概要
MyPaintとは、オープンソースで開発されているLinux、Windows、Mac OS X(MacPorts)に対応したクロスプラットフォームのペイントツール。主な開発者はMartin Renold氏。
最新の安定版は2016年01月15日リリースのv1.2.0
明確なマイルストーンを持たない緩やかなプロジェクトの為、次期バージョンのリリース時期、搭載される機能などは公表されない。ただしgit先端をビルドする事で開発中の機能を試すことができる。主な開発言語はPython。
Blenderのオープンムービープロジェクト第3弾,Sintelのアートディレクター David Revoy氏が同プロジェクトで使用。
特徴
手軽に描けることを目的としたペイントツールであり、
細かくカスタマイズ可能なブラシ設定、数種類に及ぶ豊富な色選択ダイアログを持つ。
キャンバスサイズの概念がなく、スクロールすることでどこまでも広げることが出来る。
その他の特徴として、
- レイヤー(レイヤーモードはVer1.0以降)
- 消しゴム
- 透明度保護ブラシモード(Ver1.0以降)
- キャンバスの拡大縮小、回転、反転(上下および左右)
- スクラッチパッド(作業パレット、Ver1.0以降)
- 使用頻度の高いショートカットキーを左手の位置に位置に配置。
- ショートカットはカスタマイズ可能
などがある。
水彩画や油彩画のようなアナログ風味に近い画風には向いている一方、マスク、選択範囲を限定しての編集機能が弱い、フィルタ機能が無いためフォトレタッチツールやベクターグラフィックツールが得意とするようなデザインにはやや不向き。
このため、デザインラフをMyPaintで、フィニッシュワークをGIMPで、というような連携を行う必要がある。(連携方法については後述)
ペンタブレットの筆圧検知に対応。
非常にシンプルなインターフェースを持ちながら、Painterに勝るとも劣らない多彩で再現性の高いブラシツールを持つが、キャンバスサイズを自由に設定できないなどの難点もある。
ネイティブな保存形式はOpenRaster(Open Raster Format, 拡張子.ora, 仕様)レイヤー構造が保存できるオープンなフォーマットである。中身は各レイヤーがpng形式でメタデータがxml形式。
png、連番png(レイヤー分離)、jpegでのエクスポートが可能。
GIMPとの連携
GIMPにoraプラグインを導入することで相互のデータ交換が可能となる。ただし、事前にPython-Fuが使用可能になっている必要がある。(gimp2.8ではoraプラグイン、Pythonサポートが同梱済み)
ちなみに別のツールだがora形式はPintaでも対応している。
ショートカット
描きやすさを主眼に置いたMyPaintのショートカットキーは機能名の頭文字ではなく、使いやすさで決められている。例えば一番良く使うであろうブラシの大きさや濃度の調整キーを左手のホームポジションであるA,S,D,Fに割り当てているなどである。これは右手でのペンタブの使用を前提としていることからである。
ショートカットキーはメニューを選択(クリックしない)状態で任意のキーを押すことで変更できる。マウスボタンの機能の割り当ては環境メニュー内で行う。
以下はデフォルトの状態でのショートカット一覧。
キー | 機能 |
---|---|
Space+マウス移動 or マウス右ボタンドラッグ | パン |
Ctrl+Space+マウス上下移動 or Ctrl+マウス右ボタン上下ドラッグ | ズーム |
Shift+Space+マウス上下移動 or Shift+マウス右ボタン上下ドラッグ | 回転 |
U | 上下反転 |
I | 左右反転 |
Tab | ツールウィンドウの表示/非表示 |
F11 | 全画面表示 |
F12 | 回転・ズームなどの表示をリセット |
Pixivでの使用ツールとしての扱い
なお、pixivの使用ツール一覧には同ソフトが無いため、MyPaintを利用していることを示す際にはタグに記載することになる。